犬の躾のスペシャリスト!犬訓練士の資格とは
子供の頃、親に「犬を飼って」とせがんですげなく断られて悔しい思いをしたことのある人も多い事でしょう。犬はただのペットではなく、子供にとっては兄弟分で、大人にとっては我が子というように家族として付き従ってくれる大事な存在なのです。
しかし、家族だからと可愛がるだけ可愛がって、肝心の躾を一切行わない人もいるし、どんなに頑張って躾しているのに犬の態度が悪いと困っている人もいるものです。
犬の躾・訓練を行う犬訓練士
このような、なかなか躾が身に付かない犬を預かって訓練してくれるのがドッグトレーナーという職業ですが、ドッグトレーナーとして活動するためには「犬訓練士(公認訓練士)」という資格が必要になります。
犬訓練士の資格は、公益社団法人・日本警察犬協会が試験を行っている民間資格ですが、警察犬の訓練という実施団体の性質上、事実上の公的資格になっているといえます。
犬訓練士の仕事は、警察犬や一般家庭で飼われている犬の躾・訓練を行う事です。民間で訓練された警察犬は「嘱託警察犬」という必要に応じて召集される非常勤の警察犬となりますが、その能力は警察に所属する「直轄警察犬」と大差はありません。
飼い主に躾けられない犬も躾ける
犬という生き物には、人に飼われると家庭内ヒエラルキーを作る性質があります。そのヒエラルキーは飼い主が常に一番上というわけではなく家族の反応を見て構成されるため、お母さんには従うけれどお父さんには従わない、本来の飼い主である子供は自分よりも下という事も良くあるものです。
動物にとってヒエラルキーは絶対の基準となるため、飼い主のヒエラルキーが低いとどんなに真剣に躾しようと犬が従ってくれないという事はよくあるものです。そのため、飼い犬を躾けられない家庭というのは意外に多いのです。
犬訓練士は、そうした躾が難しくなった犬の躾も行ってくれる、心強い存在なのです。
犬訓練士の資格取得には何が必要?
犬訓練士の資格は、三級訓練士・二級訓練士・一級訓練士・一級訓練士正・一級訓練士長の5段階に分かれており、資格試験を受けて三級訓練士になった後は経験と実績に応じて昇級していく仕組みになっています。
三級訓練士の受験資格は、「18歳以上の警察犬協会会員」「犬の訓練経験」そして「所定の訓練実績」の三つになっています。この「所定の訓練実績」というのは「警察犬協会が指定する訓練試験に自分が訓練した犬が2頭以上5科目以上合格している」ということで、訓練士としての実績を積んでいなければならないものとなっています。
その為、犬訓練士の資格を取るには民間の訓練士学校や訓練所で見習い訓練士として働くなど、経験と実績を積む必要があります。
犬訓練士の仕事は過酷?
犬訓練士として一人前になるためには、とにかく実務経験を積み重ねることが大事です。その為、犬が好きなだけでなく体力や精神力もある人でなければ勤まらないほどハードな仕事と言えます。
気になる人も多い収入面ですが、見習い訓練士時代は薄給になりがちです。その代り、住み込みで働くことになる訓練所が多いので食費・光熱費等の負担は小さいようです。
このように、犬訓練士の仕事はハードになりがちですが、犬が大好きだという人にとっては一考の価値がある資格と言えます。