ローンの繰り上げ返済はこんなにお得?
家族を持つと自然にマイホームの購入計画が視野に入ってくるものですが、どんなにマイホームに憧れていても自分の収入とよく相談しないとおちおち下見にもいけません。
良い物件が見つかっても、十分な収入がなければ購入なんて夢のまた夢ですし、定年退職後までローン返済が続くようになると夫婦二人三脚どころか親子二代で返済を続けなければならないし、子供が返済に参加できるようになる頃には結婚を考える相手の一人や二人居てもおかしくありません。
住宅ローンの返済をなるべく早いうちに終わらせるためには、前倒しして返済する繰り上げ返済を利用するのが一番です。
繰り上げ返済のメリットとは?
ローンの繰り上げ返済とは、本来の返済分にプラスする形でローン返済を行い、返済期間を前倒しする返済方法です。
例えば、2400万円の家を30年ローンで毎月7万円を返済する形で購入したとして、毎月10万5千円返済すれば20年ほどで全額返済できる計算になります。
元本を減らして利息分を節約できる
繰り上げ返済を行うメリットの一つは「利息分を減らす事が出来る」ということです。
住宅ローンのような長期ローンは、返済する年数分だけ利息が発生し購入金額よりも高くなってしまうものです。
繰り上げ返済で返済完了を前倒しすればその分だけ発生する利息が減るということなのです。
返済期間を短くできる
もう一つのメリットは「返済期限を短くする事で老後の備えを作りやすくする」ということが言えます。
住宅ローンは30年にも及ぶ長期のローンの為、返済が完了する頃には名義人は定年の足音が聞こえる老齢に達しているものです。
つまり、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人は実家住まいもしくは賃貸暮らしで過ごした人に比べて老後の備えのための蓄えを始める時期に出遅れてしまいやすいのです。
繰り上げ返済を行って、返済期間を短縮すれば老後の蓄えを早くから始められるようになるという寸法なのです。
繰り上げ返済にはデメリットもある
このように繰り上げ返済を行うことには多くのメリットがあるといえますが、相応のデメリットも存在します。
一時的に支払いが増える
まず、繰り上げ返済を行うということはその分だけ出費が増えるということなので家計を圧迫しやすいということがデメリットです。
今や夫婦共働きは珍しくもない話ですが、夫婦二人分の収入で住宅ローンが組めているという家庭も少なくないので、繰り上げ返済に手を出すと逆に家計が圧迫されていざという時の蓄えを作れなくなってしまうのです。
もしもの時のダメージが大きくなる
第二に、繰り上げ返済中に雇用が切れると返済計画どころか家計そのものがひっくり返ってしまうということもデメリットと言えます。
景気が上向きになってきてはいるものの、未だにリストラや勤めていた会社が倒産するという話は少なくありません。
繰り上げ返済は家計の余裕を削ってしまう為、職を失った時のダメージは通常の返済をしている場合よりも大きくなるのです。
繰り上げ返済は必ずしも行わなければならないというものではないのですが、実行すればローンに苦しむ時間を短縮できる有効な手段となります。
その分だけリスクも大きいので実行する際には、余裕をもって返済計画を見直すよう注意が必要なのです。