不眠解消の5つのポイント
不眠症とは、十分な睡眠をとることができず、かつ、日中の活動に支障をきたした状態を指します。昼間に眠くなって仕事や勉強がはかどらないといった方に、ちょっと試してほしい5つの方法をご紹介します。カフェイン摂取は午前中だけに
コーヒーを寝る前に飲むのはよくない、というのはよく知られています。睡眠を妨げる原因はコーヒーに含まれるカフェイン。このカフェインの覚醒効果は意外と長く、8時間から14時間も持続すると言われています。カフェインに敏感な方だと昼間に飲んだコーヒーで眠れなくなる可能性もあります。逆に、コーヒーを飲んでも関係なく眠れてしまう人も、覚醒効果によって眠りが浅くなってしまっている可能性があるので要注意です。
睡眠に満足できない日が続いているときは、コーヒーを飲むのを午前中だけにしておいた方がいいでしょう。カフェインはコーヒーに限らず緑茶や紅茶にも含まれるので、寝る前に飲むならカフェインを含まない飲み物を摂るようにしましょう。
牛乳には体を眠りに導くメラトニンという物質の元になるトリプトファンが多く含まれるので、牛乳を温かくしたホットミルクは寝る前に最適な飲み物と言えるでしょう。
お酒を睡眠薬代わりにしない
「寝酒」という言葉があるくらいですから、お酒を寝る前に呑むという方は結構いるのではないでしょうか。確かに、酔うと眠くなるのは事実です。酔ったサラリーマンが電車の中で眠り込んでしまっている光景もよく見かけます。しかし、本当にその睡眠で疲れがしっかり取れているかというと、答えはNO。
お酒を呑むと寝つきはよくなるのですが、その一方で眠りの質は落ちてしまうのです。眠りが浅くなるのでちょっとした物音で起きてしまったり、たくさん寝たつもりでも睡眠の満足感は得られなかったりします。
やっと寝られたとしてもトイレで目が覚めてしまう可能性も高くなります。特にビールは水分も多く利尿効果が高いので要注意。お酒は睡眠薬代わりにはならないのです。
夕食は炭水化物メインで寝る2時間前までに
夕食を食べ過ぎてしまったときや夜9時以降の遅い時間にとったときは、眠りが浅くなってしまうことが多くなります。寝る時間になっても食べ物の消化が終わっていない状況では消化器官も休むことができず、体は睡眠を十分にとることができないのです。これを避けるために、少なくとも寝る2時間前には食事を済ませておきましょう。また、その食事内容も大切です。肉類などのタンパク質では、消化するのに食後3時間から4時間かかってしまいます。
夕食が遅めの時間になった場合は、温かいうどんなどの炭水化物をメインとした軽めの食事にすると、体の睡眠への準備を邪魔せずに済みますよ。
ぬるめのラベンダー風呂でリラックス
特に冬場は手足が冷えきって眠れないという方も多いのでは。体を温めることは睡眠にとても効果的です。お湯はぬるめの40度前後がベスト。リラックス効果を高めるラベンダーオイルを活用してみるのもおすすめです。ラベンダーのエッセンシャルオイルは比較的安く手軽に手に入りますし、直接肌につけても問題ない安全な精油です。お風呂にエッセンシャルオイルを2、3滴落とした後、深呼吸して蒸気を吸い込んでください。体が温まるだけでなく、気分もリラックスして、体全体が睡眠モードになっていきます。
眠らないといけないという思い込みを捨てる
「毎日4時間しか眠れない。不眠症かも・・・」こんな人も、昼間のお仕事が問題なくできているのなら不眠症ではありません。一般的には7〜8時間の睡眠時間が理想と言われていますが、特別な根拠があるわけではないので全く気にする必要はありません。
必要な睡眠時間は人によって違いますし、同じ人でも季節や体調で変わってくるものです。極端な話、1時間だろうが2時間だろうが、日常生活に影響がなければ問題ないのです。
また、眠れないときはベッドにそのままいるよりも、一旦起きて、温かい飲み物でも飲んで眠気が来るのを待つ方が効果的です。眠くなった時だけ、ベッドに入るようにしましょう。
・カフェインを摂るのを午前中までにする。
・お酒を睡眠薬代わりにしない。
・夕食は炭水化物メインで寝る2時間前までに済ませる。
・ぬるめのラベンダー風呂でリラックス。
・眠らないといけないという思い込みを捨てる。
いかがでしたか?
医師が参考にしている不眠症の治療ガイドラインを見ても、睡眠薬を処方する前に、患者の生活習慣を見直すことが、不眠症治療の第一選択となっています。ご紹介した方法は、簡単に実践できるものばかりです。
不眠症のセルフケアとして、眠りに満足できていないときにぜひ試してみてください。