妊婦さんが搭乗前に心得ておきたいこと
新婚旅行で海外などへ行くにあたり、飛行機を交通手段として利用することもあります。
普通の体調・状態であれば何ら問題ありませんが、妊娠中であった場合は色々と注意すべきことがあります。何の準備も心構えもなく搭乗して、フライト中に何かあっては大変ですから、必ず心得ておきましょう。
まずは飛行機内の環境の変化について知っておいてください。
気圧が変化(低下)すると…
飛行機といえば、気圧の変化が第一に挙げられます。
気圧の変化は、だいたい飛行機が離陸してからの15~30分と、着陸前の15~30分の間に起こります。
離陸時は気圧が下がり、着陸時は気圧が上昇するのですが、気圧が下がると胃腸内のガスが膨張するという現象が起こります。
するとご存じの通り、耳鳴り・頭痛・息苦しさといったイヤな症状が表れます。
大抵は放っておいても自然に治まりますが、人によっては胸部が強く痛んだり、鬱のような症状に陥ったり、危険なチアノーゼを起こしてしまうこともあります。
酸素濃度が低下すると…
気圧が変化すると、飛行機内の酸素濃度も変化します。
気圧が下がると酸素濃度も低くなるといった具合です。地上より酸素が薄くなるため、胸が圧迫されるように感じたり、呼吸が苦しくなるなどの症状が表れます。
もし呼吸器や心臓に病気を抱えていた場合は、それらが悪化してしまう危険性があります。
他にも脳の血管障害や重い貧血を抱えている方は、高確率で悪影響を受けますので要注意です。
妊娠初期や後期は止めた方がいい
健康な方や妊娠していない方であれば、一時的な軽い体調不良を起こすだけで済むでしょう。
しかし妊婦さんに関しては別です。心身共に不安定でデリケートな状態にありますから、急激な環境の変化に対応しきれず、吐き気どころか実際に嘔吐してしまうなど、体調を大きく崩す可能性があります。
妊婦さんは元々貧血気味ですから、酷い眩暈に襲われたり、気絶にまで至ることも十分考えられます。
また酸素不足のせいで、母体だけでなくお腹の赤ちゃんにも悪影響が及んでしまうかもしれません。
妊娠中に飛行機に乗ることは、これだけさまざまな危険を孕んでいるのです。
とはいっても絶対に乗っては駄目というわけではありません。
安定期である妊娠中期、つまり満16~27週のあいだであれば、比較的安全とされています。
リスクを回避するためにも、妊娠初期(満15週まで)や後期(満28週以降)は避けたほうが無難です。
安心・安全に搭乗するための対策を立てよう
新婚旅行のケースに限らず、急な帰省などどうしても飛行機の利用を避けられないことがあります。
止むを得ず、妊娠初期や後期での搭乗を余儀なくされる場合もあるでしょう。そのような場合は安全を確保するべく、以下のような対策をとっておくことをお勧めします。
安心して飛行機に乗るためにも、楽しい旅にするためにも、ぜひ覚えておいてください。
- 通路側の座席を予約する
【理由】すぐに立って移動できるので、エコノミー症候群の予防になります。 - お手洗いに近い座席を予約する
【理由】妊娠中はお手洗いの回数が増えるためです。 - バルクヘッド席を予約する
【理由】バルクヘッド席は前スペースが広く、リクライニングで窮屈な思いをする心配もありません。
※本来は障害者や小さいお子さん連れの方のための優先座席ですが、事前相談で予約できる場合も。 - 母子手帳をバッグに入れておく
【理由】健康状態や出産予定日など重要なことが書かれていますから、持参するのがベストです。 - マタニティマーク・タグを付ける
【理由】荷物に付けておくと、周囲に妊婦であることをアピールできるので気遣ってもらえます。
※JALやANAで提供しています。