いかにも頭皮や髪に良さそうな無添加シャンプー、実は…
近ごろは無添加と名前のついた製品が増えたと思いませんか?代表的なものに、無添加シャンプーがありますよね。天然成分配合や植物由来など、いかにも頭皮や髪に良さそうです。無添加シャンプーを使うと、頭皮や髪が健康になるだけでなく、何だか環境にも優しいことをしているような気分にすらなります。
しかし無添加という名前がついているからといって、必ずしも良いものとは限りません。
もしあなたが「何となく良さそうだから」「近年は健康ブームだし~」という安易な理由だけで無添加シャンプーを使っていたのなら、いちど中に含まれている成分をよく調べてみることをおすすめします。
もしかすると、頭皮や髪が健康になるどころか、逆の効果を招く成分が含まれているかもしれないからです!
“オレフィンスルホン酸”は頭皮の乾燥を招く
シャンプーに用いられる洗浄成分の一種、オレフィンスルホン酸。植物由来や無添加と表示されているシャンプーに含まれていることの多い成分です。この成分は、ココナッツオイルなどの植物油から作ることが可能な有機物質、つまり天然物質です。
天然物質ならば何の問題なさそうですが、実はこの成分には、頭皮の大切な保湿成分を分解してしまう強力な脱脂作用とタンパク質変成作用があるのです。
頭皮に保湿成分が戻るまでには、約1週間という長い期間を要します。しかしこの成分入りシャンプーを毎日使った場合、保湿成分の回復が間に合いません。すると頭皮は、慢性的な乾燥状態となってしまいます。
頭皮が乾燥すると、かゆみやフケといったトラブルを招きます。また頭皮の健康はそのまま髪の健康につながりますので、頭皮を傷めると元気な髪が生えてこなくなることも。 一見頭皮や髪によさそうな無添加シャンプーが、逆にトラブルの原因になってしまうことがあるのです。
消費者をだましているわけではありません
頭皮や髪を傷める危険性があるのに、なぜこの成分が使われるのか?
理由は、泡立ちがよくて低コストだからです。なんだか消費者をだましているかのような理由ですが、メーカー側のさまざまな事情あってのことなのです。
消費者は、商品にわかりやすい良さと安さを求める傾向があります。
わかりやすい良さとは具体的に、泡立ちの良さ、洗髪後のサッパリ感、一度の使用で髪の毛にツヤが出た…などです。
消費者は良くも悪くも気が短いので、このような効果をすぐに実感できないと、2度とその商品を買わなくなってしまいます。商品が売れなくては、会社の存続に関わりますよね。このような事情から、メーカー側はやむを得ずこの成分を用いてシャンプーを製造するのです。
アミノ酸系の洗浄成分が含まれるものが○
残念ながら、頭皮や髪に無害の成分のみで作られたシャンプーというのは存在しません。たとえ無添加のシャンプーでも、何らかのリスクをはらんでいるのです。そんな…とがっかりするかもしれませんが、先ほど説明したメーカー側の事情や品質管理の点を考えると、これは仕方のないことなのです。
しかしできるだけ良いものを使用したいというのであれば、オレフィンスルホン酸が多く含まれる無添加シャンプーは避けたほうが無難でしょう。肌の弱い方は特に注意が必要です。
比較的安全で頭皮や髪によいと言えるのは、アミノ酸系の洗浄成分の含有割合が多い無添加シャンプーです。泡立ちは決して良いとは言えず、サッパリ感も弱いですが、頭皮への刺激が少なく髪に潤いを与えるというメリットがあります。少し高額なのが玉にキズですが、シャンプーは、頭皮と髪の健康を損ねないことが何より重要です。