30代はお金を増やすより経験に投資をする
筆者は、「金持ち父さん、貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ)、「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」(木暮太一)の2冊を読んで、投資の概念が30歳頃までに頭の中にできました。
投資というと、金銭的なリターンを得れる投資が一般的に思われますが、上述の2冊では、投資でお金を増やすエッセンスよりも、人的資本に投資する重要性が説かれています。
人的資本とは、ヒトがお金を稼ぐために身につけるスキル、知識、ノウハウなどのことを指します。
そして筆者はその通り、30代では人的資本、つまり経験に投資しました。
詳しくは、「No.27:【コラム】会社員をしながら、30代で作家デビューした方法-その1」の記事で紹介していますが、会社員生活にマンネリを感じた筆者は、これまでの海外渡航経験を活かして、ライター業を始めました。年末年始、GW、夏休みなど休暇を利用してヨーロッパに取材渡航するようになります。
その過程で商業出版もできたりしましたが、年に数回、ヨーロッパに渡航すると、1度に30万円前後は費用がかかり、年に3回渡欧すると1年で100万円近くのお金が飛ぶことになります。
その費用自体は、会社員(後述する国際物流業)としての定期収入があり、金銭的には問題ありませんでしたが、それでも30代にはそれほど貯金額が増えず、保有資産は停滞期でした。
しかし、筆者はそのことに関して、あまり気にしませんでした。それは30代で本を商業出版する実績と書く技術を習得することは一生の人的資産になると思っていたので、目先の金銭的享受より経験にお金と時間を投資しました。
本業以外の業界との付き合いも投資のヒントになる
「金持ち父さん、貧乏父さん」で説かれている幅広い業種との経験が、投資をする上での知見を広げてくれる可能性があると説いています。筆者は、執筆業を通じて、webメディア、出版社、旅行代理店と様々な業界と絡むことができました。
昨今(2024年10月執筆中)の世の中の動きを鑑みると、スマホで動画やwebを簡単に見られることは、紙の本を出版する出版社は今後淘汰される可能性は高いですし、円安、国際情勢不安の中、海外旅行の需要が落ちていることを痛感します。
こうした体感も執筆業を通じて、その業界の関係者と関わることによって得られました。それも投資をする上での一つの指標になると思います。
投資の元本は労働収入こそ最適
ある程度、人的資本が備わったら、いよいよ金銭的な投資の準備です。
投資をする上でその種銭となる、労働による定期収入は非常に大事になります。そして、その定期収入については、永劫に通用するスキルを得られる職種や業界に就くことをおすすめします。「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」では、その時代の流行りの業界より、昔からある業界の経験こそ、陳腐化されない永劫に通用するスキルになる可能性が高いと指摘しています。
筆者は、執筆業のみならず、上記の記事でも触れましたが、20代の頃から国際物流の業界に従事しています。
国際物流の仕事は、輸出、輸入に関する手配の仕事が中心になります。貿易は世界共通のルールの元、動いているため、大きく仕事の流れ、原則が変わることはありません。
古くからある普遍的な国際物流、貿易の業界と違って、21世紀から頭角を現したIT業界は常に新しい知識がアップデートしていかなくてはなりません。
貿易の知識を一度身につけると、あとは同じことを何度も繰り返していくことによって、経験者として認知されます。まさにそれこそ、「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」で説かれている、陳腐化されない永劫に通用するスキルなのです。
30代でも何度か仕事を辞めたりはしていますが、仕事に困った記憶はほとんどありませんでした。