電子書籍化するために
自分の考えていること、思っていること、経験したことの中には、人の役に立てるかもしれないエッセンスがたくさん含まれていることがあります。また、ストーリーとして構成を練っているものもあるのではないでしょうか。それを活かさない手はありません。
本離れが進み、電子書籍化が進んでいる昨今、持ち合わせている知識のエッセンス、頭の中で繰り広げられているストーリーを読んでもらうために、電子書籍ができるまでのお話をしたいと思います。
電子書籍は、「作りたい!」と思っているだけでは作ることができません。エンジニアなどのお仕事をされていたり、パソコンに精通していたりする人なら難なくこなせるでしょう。仕組みなんかを理解しているのですから当然です。でも、そうでない人もいるはずです。だから、電子書籍にしてくれる人を探すことが必要です。
出版社探し
仕事が忙しく、「原稿や表紙作成に時間をかけていることができない」と考えている方や、自分で作ることが難しいと考えている方は、電子書籍化を手伝ってくれる出版社さんを探しましょう。その方が数倍早いです。その際の印税は、10%ほどになります。検索ワードは、「電子書籍」「出版社」などで探してみてもなかなか出てきません。コツは、「電子書籍専門出版社」で検索してみることです。
小さい出版社がいっぱい出てきます。でも電子書籍専門です。「書いたものを読んでもらえるのかな」と不安に思って悩んでいる原稿にも目を通してくれます。もちろん企画しか持っていなくても同じです。原稿ができていない状態という人もいるでしょう。アイディアだけができているという人は、応募する時にその旨を伝えればいいのです。あとは、出版社が扱っている電子書籍を読んでみて、自分と合っているかどうか判断するだけです。
私は詳しい知識がありませんので、出版社のお世話になっています。その方が確実だと感じ、出版できるかどうかのストレスを抱えたくないとも考えたからです。それに売り上げなどの情報を毎月送ってもらえますし、アドバイスなども頂けるので私にとってはメリットが大きいと判断しました。
自分で作成することもできる
SEなどエンジニアの職種に就かれていた方や、ネット関係に詳しい人、もしくは時間が取れる人などは、自分で作成するという道を選んでもいいと思います。いわゆる「セルフ・パブリッシング」と言われているものです。
個人が出版社などに頼らず、自分で本を出版し販売することです。アマゾンの「キンドル・ダイレクト・パブリッシング(KDP)」という販売プラットフォームなどが有名ですね。
https://kdp.amazon.co.jp/こうやって、自分で全て行う場合は、価格の35~70%が印税として入ってきます。その際に、使うソフトは一太郎やWordになります。それだけでなく、HTMLタグなどの知識が必要です。素人やそこまでの知識がないと感じられる方にとっては、そこがデメリットだと感じる部分かもしれません。
電子書籍ができるまで
電子書籍は、アイディアやエッセンスをただ持っているだけでは読み物になりません。まずは文字に起こすことが必要になってきます。
原稿を書く
「文章を書く」ということに慣れていない人が、いきなり文を書き始めるのは大変なことです。いきなりパソコンの前に座って書けないと悩むことだってあることでしょう。そんな時は、付箋紙やノートに書きたいと思っていることを箇条書きにしてみます。箇条書きならそんなに難しくないので、すぐにでもできます。
この方法をとれば、書くことがしっかり見えてきますし、文章の構成もしやすくなります。思い立った時に文字にする癖をつけておけばなお便利です。それがある程度たまってきたら、項目を考えて内容に合うメモをわけていき、書ける箇所から文にしていくようにしましょう。いきなり原稿を書くよりずっとやりやすくなります。
手直しも必要
文章を書き終わると、うれしくなってしまいます。それで書いたものをそのまま本にしてしまおうと考えがちですが、2~3日放っておいて、それから再度原稿を読み直してみましょう。
そうすることで、文章の繋がりが不十分である箇所や誤字脱字に気づくことができます。このような手直しを2~3回すると、読みやすくて相手に伝わりやすい文章ができます。この段階はとても重要ですから、飛ばしたりせずに必ず行うといいです。
もちろん、出版社からもアドバイスを頂けますが、あまりにもひどい文章だと、出版まで相当な時間がかかってしまいます。個人で書いて出版原稿にする場合は、この段階が特に重要になります。
表紙などのチェックも入念に
タイトルは自分でつけることが可能です。でも、出版社さんからも候補をあげてくることがあります。それをよく吟味して、「読者の興味のひくもの」を選びましょう。タイトルは本の顔と言っても過言ではないからです。
タイトルが良くないと、「読んでみよう」という気持ちが起きてこないものです。手にとってもらうためにもタイトルは相談して選んでください。
表紙は、出版社の方で作ってくれます。色合いや文字の大きさなどをしっかりチェックし、中身と合うようなものにすることが大切です。自分で作成する場合もその辺のことを頭に入れて、何度もプレビューをしながら確認しましょう。そして、納得のいくものを作り上げてください。
あなたの書きたいものは何ですか?
「電子書籍を作りたい」と思うからには、何か書きたいと思うネタがあるはずです。しかし、それだけでは不十分なところがあります。
実際に同じような内容のものが出版されているかもしれないからです。それを調べることも最初に行っておきましょう。そうすれば、ネタが被りすぎているなんてことがなくなります。
小ネタを拾い集めよう
自分の得意なことを書きだしてみましょう。その中に小ネタとなるものがあるはずです。例えば、掃除が得意な主婦は、掃除の裏技なども本にできるネタです。自分しかやっていないものだったり、意外なものを使うことで掃除が簡単にできるといったことがネタになります。
だから、時系列で経験したことなどを書きだして見るのが小ネタを探し出すのに有効になります。
小説や文芸を書きたい人は、構成を練りましょう。登場人物の設定や、舞台となる場所などのリサーチをしておくと、より一層イキイキとした作品に仕上がることは間違いありません。
経験と情報は大事
エッセイやHOW TO本の場合、時系列で書きだした、いわゆる詳しすぎる履歴書みたいなものを見ていくと、バイトをしていた経験や面接の上手くいった経験・上手くいかなかった経験というように経験したことがたくさん出てきます。この中から本にしたいものをネタとして使うのです。
また、裏付けが必要なネタもあります。例えば、心理学や医学的な側面での裏付けなどです。書こうとしているネタの情報を集めることも大事な作業となりますので、きちんとやっておきましょう。
読者は、心のこもっていないものは読みません。それに冒頭を読んだだけで見透かされてしまいます。そんなことのないように、情報収集・言葉選び・気持ちの込め方を大事にしましょう。
小説や文芸の場合も自分が経験したことや、人から聞いた話などを盛り込むとリアリティが出て面白みが増します。また、人がどんなストーリー展開を期待しているかも重要なポイントなることは間違いありません。
あなたのアイデアを出版してみましょう
電子書籍は、スマホが普及した今、とても身近なもので、個人でも手が届くところにあります。人がおもしろいと思うものを書くことができれば、月に数十万円を超えるような収入も見込めます。ただし、最初からそれが可能かどうかはあなた次第です。
実際に月100万円の販売を超える作品があるのも事実です。例えば2011年の冬に公開された映画「王様ゲーム」も電子書籍から始まっています。こういった映画化に至るような作品もあります。
だから諦めたりせず、自分の中に溢れている物語やアイディアなどを出版してみましょう。