過去10年間で増加する山岳事故
警察庁の発表によれば、平成23年度の山岳遭難者の数は2204人。
そのうち無事に救助されたのは約半数の1110人と多くの遭難者が救助されている一方で、1割を超える275人が山岳事故により亡くなっています。
これら遭難者のほとんどが登山中に道に迷ったり、滑落によるもの。
単独登山の場合、死者・行方不明者の数は複数登山の約2.4倍という数字が出ています。
さらに10年前のデータと比べると、遭難事故の発生件数・遭難者数ともに約35.5%も増加している事が分かります。
山岳事故の原因は『知識不足』
これら遭難や事故は天候の判断ミスや、登山に十分な装備や体力が分からず無理な計画を実行した事など、登山に関する知識や経験不足が原因にあると考えられています。
山の知識検定『ヤマケン』とは?
一般社団法人日本山岳検定協会が認定する検定試験。
山の知識検定、通称「ヤマケン」とは、こられ一向に減らない遭難事故を少しでも減らし、初心者が山の知識を得る事で、登山を安全かつより楽しいものにする事を目的に作られました。
平成23年より実施された新しい検定ですが、全国の山岳連盟から構成されている『公益社団法人日本山岳協会』にも公認されている資格です。
山の知識検定
公式サイトURL:http://yama-kentei.org/
ヤマケン検定内容
ヤマケンは初心者用の『ブロンズ』から、『シルバー』『ゴールド』の3つに分かれていますが、基本的に試験範囲は変わりません。
遭難防止のためのノウハウ、地図の読み方、山岳の地形の基礎、レスキュー、山の気象状況。
他にも山を楽しむための、山の歴史や自然環境も試験範囲に含まれています。
問題は山岳ガイドや山岳救助関係者の監修により出題され、
- 道具の使い方や読図、救急法など『安全面』から30%。
- 地理、地形、気象、動物など『自然科学』から30%。
- 山の名前や地名、歴史、文学、芸術など『雑学』から40%。
合計70%が合格ラインとなっています。
ヤマケン勉強方法
山岳の知識を測定する検定の為、対策用の参考書などはありません。
ただ受験対策として、公式サイトにおすすめの書籍が紹介されています。
登山になれていない初心者はこれらから勉強する事が合格への近道となります。
山の知識検定おすすめ書籍
URL:http://yama-kentei.org/kentei/book.html
登山初心者の事故・遭難防止から中級者の知識確認まで
山の知識検定には遭難しない為のノウハウや、それでも道に迷った時、けがをした時の対処法など、登山に必要な実践的な知識が詰まっています。
初心者だけでなく、すでに山登りを経験している中級者も、思い込みを見直す意味を込めて受験してみてはいかがでしょうか。