借金から逃げ回れば返済せずに済む？
借金、と言えば聞こえは悪いものですが人は誰でも大なり小なりの債務は抱えているものです。
来月の給料で支払うつもりのクレジットカード払い、大学時代に利用した返済義務のある奨学金、車のローン、住宅ローンなど、さまざまです。
これらの債務はなるべく早急に返済するためにも労働などでお金を作って毎月の返済に充てているものですが、中には全く返済しないで逃げ切ろうとする人もいるのです。
借金返済から逃げれば、借金は返さなくても良いのでしょうか？
借金には時効がある
知らない人は知らないかもしれませんが、借金には法律で時効が定められています。
時効が成立した借金は返済義務が消滅し、債務が無くなるのです。
サラ金などの貸金業者から借りた借金の時効は５年間で、借金をした日から５年経過すれば時効が成立します。
ただし、この５年間の間に一度も「返済の意思を示さない」こと、「貸主からの催促など、債務の存在を認知する行為がなかった」ことが時効成立の条件となります。
つまり、借金してから４年３６４日目に貸主から返済の催促があった場合、その時点で時効は停止します。
そして返済催促されると、催促されたその日から数えて五年がたたないと時効が成立しなくなります。
また、友人や親戚などを相手にした個人間の借金の場合、時効は１０年になります。
借金を時効まで逃げ切ることは現実的か？
世の中には、「借金を時効成立までに逃げ回れ」と教える人やノウハウを売る業者もいますが、借金の時効成立まで逃げ回ることは果たして現実的な手段と言えるのでしょうか。
結論から言えば「現実的ではないし無理」ということになります。
まず、「貸金業者が時効成立まで催促しないことはありえない」からです。貸金業者は毎月の返済日前後に債務者に連絡を入れて、返済の確認を行うのが業務の一つなのです。
第二に、「連絡先を知らせずに借金することはできない」ものです。たとえ自分の携帯電話番号を偽っても、勤務先への在籍確認電話を行うので連絡先を手繰れる糸口を業者は抑えているのです。
第三に「借金から逃げるために住所不定無職になるのはリスクが高すぎる」ということです。貸金業者から完全に逃げるためには、連絡先や住所、さらには勤め先までを断ち切って身をひそめるしかありませんがそこまでする必要があるのか、ということです。
借金から逃げるより債務整理した方が遥かにマシ
正直な話、このような「借金の時効が成立するまで逃げる」と考える人は大抵後先を考えていない、その日が楽しければそれでいいという享楽主義的なところがあるものです。そして、他人を見下しているというか見くびっているというか、「自分が正しいから大丈夫」という無責任さを正当化しているのです。
その為現実的ではない借金の時効待ちという手段に逃げてしまうのです。
もしも、借金に困ったときは逃げようとせず、弁護士・司法書士に相談して債務整理を行ってもらうようにするべきでしょう。
安定した収入としっかりした返済計画があれば、借金の返済は難しくないのです。