住まいが原因で起こる不眠症
仕事や遊びで心身が疲れ切っている時は、早めに寝てしまうのが一番です。
また、24時間営業の店を成立させるために夜のシフトに入り、昼間に寝ておかなければならない人もいます。
しかし、眠りたいのに眠れない、眠らなければならないのに眠れないのは非常に辛いものです。
眠りたくても眠れなくなる不眠症は、心身の変調が原因で起こると思われがちですが他にも原因があるのです。
住まいが眠りの質を左右!こんな住宅は睡眠の妨げに…
ウトウトと眠りに入ろうとしている時に目を覚ましてしまうときというのは、音や光の刺激があった時です。
大抵は家族が自分の寝室に入ろうとした時に差し込む照明や物音ですが、住んでいる環境によっては屋外から飛び込んでくる光や物音で目が覚めてしまう事があるのです。
どのような環境だと眠りを妨げる光や物音が飛び込んでくるのでしょうか?
幹線道路・線路沿いの住宅地
駅から近い、バス停がある幹線道路が近いというのは家を探す際に優先したい条件の一つですが場合によっては不眠症の原因になってしまうものです。
線路沿いでは日中ひっきりなしと言っていいくらいに鉄道が行き交い、ガタンゴトンと走行音が日常の風景のように溶け込んでいますが、その音の大きさは話を打ち切らざるを得ないほどうるさいものです。
鉄道は始発と終電があるので夜中はそれほどうるさくはないのですが、昼間に寝なければいけない仕事についている場合だと、睡眠妨害と言ってもいいくらいです。
車が通行する幹線道路沿いの場合、夜中でも物流のトラックや暴走族などが走っている場合もある為、騒音被害は線路沿い以上になるケースも少なくありません。
場合によっては車のヘッドライトからの光が差し込んでくる事もあるのです。
若者・学生向けのアパート・マンション
近隣に学校が立ち並んでいると、文教地区という事で静かそうな雰囲気で好感が持てるかもしれません。
しかし、学校・大学に通う生徒や学生向けのアパートやマンションがあった場合、その感想は逆転することになります。
学生向けのアパートやマンションは、必然的に同じ世代の若者がまとめて入居することになります。
そうなると集団意識が働くのか「多少うるさくてもお互い様」と考えて、夜中でもうるさく騒ぎまわってしまう事が少なくないのです。
同じ建物に住んでいなくても、そのうるささは周辺住民にとっては頭の痛い問題になるほどなのです。
電気給湯器・風力発電で発生する低周波音
少々不便にはなるものの自然豊かな郊外に居を構え、自給自足生活を夢見る人も少なくないでしょう。しかし、自給自足生活を支えるはずのインフラが眠りを妨げる原因になってしまう事があるのです。
風力発電機や電気給湯器などは、稼働中に低く唸るような低周波音を発生させます。
この低周波音は周波数100ヘルツ以下で人間の耳でとらえられない音も含まれています。
耳に聞こえないのなら大丈夫だろうと思う人もいるでしょうが、耳に聞こえない低周波音は振動に変換されてしまうのです。
身体を揺すぶられる事は、眠りを妨げる効果が音や光よりも高いものです。
低周波音が発生しやすい環境では音+振動によって、睡眠状態に入ってもすぐに覚醒させられてしまうというわけです。
その為、「電気給湯器によって健康被害が出た」と電気給湯器を設置している家の住人を相手に裁判を起こしたケースさえあるのです。
住宅には利便性・家賃、そして安眠が求められる
自分の家とは安らぎの場であり、快適な眠りを得るための空間であるといえます。しかし、多くの人は食料品の買い出しや通勤通学への便利さや、家賃などを選定の条件として優先させて睡眠にまで意識が行き届いていないことが多いのです。
不眠症の発症は環境の変化にも左右されるものなので、家を探す際には利便性や家賃だけでなく安眠度合にも意識を向けるべきといえます。