新規事業を支援する新しい方法『クラウドファンディング』|トピックスファロー

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2012年9月14日
新規事業を支援する新しい方法『クラウドファンディング』

クラウドファンディングというのをご存知ですか?新規事業プロジェクトを一般に公開し、共感を得た相手から支援を募る、国や銀行やVCに頼る事の無い新しい資金調達の方法です。いま中小企業の再生にこの方法が注目されています。

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新しい資金援助の形『クラウドファンディング』

クラウドファンディングとは、自分のプロジェクトをネット上で公開し、そのアイデアに共感した一般の人が「支援者」となり、資金援助を募る方法である
支援者が支払う額は数千円から10万円程度と少額で、また支援を受けた側が返すのは出来上がった商品その物であったり、何かしらのサービスをという場合がほとんどです。

提案者にとってはアイデア一つで勝負できる手軽さと、支援者側の金銭的な負担の少なさからハードルが低く、気軽に支援できるというのが特徴です。

近年、普及し始めたこの支援方法により、本場のアメリカではいくつものアイデアが商品化され、数多くのベンチャー企業が立ち上がっています。
そして2011年頃より、この波は日本にも広がりつつあります。

先細りの中小企業

中小企業の危機は今更いうべき事ではありません。
すでに先が見えている危機的状況であっても、多くの中小企業は打って出るだけの体力が残っていないのが現状です

新規事業に着手しても、それが商品なるか分からない。
例え商品になったとしても、売らなかったのでは意味がない。

もし失敗に終わったらと考えると、尻込みするのは当然です。

しかし新規事業、あるいは新商品の開発費に支援が受けられる。
また出来上がった商品がどの程度売れるかが事前に分かれば、尻込みする理由は無くなると思いませんか。
その方法がクラウドファンディングなのです。

クラウドファンディングの優れた特徴

大きな特徴としては、資金調達が容易に行えるという事でしょう。
しかし、開発資金の全てを一般支援者から集めるのは簡単な事ではありません。
ですが、その事は大きな問題とはなりません。

クラウドファンディングが最も優れている点は、商品を作成する前にマーケティングが出来る事にあります。

クラウドファンディングはマーケティングツールでもある

繰り返しになりますが、クラウドファンディングは一般の個人が支援者となって援助を行ってくれます。
その際、支援者はプロジェクトのPRを見てその商品が欲しいか、あるいはそのサービスを受けたいかを決めます。
つまり支援者は、そのまま顧客と考える事が出来るという訳です。

そこでプロジェクトの支援金が目標額を超えれば成立。資金が足りなければプロジェクトが立ち上がる事はありません。

重要なのは、その商品に対してお金を払ってくれる人が、どれだけいるかマーケティングが出来る事にあります。

この時点でその商品がどれだけ顧客に受け入れられるかが分かり、失敗するのが分かっている商品に資金をつぎ込むというリスクを回避できます。

そしてプロジェクトが立ち上がった後は、その試作品と顧客の反応をもってVCへと売り込み、そこから生産ラインに乗せる事が可能となるでしょう。

技術力を効果的にアピールできる

過去、中小企業がその技術を駆使して作った商品は数多くあります。しかしその多くは、物がいいのに売れないという結果に終わってきました。
その原因は、アピールの仕方、宣伝方法が悪いというのが大きな理由でしたが、中小企業には広告費に資金をつぎ込む余裕があったとは思えません。

しかしクラウドファンディングは多くの人に評価される場所にアイデアを公開します。
そのアイデアが良いものであれば、TwitterやFacebookで瞬く間に広まるでしょう。
そしてその情報を受け取った人は新たな支援者となって、さらに商品を宣伝してくれます。

クラウドファンディングが企業経営の新しい形になる

日本でクラウドファンディングから商品化された例として「iPhone Trick Cover」があります。

しかし、まだまだ日本国内のクラウドファンディングの認知度は低いのが現状です。
またプロジェクトをプレゼンするにしても、PVの作成など今までとは違う作業が発生しますし、あらかじめ特許の取得などを済ませておく必要があります。

今すぐに、全ての中小企業が使える手段ではないかもしれません。

しかし高い技術力を持ちながら動くに動けない町工場や、廃れつつある伝統技術を新しい形で提案出来るこの方法は、日本の技術力を今一度、世界に知らしめるきっかけになるかもしれません

著者:渡辺芳樹

企画やWEBサイト製作までも手掛ける、ライターもどき
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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。