9割が合格する医師免許!一般人が知らないその理由|トピックスファロー

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2012年12月5日
9割が合格する医師免許!一般人が知らないその理由

合格率90%と言われる医師国家資格『医師免許』。しかし、高い合格率の裏には外側からでは分からない秘密が隠されていました。医師への夢と情熱を打ち壊しかねない、医師免許取得までの超えるべきハードルを調べてみました。

都内在住のフリーライター。犬猫と仲良く暮らしてます。
  

最初の壁『医学部入試』

医師免許を取得するためには、まず『医師国家試験の受験条件』を満たすために、医学部へ進まなければなりません。
医者を目指す多くの学生が、ここでふるいにかけられます。
ちなみに、2013年度の入試偏差値を調べてみると、最も高いのが『東大理科3で平均74.8』。次に『京都大医学部医学科の平均73』となっています。

医学部に入れるのはコネのある奴?

『親が医者であったり、コネがあると入学できる』という噂がまことしやかに流れていた時代もありました。
しかしそういった優遇措置は考えるだけ無駄というものでしょう。

例えば私立の倍率は約30倍、公立では約10倍。
1回の試験に1000人規模の出願がありますので、その一つ一つに優遇するかどうかを決める余裕はないでしょう。
一次試験を落ちるのは、単純に学力不足と思って間違いはありません。

ただし、2次試験の面接の場合には、医者の子供というのは有利な材料になりえます。
ただし、『医者や医学部というものがどういうものかを知っている為、現実を見て絶望しないだろう』程度の事。
「全く同じ位置にいる2人のうちどちらを選ぶか」となった時の判断材料にはなるかもしれません。

入試よりも大変な医学部の生活

『医学部の入学が最大のハードル』と考えていては、とてもついていけない現実があります。

求められ続ける学力

定期試験を突破しなければ、当然進級は出来ません。
しかも、基本的に『進級の条件は、全科目必修のうえ、全科目合格』です。
つまり医学部では全ての科の知識を求められますので、全く興味のない科であっても試験に合格しなければいけません。

しかも、ひとたび留年すれば、全ての科において再履修とされるのが一般的。
毎年数人から、多い時では数十人が留年すると言われています。
壮絶な医学部への入試を突破した人たちでさえつまずくのが、医学部の試験なのです。

バカにできない金銭問題

『医学部はお金がかかる』というのは一般常識のようになっていますが、実際にはどうなのでしょうか。
純粋に、他の大学よりも2年間長いので、その分の学費が上乗せされます。
それをふまえた上で、6年間の学費は『公立で約350万円』、『私立になると2000万円~5000万円』が必要になります。

6年間で100万円の教科書代

学費さえ払えば勉強ができる訳ではありません。
試験対策やレポート作成に必要な参考書をそろえる必要があります。
もちろん図書館や先輩、友人から借りる事もできるでしょうが、全てを借りて済ませる事は不可能でしょう。
高いものでは1万円もする参考書が、臓器ごとに必要となる為、6年間での出費は100万円程度と言われています。

他にもかかる雑費の数々

これ以外にも、白衣や聴診器といった物は個人で購入する必要がありますし、PC無しでレポートを書きあげるのも現実的ではありません。
医師免許試験の前には、試験裁策として過去問集などの書籍も必要となりますし、予備校で講義を受ける事も珍しくはありません。
また、親元を離れるなら、家賃や食費などの生活費も必要になります。

入試以来の最大の壁『共用試験』

5年生からは臨床実習が始まりますが、その前に『CBT』と『OSCE』という2つの共用試験に合格しなければなりません。
共用試験は、全国の全ての医学部で行われ、この試験を合格しなければ臨床実習には臨めません。
つまり留年するという事です。

学科試験の『CBT』

『CBT』とは、2万問以上ある問題から、ランダムで出題される学科試験。
早ければ半年前から試験対策を始める場合もあり、それでも合格率は80%程度と言われています。

実技試験の『OSCE』

『OSCE』とは、実際に模擬患者を前に行う実技試験。
診察や手技等の他に、服装や言葉使いなども同時にチェックされます。

ついに迎えた『医師国家試験』…の前に

共用試験を乗り越え、臨床実習を終えると、ようやく医師国家試験に挑むことが出来ますが、その前に医学部を卒業しなければいけません。
『医師国家資格の合格率90%』を支える理由は、この卒業試験にあると言っても過言ではありません。

合格率は学校のブランド

試験合格率100%の学校と、試験合格率10%の学校では、どちらに入学希望者が多いかは明白です。
その為、大学側では『医師国家試験に合格できる可能性の低い場合、受験資格を与えない』、つまり『学校を卒業させない』という措置を取る事で、高い合格率を維持しようとします。

つまり、『もともと合格できる実力のある人以外は医師国家資格を受験する事すらできません』
それでも、毎年10%前後の人が落ちていると考えると、医師国家資格の難易度の高さが分かるというものです。

最後の正念場『医師国家試験』

ようやく卒業、もしくは卒業見込みがあれば、医師国家試験を受験することが出来ます。
医師国家試験は、医学に関連する全てが出題範囲となっており、それを丸3日かけて審査されます。

試験合格のアドバイスされる言葉として「普通に勉強すれば受かる」という事を言われるようです。
しかしこの場合の『普通』とは、『「臨床実習」と「卒業試験対策」と「医師国家試験対策」を同時にこなしつつ、「CBT」の時よりもさらに多くの勉強をする』という事を意味しているようです。

『医師免許』取得のその先

これらのハードルを全て突破したうえで、晴れて医師免許を取得することが出来ます。
しかし、医学は日々進歩しています。
医者になった後でも勉強を怠ると、あっという間に取り残されてしまうでしょう。

これらの高いハードルは、全て患者に対して責任ある医療を提供する為に必要な事です。
高い収入だけを目的に医者を目指すのには限界があると言えるでしょう。

著者:坂下モド

都内在住のフリーライター。犬猫と仲良く暮らしてます。
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ペットを飼っている関係上、ペット関連の記事を多く執筆。現在ではジャンルを問わず、政治・経済なども