本当に怖いヤミ金の実態
「光がある処には必ず影がある」と昔から言うように、光が当たる表の世界に対して影に隠れた裏の世界があるものです。
そうした裏の世界に属している金融業者が、いわゆる「ヤミ金」なのです。
ヤミ金とは何者なのか
ヤミ金とは「ヤミ金融」の略称で、無許可で営業している金融業者のことを言います。金融業者が営業する際には、法律上各都道府県に届出を出して登録を行なわなければならないのですが、ヤミ金業者はこの届出を行なっていません。
ヤミ金業者は固定の事務所を構えていないことが多く、携帯電話が受付窓口になっているケースがほとんどです。
しかし、銀行や消費者金融のような利用前審査がないのでブラックリストに載った人や多重債務に陥っている人でもあっさりとお金が借りられるのです。
ヤミ金を使ってはいけない理由
銀行や消費者金融からこれ以上お金が借りられなくなった人にとっては、ヤミ金は救世主のような存在かも知れません。
しかし、実際のヤミ金はそんな都合のいいものではないのです。
- 営業自体が違法である
前述したように、金融業者は貸金業法に基づき必ず営業する各都道府県に貸金業登録の届出をしなければなりません。これに違反すると五年以下の懲役・1000万円以下の罰金が科せられます。
また、金融業者は必ず固定電話を設置することが義務付けられているため、固定の事務所を持たないこと・携帯電話を受け付け窓口にすることはこの義務にも反しているのです。
- 金利が違法である
ヤミ金業者は、利息制限法及び融資法で定められた法定金利の上限である年29.2%を大幅に超える金利での融資を行なうのが常です。このような法定金利を越える高金利での貸付けも違法で、五年以下の懲役・一千万円以下の罰金が科せられます。
ヤミ金の金利は十日に1割の利息が付く「トイチ」、十日に3割の「トサン」、十日に5割の「トゴ」、1日で1割の利息がつく「カラス銭」というようなとてつもない高金利となっています。
場合によっては借りた段階で利息が天引きされていて、「5万円借りたはずが3万8千円しか渡されなかった」ということもあるのです。
- 取立てが苛酷かつ違法である
ヤミ金の怖さは、金利の高さだけでは有りません。ヤミ金の取立ては別名「追い込み」と呼ばれるほど、取立てが余りにも厳しいものだということです。
昼夜を問わない電話督促、中傷誹謗を伴う張り紙・ビラによる督促、圧力的な訪問、臓器売買や保険金での支払いを暗に進める、人身売買的な伝手を使った返済法の提案など、毎日繰り返されたら精神が磨耗すること請け合いの内容です。
- お金の出所が後ろ暗い
貸金業を営むには、多くの客に纏まったお金を貸付けられるだけの資金が前提となります。そのため、金融業界では他の業界のような「修行の末に独立開業した」という話は余り聞かないわけです。
ヤミ金の場合、「金主」と呼ばれるスポンサーからの資金提供を受けて開業するケースが多いのですが、この金主というのが多くの場合、裏社会に属する人物であることが多いのです。
こういった裏社会に接する人からの資金提供を受けているということは、ヤミ金の利息の一部はいわゆるアングラマネーとして裏社会に流れ込んでいる可能性が高いということでもあります。
このように、ヤミ金を利用することはあなたにとって大変不都合な結果をもたらすばかりか、裏社会への利益提供を行なうことに繋がる可能性が極めて高いのです。
ヤミ金と知らずに借金してしまったら…
現代のヤミ金の怖さは、マンガやドラマのように暴力的な外見や接し方をしてくるわけではないということです。
金融業は融資したお金に発生する利息が利益に繋がるので、金を貸付けてからが勝負です。貸付ける前に暴力的な外見や言動でお客様が逃げてしまっては無意味です。
そのため、ヤミ金と気付かないままお金を借りてしまう人は少なくないのです。
お金を借りてから相手がヤミ金だったことに気付いたときは、警察や弁護士に相談しましょう。
法律上、ヤミ金業者から貸付けられたお金及び利息分の返済義務は無く、返さなくていいものとして扱われます。
しかし、ヤミ金業者は面子を潰されるのが嫌いなので、警察や弁護士への相談・バックアップ無しに返済を無視することは大変危険なので絶対にやめましょう。