
体に異変が起きていませんか?
頭が痛い、胸がドキドキするなどの不快な症状が頻繁に起こっているという人はいませんか?病院に受診したのに、「様子を見てください」と言われ、薬を出されておしまいというようなことを経験したことがある人もいるかもしれません。このような場合、心が原因で症状が出ていることも考えられます。
・会社が近くなると、なぜか頭痛を感じる(40代男性)
・電車に乗るとトイレに行きたくなる。むしろ駆け込みたくなるくらい(20代男性)
・口内炎のような痛みを舌の奥で感じてなかなか治らない(30代女性)
・急に耳の奥で圧がかかったようになり聞こえにくい時がある(40代女性)
私が取材をした中だけでも、こういったちょっとした体の異変を感じている人がいます。症状は人によってさまざまで、痛みを伴うものから違和感を感じる程度のものまであります。
病院を受診しても原因が見つからなかったり、検査しても体に重大な病が隠れているわけではなかったりする場合は、心身症が疑われます。
心身症の主な症状
心に何らかの影響(ストレスなど)があると、体に反応が起こりやすくなります。
・頭痛
・動悸や息切れ
・胸の痛み
・トイレに行きたくなる回数がハンパなく多い
・便秘や下痢
・喉に何かが詰まっているような感じ
・傷などないのに舌が痛む
・関節の痛み
・腹痛
・耳鳴り
・めまい
・顔のけいれんやぴくつき
以上のような症状はほんの一例です。ずっと続いていておかしいと感じる症状は、心の悲鳴であることが考えられます。
心身症とは?
心身症とは、精神的なトラブルやストレスが原因で、体に生じる疾患のことを言います。そして、日本心身医学会が1990年に発表した定義には、「神経症やうつ病など他の精神障害にともなう身体症状は除外する」とあります。
症状は多岐にわたり全身に現れます。突然始まるケースや、痛みや苦しさを伴って現れることもあります。
先に紹介した症状は、何かの病気が進行中に起こることが多いため、必ず受診しなくてはなりません。検査などをして原因が見つからないときに初めて、心身症を疑うことになります。
心身症と呼ばれる病気の種類
人によって出てくる症状は千差万別です。心身症としての要素がある病気の一例を見てみましょう。
体に現れる症状の一例
・過敏性腸症候群(腹痛・腹部違和感・下痢・便秘・ガスが溜まる)
・口腔心身症(舌痛・不定痛(痛む場所の特定ができないのに痛む)・口腔内乾燥)
・緊張型頭痛(肩や首筋の張り・頭痛・頭が重い感じ)
・白衣高血圧(動悸・頭痛・のぼせ感・発汗)
・過換気症候群(息苦しさ・動悸・めまい・手足のしびれ・嘔吐感・意識消失)
心と体の不調を見逃さないで
心の不調というのは、いつどこで起こるかわかりません。仕事がうまくいかないなど自分にとって、「嫌だなぁ」と感じることや、人間関係・金銭関係など生活のいたるところで不調の原因となるストレスを感じるものです。それらが溜まると体に異変を起こしやすくなります。
心身症を疑う前にまず医療機関へ
一番危険なのが自己判断です。ストレスが原因で起こっているものばかりではないということを前提として考えておかなければ、重大な病気を見逃してしまうことになります。そんなことにならないために、おかしいと思う症状があったら、医療機関を受診をすることが必要です。心身症を疑うのはそれからになります。
病院でなんともないと言われても症状が続くようであれば、心療内科への受診をしましょう。心身症は心療内科の領域です。体に症状が出ていても心の原因を取り除くことで、症状の改善がみられるからです。

不定愁訴を見逃さないで!
「不定愁訴」という言葉を聞いたことはありませんか?病院で検査を受けても症状の原因となる病気が見つからず、不調などの症状が続くことを言います。「何となく体調が悪いなぁ」と感じる心身症のさまざまな症状もこれにあたります。
この不定愁訴の中には、疲れがなかなか取れないことや不眠なども入るため、相当広い範囲の症状が当てはまることになります。自分の体の中で起こっている不定愁訴は、大きな病気に繋がるかもしれませんし、心身症であるかもしれません。だから絶対に見逃さないで欲しいのです。
不調が続くときは、「いつからどのような症状が続いているのか、どんな時に強く感じるのか」を憶えておくことが大切です。
生活習慣を見直すことで軽減できる症状もある
心身症の場合は、カウンセリングを受けることで、ストレス因となっているものを見つけ、改善を図る方法と、投薬による治療とがあります。投薬の場合は、一時しのぎにしかならないこともありますので、自分でも症状の軽減を図るようにすることが大切です。生活習慣を見直すことで症状を軽減させることができます。
ストレスを軽減させる生活術とは?
心の中に溜まったうっぷんは、なかなか出しきれないときもあります。ストレスが溜まってしまわないように、生活する中でリズムを整えていくことがストレス軽減につながります。
朝はしっかり決まった時間に起き、夜は早めに休むようにして、生活リズムを整えるようにします。食欲がない場合は、少しでもいいので朝食を摂るようにしたり、朝日を浴びるのもいいでしょう。
不眠のときは、無理に寝なくてもいいですが、布団やベッドの中に入って横になるようにしましょう。横になるだけでも体の疲れはだいぶ良くなります。眠れないからと言って、起きてテレビを見ていたり、パソコンを見ることは一番良くありません。体を休めることを大切にしましょう。
またストレス解消にと、暴飲暴食をしてしまうこともありますよね。これもよくありません。まずは深呼吸を数回して落ち着き、本当に食べたいと思っているものをゆっくり噛むようにして食べるという方法に変えてみましょう。これだけでもかなり違います。
自己判断をしないことが早く治る秘訣
体に起こるさまざまな症状は、気分をも不快にさせるため、具合が悪くなりやすいです。具合が悪い、不調が続くと感じた場合は、まず受診です。「心身症だ、ストレスが原因だ」と自己判断することが最も危険です。
痛みなどの症状は、慢性化してしまうとその状態に慣れてしまうこともありますが、病院で検査を受け、原因となる病気が見つからない場合は、心身症を疑います。そして、心療内科でカウンセリングを受けることが一番良い方法です。