【黒船襲来】1泊1万円のLCCで海外旅行クルーズコンサルタントの資格|トピックスファロー

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2013年6月21日
【黒船襲来】1泊1万円のLCCで海外旅行クルーズコンサルタントの資格

旅行にクルーズを選ぶ人はセレブか、よほど旅慣れた人というイメージがありますが、そのイメージはもう古くなっているのを知っていますか?変化するクルーズプランのから、顧客が求めるものを提案するのがクルーズコンサルタントの仕事です。

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船旅の専門家『クルーズコンサルタント』

豪華客船

photo by Jeff Weese on flickr

日本ではなじみの薄い、『クルーズの正確な知識』を取得する、旅行会社社員の為の資格。
認定しているのは、日本外航客船協会(JOPA)と日本旅行業協会(JATA)からなる、『クルーズアドバイザー認定委員会』。
2003年より試験が始められ2011年までの間に郷学下人数は3481名。合格率62%。

受験者は、全国で右肩上がりの傾向にあり、旅行会社のクルーズへの注目が見て取れます。

旅行業界のキャリアアップの資格

試験の目的は、クルーズ旅行を販売する者が正しいクルーズの知識を身につけ、自信を持って販売できるだけの知識を身につける事にあります。
その為、受験資格は『総合旅行業務旅程管理主任者』。もしくは『総合旅行業務取扱管理者』の資格を持ち、すでに仕事をしている人に限られています。

つまりこの資格は、ご当地資格のようにクルーズの知識を試すだけの趣味的な資格ではなく、実際に業務を行う上で必要な『実務資格』と言えるでしょう。

日本の現状と世界のクルーズブーム

豪華客船

旅行会社がクルーズの対応した社員を増やしているのには、世界的な船旅ブームが起きており、日本にもその波が押し寄せているという事実が目の前にあるからです。

1989年、「ふじ丸」を皮切りに本格的に始まった日本のクルーズは、当初の利用客数は15万4千人
しかし、その後の利用客は伸び悩み、年間利用客数は20万人程度。完全に停滞してしまいます。

一方、外国では国際クルーズ船協会(CLIA)の発表によれば、2012年にクルーズを利用した海外の旅行客数は2030万人以上。
2013年には、2097万人とさらに多くの需要があると予想されています。

クルーズの中心はアメリカとヨーロッパ

しかし、利用者のほとんどが、アメリカ人とカナダ人

行先もカリブ海、地中海、ヨーロッパが大半を占めており、日本や中国、ベトナムといったアジア圏の利用は、ごく限られたものでした。

日本の開拓に乗り出した外資系

そんな10年間で、2~3倍と大きく利用客を増やした北米と欧州のクルーズ会社が次に狙っているのが、日本を中心としたアジア市場。

その武器として投入してきたのが『海のLCC』
日本では豪華客船として有名な「飛鳥Ⅱ」が定員800名。
2013年に日本発着を決めたカーニバル・コーポレーションの「サン・プリンセス」は定員2022名。
最大規模の「ロイヤル・プリンセス」に至っては3600名。

乗客数の多さから、幅広い価格設定ができ、横浜~台北間9泊10日の船旅で12万円台という破格のLCC(ロー・コスト・クルーズ)戦略を仕掛けてきました。

欧米で急速にクルーズの利用者を増やした背景には、このLCCでクルーズのメインターゲットだったシニア層だけでなく、カップルや家族連れの顧客も取り込めたことにあります。

サービスで勝負をかける日本の旅行会社

2012年。外資系の参入に合わせ国内LCCが数多く運行を開始。
『13万4千円で行く北海道周遊とサハリン10日間』ではキャンセル待ちが出るほどの人気となっています。

しかし、日本が得意とするのはLCCではなくラグジュアリーな船旅
LCCは本来の豪華客船を利用するための、最初のステップと言われています。

日本初、長崎で実際にカジノが遊べるクルーズが運行

急速に営業回復をした事で注目を集めている長崎のハウステンボス。
このハウステンボスの子会社、HTBクルーズでは『公海上でカジノが遊べるオーシャンローズ』の運行が、2012年より運行を開始しています。

クルーズコンサルタントが日本クルーズ復活の鍵

外資系参入、国内LCCの増加、カジノ船クルーズの運行と、これまで動きのなかった日本のクルーズ業界は、わずか数年で大きな変化を遂げています。

運航会社が入り乱れ、様々なクルーズプランが立ち上がれば、ただでさえ馴染みの薄かった一般の利用者には、余計に訳の分からないものとなってしまうでしょう。

そういった『分からないから利用しない』という顧客に対して、正しい情報とサービスを提供する事が『クルーズコンサルタント』には求められています。

日本人の新しい余暇の過ごし方としてクルーズが浸透していくかどうかは、クルーズコンサルタントたちの手腕にかかっているとも言えるでしょう。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。