歯周病治療の基本
現代病とも言われている歯周病にかかる人は、年々増え続けています。
歯周病の基本的な治療法は、ブラッシング指導や歯石の除去、修復物・噛み合わせのチェックなどです。
これらの治療を行っても歯周ポケットが小さくならない場合は、外科的処置をすることもあります。
また、細菌感染を防ぐために抗生物質を服用したり、場合によっては抗生物質を直接歯周ポケットの中に挿入して、細菌を減らす治療が行われます。
歯周病の進み具合によって、行われる治療は異なりますが、いずれにしても再発防止のために定期的に検査を受けながら、メンテナンスしていくことが大切です。
ブルーレイの光と過酸化水素を使った歯周病治療
上の項目で紹介したような従来の治療法に加えて、現在、ブルーレイと過酸化水素を使った歯周病の新しい治療方法が東北大学歯学部で研究されています。これは、ブルーレイの光と過酸化水素が反応して殺菌力が高まることで、細菌を死滅させるというものです。なんと、この治療方法なら歯周病の原因菌をほぼ100%の確率で取り除くことができるんだとか!とても画期的な方法ですね。
従来の治療よりも効果的!
一般的に行われている歯周病の治療は、病状が進行して歯周ポケットが深ければ深いほど、治療するのが難しく患者さんにかかる負担も大きなものです。メインの治療とも言える歯石除去では、奥歯の届きにくいところだと、取り残してしまうケースも少なくありません。
最新の治療は、過酸化水素水を噴射しながら、ブルーレイの光を当てるというもの。
この2つが“ラジカル”と呼ばれる化学反応を起こし、歯周病菌を殺菌してくれるといいます。
しかも、治療にかかる時間はたったの3分!従来の治療法と比べて、患者さんへの負担もかなり軽減されますし、大きな効果が期待できるでしょう。
ブルーレイ
一般家庭にも普及している光ディスク「ブルーレイディスク」にも使われるレーザー光線のことです。可視光線の一つで、青紫色のレーザーであるため、「ブルーレイ」と呼ばれています。
過酸化水素水
消毒薬として用いられるオキシドールのことです。薄める割合によって、消毒薬をはじめ、ブリーチ剤、化学薬品など様々な用途があります。ちなみに、オキシドールは薬局で購入できますよ。
最先端の医療技術に期待!
ブルーレイの光と過酸化水素を用いた歯周病の最新治療に使われる機器は、事務機器や光学機器などを製造しているメーカーの株式会社リコーの協力のもと、製作されました。そして、超音波振動に耐えることができる光ファイバーを使った最先端の医療機器が完成したのです。
2012年1月からは、実際に歯周病の患者さんへの治療で、臨床実験が始まっています。
2013年ぐらいに厚生労働省の認可取得を目指し、研究が進められています。
歯を失う大きな原因ともなり得る歯周病は、怖い病気です。この新しい治療方法が一般的に普及するようになれば、歯周病に悩む人の救世主となるかもしれませんね。一日も早く実用化されることを期待しながら、待つことにしましょう。