【第66回】ミュンヘンでヒトラーの面影を追う旅3 ~ヒトラーの躍進編~|トピックスファロー

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2019年1月24日
【第66回】ミュンヘンでヒトラーの面影を追う旅3 ~ヒトラーの躍進編~

ドイツ労働者党(後のナチス)に入党したヒトラーは、1920年代ミュンヘンを舞台に次々と行動を起こしていきます。彼が演説したビアホールの現在の姿と共に、その時の様子を紹介します。

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ミュンヘンの酒場で次々に演説して支持を集めるヒトラー

ドイツ労働者党に入党したヒトラーの最初の役割は、党員募集と宣伝活動でした。ヒトラーはタイプライターで演説会の招待状を作成します。

1919年10月16日、酒場「ホーフブロイハウス」で開かれた演説会には100人が集まるほどの盛況ぶりでした。それを皮切りにヒトラーは、ミュンヘン各地のビアホールで演説を行っていきます。アントン・ドレクスラーが見立てた通り、ヒトラーの論理と熱弁は多くの聴衆を惹きつけ、ドイツ労働者党の資金は潤いはじめます。

ヒトラーの主張は【反ユダヤ主義・反共産主義・ドイツ民族主義】でした。

この3つのキーワードは、ヒトラーの幼少の頃の経験、復員後のミュンヘンの状況を目の当たりにしたことが大きく影響していると思われます。それは政治活動の初期から、ナチスが崩壊する最期まで変わりませんでした。

ヒトラーの掲げる主張は、第一次世界大戦で敗戦して生活が困窮していたドイツ人のはけ口として、ドイツ中で支持されていくことになります。

著作「ヒトラー 野望の地図帳」の画像▲ヒトラーの野望がドイツ、そしてヨーロッパを圧巻する。
詳しくは、著作「ヒトラー 野望の地図帳

ホーフブロイハウスでの2つの出来事

その後もヒトラーが幾度も演説することになる、ホーフブロイハウス。
ここはヒトラーの創世記の政治活動に、大きな2つの出来事が起こった場所になりました。

1920年2月24日

ドイツ労働者党が国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス党)へ改称して、大ドイツ帝国の統一、ヴェルサイユ条約の破棄、ユダヤ人排阻などを定めた25ヶ条の党要綱を発表。

1921年11月4日

演説に乗り込んできた共産主義者の労働者と、8月に創設されナチスの演説の会場整理などの警備を行っていた突撃隊(SA)との間での乱闘(大広間の戦い)に勝利。

大広間の戦い。劇画「ヒットラー」(ちくま文庫)から転載大広間の戦い。劇画「ヒットラー」(ちくま文庫)から転載

現在のホーフブロイハウス

何度もヒトラーの演説が行われたホーフブロイハウスは、現在でも営業しています。
世界中のガイドブックに記載されているので、ミュンヘンを訪れた旅行者でホーフブロイハウスを訪れない人はいないとまでいわれています。

ホーフブロイハウスの外観ホーフブロイハウスの外観

ホーフブロイハウスは歴史が古く、1589年にバイエルン公のヴィルヘルム5世の命により醸造所として建設されました。
主に1階が食堂となって、いつも観光客を中心として賑わっています。

ヒトラーが演説していたのは3階のイベントホールですが、ここは主に団体客が予約を入れているようで、現在個人客がイベントホールで飲食するのは難しいようです。

ヒトラーの演説が行われていた3階のイベントホールヒトラーの演説が行われていた3階のイベントホール

HBはホーフブロイハウスの略HBはホーフブロイハウスの略

ホーフブロイハウスの場所は、ヒトラーが初めてナチスと出会った酒場(シュテルエッカーブロイ)や、ナチスに正式に登録したレストラン(アルテス・ローゼンバード)のすぐ近くです。

ヒトラーが1920年代に住んでいた場所

政治の世界に入ったヒトラーは1920年3月31日付で軍を退役します。それと同時に兵舎を出たヒトラーが、住んでいた家があります。

ヒトラーがミュンヘンに来て、2番目の家になります。1920年~1929年まで住んでいました。現在は一階が宝石店となっています。

場所は、ホーフブロイハウスなどから歩いていける距離にあります(詳しい場所は「【第67回】ミュンヘンでヒトラーの面影を追う旅4 ~ヒトラーの挫折編-その2~」で紹介しています)。

ヒトラーが1920年代に住んでいた家ヒトラーが1920年代に住んでいた家

マキシミリアン通りのマキシミリアン2世のモニュメントが目印マキシミリアン通りのマキシミリアン2世のモニュメントが目印

同シリーズが「ヒトラー 野望の地図帳」として書籍化

同シリーズが書籍化され、各書店の歴史の棚の世界史やドイツ史のコーナーに置かれています。web記事とは違う語り口で執筆していて、読者の方々からは、時代背景が簡潔でわかりやすい、学者とは違うテイストが新鮮、という感想をいただいております。

歴史好きはもちろん、ちょっとマニアックなヨーロッパ旅行をしたい方々の旅のお供になる本です。

ヒトラー 野望の地図帳

ヒトラー 野望の地図帳
著者名:サカイ ヒロマル
出版社:電波社     
価格 :1,400円(税抜) 

【連載ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡

著者:ヒロマル

戦争遺跡ライター
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1979年神奈川県生まれ、神奈川県逗葉高校、代々木ゼミナールで1浪、立教大学経済学部卒業。

大学在学中からヨーロッパ、アジアなどを海外放浪してハマってしまい、そのまま新卒で就職せずフリーターをしながら続ける。その後、会社員生活をしながらも休み、転職の合間を利用して海外放浪を続ける。50ヶ国以上訪問。会社の休暇を利用して年に数回、渡欧して取材。

2012年からライター業を会社員との二足のわらじで開始。
2014年からwebメディア(株)フォークラスのTOPICS FAROで2つのシリーズを連載中。

▼「ヨーロッパで訪れたい世界大戦の戦争遺跡」シリーズ
https://topicsfaro.com/series/warruins
ヨーロッパ各地を取材し、第二次世界大戦に関する場所を紹介。
軍事用語などは極力省き、中学レベルの社会の知識があれば楽しめる記事にしています。
同シリーズが2017年に書籍化。
「ヒトラー 野望の地図帳」(電波社)から全国書店の世界史コーナーで発売中。

▼「受験に勝つ!世界史の勉強法」シリーズ
https://topicsfaro.com/series/wh
2018年から主に世界史を中心とした文系の勉強方法について執筆。
大学受験だけでなく、大学生や社会人の大人の教養としての世界史の勉強方法にも触れて、
高校生、大学生、社会人とあらゆる世代を対象としています。

世間の文系離れを阻止して、文系の学問の復権に貢献することが、2つの連載の目的です。

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