歴史深い魅惑の島、佐渡ヶ島
島流しの島、金山、トキの繁殖地といったことが有名な佐渡ヶ島。確かに島流しをされたことで、人だけでなく多くの歴史がこの地にやってきました。それをぜひ、見てきて欲しいと思います。
歴史の表舞台は『島流し』ですが、流された人たちのその後が島全体に描かれているのです。今も残る郭跡や奉行所といった歴史に関することだけではなく、環境省選定の「快水浴場百選」に選ばれた海岸は、海水はスキューバダイビングができるほど透明度が高いのです!そんな魅惑の島を楽しみましょう。
楽しむ方法を教えます。
自分の趣味と合致するものが必ずこの島にはあるはずです。海のきれいさに、食べ物のおいしさ、米どころならではのお酒、歴史が眠っている町並みなどたくさんあるので、一度渡っただけでは知り尽くせないほどたくさんあります。
歴史・海水浴・食べ物が堪能できるように予定を組みましょう。絶対に損はさせないくらい佐渡を満喫することができます。
島流しから生まれた歴史的ストーリーに注目
島流しによって多くの地域の文化が入ってきた佐渡ヶ島は、お寺がたくさんあり、その一つ一つに言い伝えや、伝承されている物語があります。それだけでなく、流された人たちのその後のこともストーリーがあるのです。
万葉の歌人である穂積朝臣老を始め、順徳上皇、日蓮聖人、京極為兼、世阿弥など多くの方のその後があるのです。
桓武天皇が佐渡の人々を思って作らせた清水寺(せいすいじ)
世界的に有名な京都にある『清水寺(きよみずでら)』を模して作られたのが『清水寺(せいすいじ)』です。
京都まで遠い佐渡の地の人々が容易に清水寺(きよみずでら)を参拝できないことを嘆き 桓武天皇が賢応法師に命じて建てさせたお寺です。
縮尺して作られていますので、京都の清水寺(きよみずでら)を見たことがある人なら、佐渡の清水寺(せいすいじ)がいかに正確に作られたかがわかると思います。また、四季折々の風景がとても素晴らしく、どの季節も行ってみましたが、私は個人的に5月頃の若葉の頃か、紅葉の頃に訪れてみていただきたいと思います。
日本昔ばなしの一つ、伝説の加茂湖を一目みて!
大佐渡スカイラインの相川より辺りにひっそりとある乙和池は、珍しく浮島がある池です。おとわという娘がこの池に住む主の大蛇に見初められ、泣く泣くではあったが受け入れたという伝説のある池です。おとわが大蛇と行ったあとにこの浮島が現れたと言われています。
もう1つ、佐渡一大きい加茂湖は、牡蠣漁が盛んに行われている湖ですが、『まんが日本昔ばなし』で「加茂湖の主」という題名で放映されたこともあります。朝日や夕陽を浴びた湖面の輝きが素晴らしいので一度見て、おいしい牡蠣を堪能してもらいたいと思います。
金山に隠された歴史の裏側
現在は金の産出がありませんが、観光地として大判小判がどのようにしてこの金山から運ばれていったのか、どうやって金を掘っていたのかを紹介しています。それに穴を開けすぎたため、山が2つに割れてしまうという姿を目の当たりにすることができます。
金山の歴史には裏舞台があり、この山を掘る男達を癒やすために本土から女性を連れてきて郭を造り、何ヶ月も暗い穴の中で生活をしていた男性を慰めるようにしていたという話が残っています。その郭は今も残っています。
今は民家となって、人が住んでいますが、郭特有の建て方がそのまま残っています。これも知っている人は少ないでしょう。道幅が狭いわけや二階からどう見えるようになっているかをその目で確かめてみてほしいと思います。
海の幸が豊富で米どころの佐渡名物を堪能しよう
日本海に囲まれているだけあって、海の幸は本当においしいです。それだけでなく、米どころとしても知られ高い評価を受けているお米があり、それを使って作るお酒もまたおいしいものがたくさんあります。
果物においては、「糖度がこんなに高いの!」と驚いてしまうほど甘く、旨味の高いものが揃っています。
あわび、サザエ、ベニズワイガニが絶品
佐渡は海に囲まれていますので、海の幸が豊富にあります。中でも、あわび・サザエ・カニは、人気が高く季節になると高値で取引されるため、密猟者が絶えないほどなんです。あわびは、大人のこぶしほどもある「ババあわび」と呼ばれる大きいものが取れます。味が濃厚ですごくおいしいです。
夏に泊まりに行くと、必ずと言っていいほど食べることができます。(別料金を請求されますが・・・。)刺身で食べるとコリコリ感が、ステーキで食べると、柔らかさが堪能できます。
サザエは、キャンプ場や浜辺のあちらこちらでつぼ焼きとして食べることができます。肝まで食べてもすごくおいしく、つい食べ過ぎてしまうことも!金額も安い(500円くらい)ので、ぜひ食べてみてください。
カニで取れるのは、ベニズワイガニです。秋から春にかけて底引き網を使って漁獲します。甘さがハンパなく、浜茹でしたものは絶品です!一言もしゃべらず食べてしまうほどのおいしさです。しゃぶしゃぶなどにしたい人もいるかと思いますが、浜茹でのおいしさを堪能していただきたいと思います。
おすすめは佐渡のソウルフード・いごねり
佐渡にしかない「いごねり」という食品があります。ご草という海藻を煮溶かし、良く練って冷やし固めたものです。これにおろししょうがと刻みねぎをかけ、しょう油をかけて食べます。
佐渡に住んでいる人にとって、ソールフードと言っても過言ではありません!
(わたくし、桜井は佐渡へ帰ると真っ先にこれを食べます。これを食べないと佐渡に帰った気がしないのです。)これは宿の食事では出ないことも多いため、食べてみたい方は宿主に声をかけてみてください。きっと出してくださるに違いありません。その他にも、南蛮エビやいか、シマダイなどおいしいものがたくさんあります。
果物なら、おけさ柿、おけさイチゴ、ル・レクチェを
一番有名なのは、『おけさ柿』でしょう。渋柿を焼酎などでつけて、甘くする技法で作られます。口に入れた途端に溶けてしまうほど甘いです。
4月中頃からゴールデンウィークまでしか楽しめない『おけさイチゴ』も知る人ぞ知るおいしい果物の1つです。かなり大ぶりな実ですが、甘さがハンパないです!いくらでも食べられますので、食べ過ぎ要注意のイチゴです。
佐渡で1~2件しか作っていませんので、佐渡に行かないと食べることのできないイチゴと思った方がいいでしょう。
ル・レクチェ(西洋洋なし)も作られています。こちらは店頭で見かけることもあるかと思います。甘さが上品で香りがすごく豊かなのが特徴です。ネット販売などで売られてもいますので、洋なしが好きな方はぜひ1度食べてみて欲しいと思います。
米どころならではの日本酒もチェック
4箇所の酒蔵があります。
・北雪酒蔵(北雪大吟醸 YK35が有名)
・尾畑酒造(大吟醸 真野鶴・万穂が有名)
・天領盃酒蔵(天領盃 新撰が有名)
・逸見酒蔵(山廃純米大吟醸 真稜が有名)
その他に、「アルコール共和国」も真野にありますので、歴史伝承館で歴史を堪能した後は、隣にあるアルコール共和国で利き酒をするのもまた楽しいひとときになると思います。
佐渡ヶ島へのアクセス・渡り方
新幹線や飛行機を使って、他県から新潟県へ入ります。次の3カ所からフェリーで佐渡へ渡ることができます。
・新潟港~両津港
・寺泊港~赤泊港
・直江津港~小木港
個人的には、駅や空港から近い新潟港~両津港をおすすめします。関西方面から来られる方は、直江津港~小木港が近くていいと思います。
発着する港によって船の種類と所要時間が変わる
船は、いくつか種類がありますので、発着する港ごとにご紹介します。
◆新潟港~両津港
・ジェットフォイル:到着まで約65分です。船の揺れが少ないので船酔いしてしまう人にはおすすめです。
・カーフェリー:到着まで約2時間30分です。船内は特等から2等までありますので、事前予約をして席を確保します。船内にはゲームセンターや売店などがあります。デッキに出てカモメにえさをあげることができますので、それも楽しみの一つとなります。
◆寺泊港~赤泊港
・高速船:到着まで約65分です。こちらは冬季運休となっています。
◆直江津港~小木港
・カーフェリー:到着まで約2時間40分です。
・高速カーフェリー:到着まで約1時間40分です。
(2015年5月現在)
島内の移動手段は目的別に選んで
佐渡ヶ島は、面積が855.34㎢です。東京23区がすっぽりと収まってしまう広さので、移動手段が必ず必要になります。自家用車で来られる場合は問題ありませんが、身一つで渡って来られる場合は、次のような方法があります。
・レンタカー:佐渡汽船ターミナルにカウンターがありますので、そこで借りましょう。
・レンタサイクル:佐渡汽船ターミナル内にある観光協会で借りられます。
・バス:島内がかなり広いのでバスターミナルがたくさんあります。最初に佐渡汽船ターミナル内にある観光協会でバスについてのパンフレットをもらいましょう。
・観光タクシー:ターミナル前にたくさんいますので、そこで乗ることができます。時間貸切なら小型車で1時間5800円(観光名所の案内込み)
何人かで移動をする場合は、観光タクシーがおすすめです。さまざまに回りたい場合はバスに揺られるのもまた楽しいですよ。観光協会のカウンターに行くと、詳しく教えてくれます。ぜひ、島民と会話してみてください!
佐渡はよいとこ、一度は行こう!
今回は、出身者しか知らないところをご紹介させて頂きました。佐渡には、歴史も多く残っているだけでなく、おいしいものが山のようにあります。佐渡に行かないと食べられないものも多いため、一度ぜひ足を運んでみていただきたいと思います。