患者急増中の前立腺がんは案外怖くない?|トピックスファロー

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2012年11月7日
患者急増中の前立腺がんは案外怖くない?

男性にしかない前立腺は、子供を作る際に欠かせない重要な器官ですが時として男性特有の病気の舞台になってしまいます。前立腺がんはそうした前立腺で起こる男性特有の病気の一つで、最悪の場合命に関わってきます。前立腺がんにはどのような治療が効果的なのでしょうか?

兼業ライター。専門ではないけれど、ライター歴は長いです。
  

男性しか発病しないガン・前立腺がん

女性しか子宮がんにならない・なれないように、男性にも「男性にしかならない・なれないガン」があります。
それが前立腺がんです。 前立腺に出る病気は、排尿障害や勃起障害(ED)を引き起こす原因ともなり、明るい家族生活を台無しにしてしまいます。
前立腺がんはどのような原因で発生し、どのような症状を見せるのでしょうか?

前立腺がんの発症原因は?

前立腺がんの患者は年々増加を続けていて、数ある癌の中でも患者増加の伸び率が一番大きいといわれています。
その為、日本人に多いといわれる胃がんや年々増加している大腸がんにも匹敵するほどの患者数になりつつあります。

前立腺がんの発症原因として考えられているのが加齢・遺伝・人種・食事です。
前立腺がん患者は高齢者が多く、年齢を重ねるにつれて発病リスクが高まることが分かっています。
また、親・親戚がガンを患ったことがある人は発病リスクが高いことも特徴といえます。
人種的には黒人・白人・アジア人の順番で前立腺がんを発病しやすいことが分かっています。

そして、発病リスクに密接に関係しているのが食生活です。
日本人の食生活は米食主体のため胃がんになりやすいといわれていましたが、最近は食の欧米化が進んだため前立腺がんや大腸がんの患者が増加しているのです。
前立腺がんのリスクとなるのは、高脂肪の食事と乳製品の摂り過ぎと言われています。
特に乳製品の過剰摂取は前立腺がん・卵巣がんといった男性・女性それぞれに特有のガンの発病リスク要因となります。

前立腺がんの症状は?

前立腺がんは自覚症状がほとんどないため、初期の内は精密検査を受けない限り発見することはほとんど難しいものです。
しかし、がんの中でも進行が遅い部類に入るのが不幸中の幸いといえます。
とは言え、進行していくと、腫瘍細胞が増大して前立腺肥大症のように尿道を圧迫して排尿障害を引き起こします。

前立腺がんは進行していくとリンパ節や骨、臓器への転移が発生します。
しかし、転移が見られない場合は前立腺肥大症と変わらない症状を見せることがあります。

前立腺がんの発見と治療

前立腺がんの診断には血液の腫瘍マーカー検査が有効です。
腫瘍マーカー検査の一つであるPSA(前立腺特異抗原)検査で、数値に異常があれば肛門に直接指を入れての直腸診、もしくは超音波検査を行います。
PSA検査・直腸診・超音波検査で疑いが濃厚になってきたら組織を採取しての生検を行い、がんの判断と悪性度の評価を行います。

PSA検査による診断の有効性は高く、前立腺がんでの死亡リスクの低下と発見率が向上するという報告があります。

治療について

前立腺がんは進行が遅いがんなので、患者が高齢の場合は手術に耐えうる体力がないため、積極的な治療を行わないことがあります。
主な治療法としては、放射線療法や抗がん剤による化学療法、腹腔鏡と呼ばれる内視鏡を使った外科手術、下腹部を開腹して行う手術、がんの進行に関わる男性ホルモンを抑制するホルモン療法などが挙げられます。

従来の外科手術は開腹を伴うため、患者に掛かる負担が大きかったのですが、内視鏡手術が確立されてからは切開する部位が小さくなり、患者への負担が抑えられるようになりました。
しかし、前立腺周辺には神経が通っており、手術の後遺症として勃起障害が発生することがあるため、十分な腕前を持った医師でないと難しいのが難点です。

著者:佐藤和子

兼業ライター。専門ではないけれど、ライター歴は長いです。
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学生時代から文章を書くのが好きだった影響で、社会人になってからも、こっそりと週末ライターを続ける。新しいもの好きで、常にアンテナ張っています。