高齢者は三大疾病・がんといかに戦うべきか?|トピックスファロー

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2013年2月21日
高齢者は三大疾病・がんといかに戦うべきか?

三大疾病の一つに数えられるがんは、命を脅かす危険な病気です。しかし、ある程度歳を越えた高齢のがん患者に対しては積極的な治療を行わないことが多々あります。高齢者が、がんを患った場合、どのような治療方針がベストになるのでしょうか?

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若者とは違う?高齢者が、がんを患った時の処置

脳卒中・心筋梗塞と共に「日本三大疾病」に数えられる癌。一昔前は不治の病であり、告知することさえ忌避されていたものです。しかし、医学の発達とともに早期発見・予後の良い治療法が確立され、「決して治らない病気」ではなくなったのです。

しかし、医学がいくら発達したとはいえがんは未だ「発見が遅れれば何回手術をしても完治に至らない難病」であることには変わりありません。

高齢者のがん割合は意外に多い

高齢者専門の病院である東京都老人医療センターの調べによると、センターで亡くなられた高齢者5000人を調べたところ51%の患者が、がんを患っていたという結果が出ています。

がん発生のメカニズムは、簡単に言えば「細胞の新陳代謝の過程でコピーミスが発生し、除去されなかったミスコピー細胞が、がん細胞となる」というものです。

この細胞のミスコピーの原因の一つになるのが「遺伝子の破損」で、遺伝子の破損を引き起こす原因の一つが老化現象なのです。

その為、二人に一人という高い割合で高齢者が、がんを患っているという結果が出てしまうようです。

高齢者のがん治療はあまり積極的ではない

がん治療においては病期・患部に応じて外科手術による幹部摘出、抗がん剤治療、放射線治療とがん細胞を身体の内外から叩く方法を使い分けるのが鉄則です。

しかし、高齢者が、がん患者であった場合、あまり積極的に治療を行わないことも珍しいことではありません。

癌の恐ろしい所は、細胞分裂の制限が掛かっていないため無尽蔵に増殖を繰り返し、患部から血管・リンパ腺を介して他の臓器に転移するということです。
細胞分裂が活発に行われる若い人が、がんを患うと病期の進行は極めて急激に行われますが、老化が始まっている高齢者の場合がん細胞の増殖が抑制されてしまうのです。つまり、高齢者のがんは進行が遅いため命を脅かすほどの病期に達する前に召される可能性の方が高くなってしまうのです。

治療自体が身体の負担になることも

それに加えて、がんの治療にはとても体力が必要になります。外科手術をするにしても身体にメスを入れればその分だけ体への負担は大きいし、場合によっては広範な臓器摘出を行わなければならないため、体力のある若い人でも術後の経過が思わしくなくなることは珍しくありません。

抗がん剤や放射線治療でも副作用や正常な細胞への影響など身体への負担は免れないため、高齢者の場合は積極的な治療を行わない方針になることが多いのです。

がん治療と健康寿命の両立を目指す

つまり、高齢者の場合は「がんを患った=治療しなければ死」ではなく「がんを患った=治療しなくても一生を全うできるかもしれない」となる可能性があるということです。

そして、逆にがん治療に踏み切って身体に負担を与えて余命を縮めてしまうというケースもあるのです。

このように、がんを患っていても患者の年齢によっては治療が健康寿命を大幅に削る原因になってしまうことも少なくありません。ある程度の歳まで行くと、病気を治すことが必ずしも豊かな余生を過ごすことにはつながらなくなるのです。今後は健康寿命とがんなどの病気治療をいかに両立できるかが、医療の発展における焦点になるでしょう。

著者:海老田雄三

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芸能、アニメ、ゲーム、音楽あたりが得意分野のはずが、気が付けばなんでも書くライターになっていました。アニメ、ゲームなどのサブカル誌によく寄稿しています。