端午の節句に本をプレゼント
5月5日は、端午の節句と呼ばれています。全ての子どもたちが幸せになることと、丈夫で健康に育って欲しいと願う日です。この日のお祝いにと多くの人が、節句人形や柏餅など節句にちなんだものを子どもに贈ります。
しかし、何年も同じプレゼントではなく、脳を健康的に成長させるために「知識の泉」と異名のある「本」を贈ることをオススメします。
本は脳と心の栄養になる
「本をプレゼントすることがどうして脳の成長にいいのか?」と疑問に思われる人もいるでしょう。説明は、脳科学の分野になります。本を読んでいる時の脳は、左右とも活発に働き、思考や創造性を担う分野である前頭前野を含んだ脳の働きが良くなっていることが、研究の結果わかっています。脳内が活発に動いて、刺激を受けているということです。
東北大学で教授をされている川島隆太氏の著書、『脳を育て、夢をかなえる 脳の中の脳「前頭前野」のおどろくべき働きと、きたえ方』にもこの研究のことが書かれています。それだけでなく、心の成長にも本は欠かすことができません。
特に感受性の強い幼児期から小学生には、本が有効的に働きかけてくれます。大人が読んでほしいと感じる本はNG?
本をプレゼントする際、大人が読んでほしいと感じる本を買ってしまいがちになります。でも、それでは子どもは喜びません。むしろ本嫌いにしてしまうことになります。だから、本選びには注意が必要です。どのような本を贈るかが、本を好きにさせる大事なポイントになってきます。
最初は絵本から
年齢が低ければ低いほど、楽しい絵本などを贈りましょう。それをある程度大きくなった子どもに贈る場合も、最初は絵本やストーリー性のある謎解き絵本などにします。
読書が定着している子どもであれば、年齢相応の内容のものでも問題はありません。しかし、「本を読まない」、「読書が嫌い」となっている子どもには、絵本からスタートすることで本を好きになってもらうためことが必要です。
本嫌いでも絵の多いものは好む
幼児期よりあまり本に親しみのない子どもは、本を嫌う傾向にあることは、ご存じのことでしょう。そこへ自分の興味がない本や、難しい内容の本を与えられて読むことに繋がると思いますか?
はっきり言って、本棚の肥やしになるだけで、頭にも心にも響かないで終わってしまいます。ところが、本嫌いの子どもでも絵の多い本であれば、興味を示します。
できるだけ楽しいものを
ただ絵がついていればいいというわけではありません。大事なのは、子どもの興味がひくことのできる内容であることが絶対条件になります。私が学習塾の講師をしていたころ、読書を推奨していました。子どもたちがどんな本に興味を示すのかを観察していたところ、食べることが好きな子は食べ物に関する絵本、乗り物が好きな子は乗り物に関する絵本という具合に、自分の好きな分野で絵が見やすくて鮮やかな色彩の絵本を好んで読んでいることがわかりました。
しかも何度も何度も読み返し、借りて帰ることを進んでする子どもが多かったのです。当然と言える結果だと思われるかもしれませんが、楽しいと思える本は何度でも読んでしまうのです。そういった本を贈ると喜ばれますし、読んでくれると贈った方もうれしいですよね。次の段階にステップアップするための大事なとっかかりになることも重要になります。
初めは絵本や謎解きがおすすめ
初めて本を贈る場合は、大人目線で本を選ぶことは厳禁です。大人が読んでもらいたいと考える本と、子どもが読みたいと考える本には大きな差があります。だから、大人目線で選んではならないのです。大事なのは、本を贈りたい相手がどんなものが好きなのか知ることです。本を読んでもらって、脳の活性化をさせてあげたい、心の成長になるような本を贈りたいですよね。だったら、段階的な選び方がキーポイントになります。
最初は絵本や謎解きものなど眺めるだけで楽しめるものにします。その後から、ちょっとずつレベルをあげていくのです。本が好きになってくれるためのきっかけを作ることができれば、年齢相当の本をプレゼントするまでにいきます。
脳科学の分野から見ても、簡単なところから入ることで脳の反応が変わってくることがわかっています。それを上手く利用してみましょう。
簡単な文字と鮮やかな挿絵を選ぼう
学習塾の講師をしていたときに、親御さんとの面談で本の選び方を話したことがあります。本が嫌いだという子どもは、難しい本を読まされたなどの経験があり、読むことに苦痛を感じています。これではいつまで経っても本に手をつけないでしょう。だからこそ、絵本なのです。簡単な文字と鮮やかな絵が心を掴んでくれます。これが大事なポイントになります。
「子どもの日」に柏餅もいいですが、プレゼントするなら本がいいでしょう。子どもの成長を手助けしてくれます。本が好きになるための1冊を毎年子どもの日に見つけて贈ってみませんか!