
Youtuberミシェル・ファンが成功した理由
2015年4月、六本木ヒルズタワー29階にあるyoutube space東京に、通算3度目となる来日を果たしたMichellePhan(ミシェル・ファン)は、美容、メイクアップアーティストを志す人にとってまさにカリスマ的な存在である。彼女を知っている人にとってYoutuberとしての側面は、すでに周知のことだと思う。チャンネル登録数は760万人を超え、全世界の人が、彼女のメイク術に関する動画に期待を寄せている。
ほかにも多くのSNSを活用しており、instagramのフォロワーは180万人、twitterも65万人とインフルエンサーとしても存在感がある。なぜ、彼女はここまでの成長をとげたのか、今後のビジョンとして何を考えているのか考察してみよう。
ミシェル・ファンのバックグラウンド
ミシェル・ファンの親はベトナム系移民で、幼い頃はアメリカのフロリダにて過ごす。アジア人の数が少なく、当然のようにいじめや差別的扱いを受けるなどして、嫌な思いをした時期もあったとのこと。高校に通いながらアルバイトをするなど、決して恵まれているとはいえない家庭環境だったようだ。そんな状況を少しでも変えようと、興味を持ち始めていた「メイク」に焦点を当て、まるでブログのように「youtube」を使い、動画を通して自分の活動を発信し始めたという。
想像以上に女性がメイクに関心を持っていること、また自分のメイクアップ動画が必要とされていることを感じて、最初はアルバイトとyoutube動画作成の二足のわらじだったのが、次第にyoutubeで広告収入が入るようになり独立。このような覚悟と行動は今の彼女の原点になっているのかもしれない。
持ち前の創造性とアイデアをすぐ形にする能力がある
ミシェルが動画コンテンツを作るときに心がけているのがストーリー作り。トークショーでは、「しっかりしたストーリーにすることを制作過程で一番注力している」と言っていたが、これは全てのクリエイトな場面で共通する大事な考え方だと思う。次に意識するのが光源の当て方と見せ方。意外に意識していない人が多く、工夫すればひと味違う動画を作れるとのこと。ミシェルは相当こだわりを持ってコンテンツ制作に励んでいる。
トークショー当日に流した自身の新しいプロジェクトのサンプルムービーは、アイデアが浮かんでから撮影まで1日、編集2日。わずか3日間で仕上げてしまうほど仕事が早いのもミシェルがここまで成長した要因なのかもしれない。
新しいWebサービスを立ち上げる
youtuberとしての側面から、もっとクリエイターやメイクアップに興味ある人、メイクが好きな人を繋げたいという思いから出来たのが、ipsyという毎月おすすめのコスメサンプルが届くサービス。海外ではmonthly subscription service、いわゆる月間購読サービスだが、プロダクトベースでは雑誌くらいしかイメージできないので、新しい市場としても今後楽しみな展開だと思う。現在は海外版だけだが、ミシェル自身が寿司屋のウエートレス経験があり、初音ミクやセーラームーンなど日本文化に関心が高いので、「近年、ipsy Japanも構想にある」とトークショーで語っていた。

女心をくすぐるipsyの特徴
ipsyの特徴は、2.メイクアップのチュートリアルを動画コンテンツで閲覧できる
3.可愛いグラムバックという購買欲をそそるセット購入
まず、コストの面だが、月額サービスで4~5本のサンプルとフルサイズ付きで10ドル、日本円にすれば1,200円くらいだろうか。若干高いと思うかもしれないが、ipsyとブランド契約をしている企業は約3,000社。その中から旬なものをチョイスしているということで、メイクアップに興味がある女性にはかなり良いサービスではないだろうか。
そして、
ミシェルのビジネス展開はヒントがたくさん
自身の得意な分野でコミュニティを築き、オンラインプラットフォームでさらに次の展開に繋げていく手法が非常にうまい。オウンドメディアを立ち上げて、自社のブランディングを構築していくことも非常に参考になると思う。ipsy以外でも会員制のメイクや美容に関する情報やリアルな声をWebサービスとして展開して、会員同士の交流にも尽力している。「メイク」を切り口にして色々な軸展開を手掛けているのも、企業のビジネス展開を考える上でヒントになりそうである。
