ニキビとお肌の炎症の関係
ニキビの原因はアクネ菌だということは有名ですが、では、なぜアクネ菌によってニキビができるのかご存知ですか?
酸素を嫌う性質のため脂腺の奥で、皮脂を栄養源として生息するアクネ菌は、通常の代謝の際に光毒性の物質ポルフィリンを産生します。
ポルフィリンは、紫外線を吸収すると一重項酸素という活性酸素を発生するという性質を持っていて、この一重項酸素によって皮膚が酸化すると、皮膚の炎症や、メラニン色素の生成が促されることで、シミができやすくなります。
ニキビ肌といわれる人の皮膚から一重項酸素が多く検出されていることから、ニキビにはポルフィリンが関係していると考えられるようになったのです。
アクネ菌によってポルフィリンが作られたお肌では、紫外線を浴びることによって発生した一重項酸素が、皮脂の詰まった毛穴で炎症を起こし、それらが赤いニキビや化膿したニキビになっていきます。
ニキビの原因の三大要素を抑える方法
ニキビの原因となっている三大要素「皮脂」「活性酸素」「ポルフィリン」を抑えて、ニキビができにくいツルツルお肌をめざしましょう。
皮脂を抑える
アクネ菌の栄養源でもあり、毛穴のつまりを引き起こす皮脂は、いわばニキビの元のもと。
その皮脂を抑えることで、ニキビを予防します。
洗顔後のケア
ニキビ肌は清潔に保っておくことが重要ですが、洗顔のしすぎは禁物です。
まず、皮脂を抑える上で知っておきたいのが、肌は乾燥すると、過剰に皮脂を分泌するということ。
そのため、ベタベタするからといって洗顔後に何もつけないのは逆効果です。
洗顔後は、ノンオイルの保湿剤でしっかりケアをする必要があります。
皮脂の分泌を抑える
皮脂を抑えるはたらきのあるビタミンB2やB6を積極的に摂取し、また、動物性脂肪は控えることが大切です。
そのほかに、皮膚の健康を保ち新陳代謝を促すはたらきがあるビタミンAなど、肌や皮膚の成長に効果的なさまざま栄養素があるため、食事は栄養のバランスに気を付けることが重要です。
活性酸素を抑える
皮膚の炎症やメラニン色素の生成を促すとされる活性酸素は、ガンや生活習慣病の原因となるなど、お肌だけではなく体全体に悪影響を与える恐ろしいものです。
ビタミンC誘導体
ビタミンCには、抗酸化力が強いことから活性酸素を除去し、さらに過剰な皮脂の分泌を抑制するはたらきがあるため、ニキビ治療には、リン酸型ビタミンC誘導体化粧水が多く用いられています。
ビタミンC誘導体は皮膚科での臨床実績が多くあることから、安心して使うことができる治療薬として浸透しています。
生活習慣の見直し
日常生活の中にもさまざまな活性酸素の原因となるものが潜んでいます。
その筆頭に上げられるのがタバコです。タバコに煙を吸い込むことで、体が異物として体外に排出しようとして、活性酸素を作り出します。また、煙の中にも活性酸素の成分が含まれるため、さらに、タバコが与える体への負担は大きいといえます。
そのほかに、過度のストレスはためない、激しい運動はできるだけ控えることで、活性酸素を抑えることができます。
ポルフィリンを抑える
ビタミンC誘導体などの治療薬で効果が見られない人にオススメなのが、光に反応して活性酸素を発生するポルフィリンの性質を利用したニキビ治療法。最近、美容皮膚科などで受けられるようになりました。
ポルフィリンに青色LEDの光を照射することにより、大量の活性酸素を発生させ、アクネ菌自体を酸化させて破壊するという方法です。
レーザー治療とは違って、痛みがなく、すぐにメイクができるため、気軽に受けられるのが特徴。
また、皮脂の分泌が抑制されるため、顔のテカリも改善されます。