沖縄で愛される泡盛ってどんなお酒?
泡盛は、沖縄地方で飲まれている蒸留酒です。
泡盛と焼酎の違いについて
泡盛には、暖かい沖縄でも麹やもろみの温度管理がしやすいタイ米を使用しています。
九州の小麦などで作った焼酎と同じ「焼酎乙類」に分類されますが、一般的な焼酎の白麹菌に対して、黒麹菌が使われています。
黒麹菌には、雑菌の増殖を抑えるはたらきがあるため、温暖な気候の沖縄向きの麹菌といえます。
時間がさらに泡盛をおいしくする理由
泡盛は、時間や温度による劣化が少ないため、長期間熟成することで深いコクとまろやかな風味が増します。
3年以上熟成した泡盛は「古酒(くーすー)」と呼ばれ、熟成期間が長い古酒は、年代物のウイスキーやブランデーに匹敵するといわれています。
沖縄では、子供の誕生や結婚の節目に古酒造りを始める家庭が多いため、メーカー各社では贈答用の泡盛が販売されています。
食事に泡盛がピッタリな理由
食事とアルコール度数には大きな関係があります。
食中酒として飲まれるお酒の大半は、アルコール度数が15度前後です。
一般的な泡盛の飲み方は、焼酎と水の割合が6:4~7:3の水割りです。
この割り方によって、泡盛のアルコール度数は15度前後になり、食事とのバランスがよくなるとされています。
また、「さんぴん茶」や「うっちん茶」、「シークヮーサージュース」割りなどでも飲まれています。
石垣島で飲まれている泡盛
石垣島には、酒造会社が3社あり、それぞれの銘柄が島内外で広く愛されています。
請福酒造
「直火請福(じかびせいふく)」が代表的な銘柄です。
泡盛らしい薫りとコク、飲み応えが特徴です。
請福酒造は、石垣市宮良にある、1949(昭24)年創業の酒造会社です。
島で60年以上愛されている請福は、昔ながらの直火蒸留法に改良を加え開発した請福独自の直火釜蒸留によって生み出されています。
併設された漢那蒸留所では、長期熟成した古酒などの試飲が可能です。
また、蒸留したお酒を一合から量り売りしています。
高嶺酒造所
「於茂登(おもと)」が代表的な銘柄です。
ソムリエの田崎真也氏に「シロップのようなまろやかさ」と評された飲み口が特徴です。
高嶺酒造所は、石垣市川平にある、1949(昭24)年創業の酒造会社です。
川平湾近くの沖縄県最高峰「於茂登岳」が名前の由来で、於茂登連山から湧き出た超軟水の天然水を使用しています。
また、「循環式蒸留」が主流の泡盛造り中で、大正時代に主流だった「直火式地釜蒸留」を守る数少ない酒造所です。
八重泉酒造
「琉球泡盛 八重泉30度」が代表的な銘柄です。
芳醇な香りと飲みやすさが特徴です。
八重泉酒造は、石垣市の市街地の西部にある、1955(昭30)年創業の酒造会社です。
「八重泉30度」のほかに、フランス製の樫樽で熟成したブランデーのような芳醇さの「八重泉43度 グリーンボトル」や、グリーンボトルを25度に仕込んで飲みやすくした「八重泉ゴールド25度」などのバリエーションがあります。