【歯科技工所とは?】
歯科技工所とは、人工歯やかぶせ物を製作する場所のことであり、製作を行なうのが歯科技工士です。
歯科医師は、人工歯やかぶせ物の装着は行ないますが、製作は行ないません。技工物の製作は、歯科技工所(歯科技工士)に依頼しているのです。
かぶせ物や人工歯は型をとれば製作できますから、歯科技工士は患者の口腔内を見たりしなくても、かぶせ物や人工歯を作ることができます。そのため、一般的な歯科医院では、外部の歯科技工所に製作を依頼しています。
【歯科に歯科技工所が併設されているとどんなメリットがある?】
歯科技工士は患者の口腔内を見なくても技工物を製作できるにも関わらず、院内に歯科技工所を併設している歯科医院が増えてきています。
外注ではなく、院内に在中する歯科技工士が人工歯やかぶせものを製作することで、次のようなメリットがあるのです。
- 患者に適した人工歯・かぶせ物を作ることができる
歯科技工所が院内にあり、歯科技工士が院内に在中しているということは、ただ単に医師の近くで作業しているということではありません。歯科技工士も患者と接することができるというメリットがあるのです。
歯科技工士は、実際に患者の口腔内を確認し、患者の要望を聞きます。そのため、患者の希望に適したかぶせ物を作ることができます。
また、患者の側からしても、実際に人工歯を作る人の顔を見て、要望を伝えることができて安心できるというメリットもあるでしょう。
- 歯科技工士が初診時から治療に携わることができる
従来は、歯科技工士は治療の経過を知ることもなく、医師が依頼した歯科技工物を製作してきました。
しかし、院内にいる歯科技工士は、初診から治療に携わることができ、治療方針などを医師とともに検討できます。
- 製作期間が短い
かぶせ物などを装着したことがある人は、「かぶせ物ができてくるのは1週間後です」などと言われたことはありませんか??
一般的には、医師が歯型を送ってから、できあがったかぶせ物が歯科に到着するまでに1週間程度かかりますが、技工所が院内にあれば、運搬にかかる時間が省けますから、短期間で技工物が医師の手に届くのです。
また、装着後にかぶせ物の破損など、トラブルがあった場合でも、すぐに対応できるという点もメリットと言えるでしょう。
など
審美性を追及する歯科医院に、歯科技工所を併設している病院が増えています。
【歯科医療におけるチーム医療】
最近はチーム医療体制により、確実なインプラント治療に取り組む歯科医院が増加しています。
多くの歯科医院では、医師一人の判断によって治療方針が見出されますが、チーム医療体制をとっている歯科医院では、複数の医師によって患者に最適な治療方針が見出され、歯科衛生士や歯科技工士、麻酔科医など…専門性の高いスタッフが連携して治療に当たります。
歯科衛生士はインプラント手術の介助を担当しますが、やはり専門的な知識や技術を持ち合わせていなければ、適切に医師のサポートはできません。
また、歯科技工士が患者と接することもなく人口歯を作っていては、最適な技工物を作ることはできませんよね…。
インプラント治療をはじめとする歯科医療では、専門性の高いスタッフが連携して、より確実な治療を行なっていくことが求められています。
歯科技工所が院内に併設され、歯科技工士も医師などのスタッフとともに治療に当たることは、適切な治療のために必要なチーム医療体制のひとつなのです。