ポーセラーツって知っていますか?
「ポーセラーツ」って聞いたことがありますか?英和辞典で調べてみても見つからないとと思います。実はポーセラーツという言葉、手芸やホビーで有名なヴォーグ社が付けた名称で、磁器を意味するポーセレン(Porcelain)とアート(Art)を組み合わせた造語なんです。
簡単に説明すると、ポーセラーツは、あみものや手芸などで有名な日本ヴォーグ社が平成10年に考案した新しいコンセプトの工芸で、白いお皿やコップなどの磁器に絵付けをして、オリジナルの食器を作りげる工芸のことです。
これだけ聞くと、「わたしには絵心がないからできないわ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でもこのポーセラーツ、とっても簡単に始められるんです。イラストや図案の印刷された転写紙をシールのように貼り付ければ、それだけで絵付けが完成しちゃうんです。
自分で作った好みの食器でお茶を飲んでみませんか。
ポーセラーツってどういうもの?
ポーセラーツに使う磁器は、主にボーンチャイナと呼ばれる乳白色の白磁器を使います。お皿やマグカップ、自作の磁器などに絵付けを行い、専用の電気炉を使って800℃の温度で絵を焼き付けて仕上げます。
特徴的なのはその絵付け。初心者の方なら、イラストや図案の印刷された転写紙を好きな形に切って白磁器に貼り付けるだけでいいんです。転写紙は、水に数十秒間浸けると、粘着性が出て、食器にペタッとシールのように貼り付けられるようになるので、取り扱いはとても簡単です。切り絵感覚でできるので、初めての人でもプロ並みの作品がすぐに作れてしまうのが魅力です。
慣れてきたら、転写紙を使わず、自分で絵付けにチャレンジすることもできます。ポーセラーツには、ペンで描いたり、スポンジで彩色したり、金箔を貼り付けたりとさまざまなテクニックがあり、それぞれを組み合わせることもできます。教室では、レベルに応じたテクニックを学んでいくことができます。
電気炉にもいろいろある
焼き付けは、電気で動く専用の電気炉を使用します。電気炉の種類はいくつかあり、個人で所有することもできます。家庭の家庭用電源をそのまま使える小型のものから、電気工事は必要になりますが、一度にたくさん焼ける炉内スペースの大きいものまであります。
また、電気炉のタイプによって、焼き上がりにも違いがあります。たとえば炉内が耐火レンガ使用のものは保温性があり、仕上がりの「絵の具のツヤがいい」ともいわれます。しかし、サイズが大きく焼成時間がかかるというデメリットもあります。
焼成時には、溶剤などの匂いが多少するため、気になる人もいらっしゃるようですが、換気をきちんとしていれば問題ありません。
電気炉は、個人で購入する方もいらっしゃいますが、そう頻繁に使うのでなければ、生徒さん以外でも使わせてくれる教室もあるので、そういったサービスを利用するのもいいでしょう。
さあ始めよう、ポーセラーツ
ポーセラーツを販売目的で始めたいと考える人も多いようですが、転写紙に印刷されたイラストや図案には著作権があるため販売できないものもあります。販売する場合は、著作権をあらかじめ調べて問題のないようにしておいてください。
ポーセラーツを始めてみたい!と思った方は、体験入学に出かけてみましょう。日本ヴォーグ社のWebページで、全国にあるポーセラーツの教室が探せますので、そこから検索してみてください。インストラクターのページでは、先生の作品や人柄、生徒たちの作品や雰囲気が伝わります。気に入ったところを見つけたら、体験入学やイベント参加に登録してみてください。
ただ、ポーセラーツは800度の温度で焼き上げて仕上げるため、体験入学で作った作品は、当日持ち帰れないこともあります。その辺は体験を行う教室で事前に確認してくださいね。
教室によっては、認定インストラクターの取得を目指すコースもありますから、さまざまなテクニックを学んでポーセラーツ教室を開くなど独立を目指すのもいいですね。
日本ヴォーグ社では、毎年テーマを決めてコンクールを開催しています。インストラクター部門と愛好者部門で応募された作品から選ばれた作品などを公開しています。コンクールを目指して作品を作ってみるのも励みになりますね。
作って楽しい。使ってうれしい。あなたもポーセラーツを始めてみませんか。