彼らがいなければ歯医者は回らない、歯科技工士の仕事とは
歯医者は、美味しく食べることと歯の痛みに煩わされない生活を送る上で非常に重要な役割を果たす職業と言えます。歯の痛みが続けば集中できなくなるし、歯がボロボロだと歯ごたえのあるものも食べていられません。
初期の虫歯や歯石除去程度なら、それこそ一日で治療が終わってしまうものですが、穴が開くほど進行した虫歯や抜けた歯は数週間から数か月かけて治さなければなりません。治療期間が長く掛かるのは身体に掛かる負担を抑える事、そして歯に入れる補綴物を作る手間がかかるからです。
歯の補綴物を作るためには歯科医、または「歯科技工士」の医療資格が必要になります。
歯科治療には欠かせない歯科技工士
歯科技工士とは、詰め物(インレー)・被せ物(クラウン)などの補綴物や入れ歯を製造・加工する技能を持った医療資格者の事です。
歯科技工士は医療資格ではあるものの、医療行為そのものには関わる事が出来ません。基本的には歯科医が行う治療の補助として補綴物等の製作に従事します。
歯科技工士は歯科医院の中、もしくは外部に設営された技工所で歯科医が取った患者の歯型から補綴物を製作します。歯型は患者ごとに異なるため、補綴物製作はまさに歯科技工士の腕の見せ所なのです。
歯科医師は歯科技工士の資格を持っていなくても補綴物の製作が行えますが、歯科医院を経営している医師だと治療以外に手が回らないことの方が多いため、歯科技工士に発注する場合の方が圧倒的に多いのです。
歯科技工士になるには
歯科技工士の仕事は、それこそ模型製作のようなものなので手先が器用な人ほど向いているといえます。歯科技工士になるためには、「歯科技工士科」が設けられている大学や専門学校に通い国家試験の受験資格を得なければなりません。学校を卒業後に国家試験を受験し、試験に合格すれば腫れて歯科技工士の国家資格が得られます。
歯科技工士科は大学では4年制、専門学校では3年制を取っている所が多いのですが「専門学校も4年制を導入すべき」という意見があるようです。
歯科医増加に対して減少・低収入傾向にある?
このように、歯科技工士は歯科医院を支える非常に重要な職業ですが現職の歯科技工士は歯科医ほど人数は多くありません。その上、収入面でも歯科医ほど高くなく、20代以上の歯科技工士の離職率が75%以上と高いというのが現状です。
歯科医は保険点数や保険の効かない自由診療などで収入が保証されているといえますが、歯科技工士は歯科医が仕事を持ってこない限り収入が得られない職業と言えます。その為、歯科技工士は歯科医に対して強く出れなくなっていて、正規の工賃よりも安くされる事が多いのです。
つまり、歯科医との立場と収入格差が大きいのが歯科技工士減少の原因となっているのです。