グッドセラー商品を生み出すPOP広告クリエイターになる
商売の基本は需要と供給のバランスですが、需要の無い所には幾ら商品を供給しても売れることはありません。何らかの形で消費者を刺激して需要を創造して商品を売る、それが宣伝というものなのです。
宣伝と言っても千差万別で、テレビで繰り返されるコマーシャルもあれば新聞に挟まった広告チラシも宣伝手段の一つです。
そして店員が自主的に作る小さな「POP広告」もローカルな宣伝手段ではありますが、テレビコマーシャルをも上回る威力を発揮する事さえあります。
売れ行きを左右するPOP広告を製作する実力を認定するのが、「POP広告クリエイター」という資格なのです。
POP広告クリエイターとはどんな資格か?
POP広告クリエイターは、一般社団法人・公開経営指導協会が主催する民間資格で、小売業やサービス業に従事する人がどれだけPOP広告作成能力を持っているのかを審査・認定することでその人の地位や信用の向上を図り、ひいては小売業・サービス業の発展に繋がることを目的としています。
資格試験ではPOP広告に関わる知識を計る学科試験、用意されたテーマに合わせたPOPを実際に作成する実技試験が行われます。時間配分は実技試験が2時間以上、学科試験が30分程度になっているようです。
実技試験があるため、学科試験で使う鉛筆や消しゴムだけでなく、フェルトペン、下敷きに使う新聞紙、各色マーカー、定規、色鉛筆などのPOP作成道具も持ち込まなければなりません。
受験資格は特にありませんが、実務経験1年以上、もしくは専門学校等でPOP広告制作の学習をしている事で身に付く能力・知識が要求されるので実務経験者の方が有利でしょう。
安上がりなのに絶大なPOP広告の効果
POP広告は、手のひら程度の大きさの紙にフェルトペンやマーカーで手書き、もしくはパソコンで作成してプリンター出力して作る、小さくてローカル中のローカルな宣伝です。基本的には店員が仕事の合間に作るもので、目立たないけれどあると安心する広告と言えます。
しかし、一見地味に見えるPOP広告ですが店の雰囲気作りに大きく貢献し、時には売れ行きが芳しくなかった商品を爆発的な大ヒット商品にしてしまう力を持っているのです。
例えば多様な雑貨を取り扱う事で人気のある書店・ヴィレッジヴァンガードは、一見投げやりにも思えるが商品の核心を突くPOP広告を付けることで商品を引き立て、ヴィレヴァン風と言える店内の雰囲気を構築しています。
また、ディスカウントショップの最大手であるドンキホーテでは、独特の文字を使ったPOP広告を利用してドンキらしさを演出していますが、POP専門のライターを各店舗に用意する事で統一感を出しているそうです。
POP広告クリエイターは就職に有利か?
実力と実績を兼ね備えたPOP広告クリエイターは、店にすれば喉から手が出るほど欲しい人材と言えますが、必ずしも就職に有利に働くというわけではありません。POP広告に頼らない店づくりをしている小売店も少なくないし、現職の店員で十分賄えているという店なら考慮する材料程度にしかならないようです。
また、POP広告を在宅で制作するという仕事もあるので就職にこだわらなければ引く手あまたであるともいえます。
つまり、POP広告クリエイターは店に無くてはならない人材になるためのスキルアップ手段であり、副収入を得るための資格として活用できる素晴らしい資格なのです。