水辺で命を守るライフセーバーになるには
プールで足がつってしまった、泳いでいる最中に気分が悪くなった、海でクラゲに足を刺されてしまった、離岸流に流れた、強い日差しで熱中症になった、砂に埋まったゴミで足に怪我をしてしまった、等、水辺でのさまざまなトラブルを見逃さず、救助や手当など必要に応じた素早い対応が求められるライフセーバー。
水辺での救助活動に対応できる知識や技術を十分なだけ備えてさえいれば、ライフセーバーになるための資格そのものは必要ありませんが、大学生のアルバイトや女性にも人気が高まっているライフセーバーは、自然を相手に一刻の猶予も許されない危険な場面に遭遇することもあるため、決して遊び感覚で務まりません。
監視等を依頼する浜の管理者によっては資格を重視することもあり、スキルの証明としてライフセーバーの資格を取得していたほうが、仕事も決まりやすいケースもあります。
ライセーバーの資格
海水浴で溺れて水を飲み心肺機能が停止してしまった人などの救助で行う「心肺蘇生」、救命ボートに乗り込み沖まで流された人の救助に向かうなど、水辺での救助活動は時も場所も選べません。
上級クラス資格ほど、多くの場面での救助活動も自信を持って行える技量を身につけることが出来ます。
資格の正式名称と認められる技量
目的に合った講習会へ参加した後、資格取得の検定試験を受けます。各講習会は「JLA日本ライフセーバー協会」認定の全国各地の団体が主催し、すべての資格の有効期限は検定試験合格日の翌年度から3年間。
JLA認定心肺蘇生法(CPR)資格
ADEを含む、一時救命に必要な基礎知識と技能を備えている。
意識を失った人に対し、適切な手当をおこなえる。
JLA認定Water Safety資格
救助者となる自らの安全を水辺での活動中も確保することができる。
事故防止等、ライフセービングの基礎知識と技術を備えている。
JLA認定Basic Surf Lifesaving資格
自らの安全を確保して、水難事故に適切に対応できる基礎知識と技能を備えている。
JLA認定Advance Surf Lifesaving資格
海浜で監視、救助、救護などの経験を活かし、リーダーとして、自らの安全、周囲の安全を確保して、事故防止や水難事故に適切に対応できる実践的な知識と技能を備えている。
JLA認定IRB Crew資格
海浜で救助用ボート(IRB)の乗組員として、ボートを活用し、安全を確保しながら事故防止、水難事故に対して適切に対応できる実践的な知識と技能を備えている。
JLA認定IRB Driver資格
海浜で救助用ボート(IRB)の操船員として、ボートを活用し、安全を確保しながら事故防止、水難事故に対して適切に対応できる実践的な知識と技能を備えている。
講習・試験概要 |
|
受験資格 |
【心肺蘇生法(CPR)資格】 【Water Safety資格】 【Basic Surf Lifesaving資格】 【Advance Surf Lifesaving資格】 【IRB Crew資格】 【IRB Driver資格】 |
試験日程 |
主催団体により異なるため、要問合せ |
受験費用 |
【心肺蘇生法(CPR)資格】:5,000円(会員3,000円) |
試験内容 |
【心肺蘇生法(CPR)資格】 【Water Safety資格】 【Basic Surf Lifesaving資格】 |
公式サイト |
特定非営利活動法人 日本ライフセービング協会(http://www.jla.gr.jp/home.htm) |
ライフセーバーの求人や給料は?
全国各地の海水浴で活動する、各ライフセービングの団体がライフセーバーの募集を行ない、施設の案内や放送/迷子のケア/監視やケガの手当/救助、など、スキルに見合う業務が与えられます。
夏限定/ライフセーバー募集一例 |
1~3ヶ月の短期雇用 |
無料宿泊施設完備 |
シフト制 |
1日4h以上勤務 |
時給850~950円 |
給料は活動する場所により違いがあり、主に時給制、日給制で賃金が支払われますが、委託を受けず任意、自主的にライフセービングの活動を行う場合は、ボランティアとして賃金が発生しないこともあります。
また、水難救助をおこなう業務内容は同じでも、厳密には「ライフセーバー」はボランティア、「ライフガード」は給料が発生するプロという違いが海外ではハッキリと区別されています。ライフセービングの発祥の地とされるオーストラリアには、数々の大会で入賞経験を誇る多くのプロ・ライフガードが収入を得て活躍しています。
日本ではインストラクターや副業等で生計を立てているケースがほとんどで、身につけた知識と技術を活かしボランティアとして地域に貢献することを目的に、ライフセーバーの資格を取得する傾向があります。