心の病を治す手助けをする心理カウンセラー
心の病は、心の動きに症状が現れてくるため、周囲からは病気として認識されないことが多いもの。
家族が「心の動きが鈍るのは怠けているせいだ」と早合点して、病気の元にもなる人間関係に無理やり放り込まれて症状が悪化した、なんて話はよく耳にしてしまうものです。
このような周囲の無理解で病状を悪化させないためにも、なるべく早いうちに治療してしまわねばなりません。
心の病の治療の手助けになるのが心理カウンセラーという存在なのです。
心理カウンセラーの仕事
心理カウンセラーは、一見すると精神科医・心療内科医のような資格に見えますが似て非なるものです。
精神科医・心療内科医は、診察に訪れた患者がどんな病気を患っているかを判断して、病名と症状をカルテに記し、治療方針に従って薬の処方箋を作ったり、治療スケジュールを組み立てたりします。
心理カウンセラーは、患者が患っている病が何であるかを決めるのではなく、病が快方に向かうようクライアント(依頼人・相談者)の話を聞くように努めるのが仕事なのです。
つまり、厳密に言えば、心理カウンセラーの仕事は医療行為ではなく面談活動であるといえます。
カウンセリングで心の病気が良くなる理由
心の病気の原因は大雑把に言ってしまえば、「極度のストレス」です。
この場合のストレスとは「外的要因による精神的圧力」で、仕事関係や家族関係・人間関係といった、周囲の人と接することで発生する心痛のことです。
ストレスを溜めこまないタイプの人というのは、良く言えば明るい性格、はっきり言えばズケズケと言い返す、頭と口が直結している人で、周囲との関係に痛痒を感じないKYな人です。
逆に周囲に、気遣い出来る人は、言いたいことがあってもそれを口にすれば周囲との関係が悪化するから言えないし、言い返すこともしないのでストレスを溜めこんでしまうというわけです。
ストレスを溜めこむタイプの人は、どんなにうっぷんが溜まっていても、人のいる所で愚痴を吐けないし吐きたがらないものです。
しかし、カウンセリングでは守秘義務によって面談の内容が漏れないので、いくらでも愚痴が吐き放題になり、ストレスの発散が出来るというわけです。
心理カウンセラーになるためには?
心理カウンセラーになるためには何か資格が必要そうに見えますが、心理士や心理カウンセラーなどのいわゆる「心理職」には公的資格は存在していません。
心理カウンセラー資格は様々な民間団体が独自に民間資格を発行しているのですが、あくまでも民間資格なので、無資格で自称しても罪には問われないのです。
心理カウンセラーの民間資格は、専門学校に通って取得できるものもあれば、通信教育で取得できるもの、所定の料金を払えば取得できるものというように、信頼性の無い団体が発行しているものもあるのが問題点といえます。
そのため、心理職の公的資格を作ろうという動きがあるのです。
心理学を学ぶのは最低限の条件
このように、なろうと思えば誰でも今日から始められるくらいに、資格の信ぴょう性が無いのが心理カウンセラーであるといえます。
しかし、経験はともかく、専門知識が付け焼刃のカウンセラーは誰も信用しないことは言うまでもないことです。
最低でも大学で心理学を専攻していることは、心理カウンセラーとして活動するための条件であり資格であるといえます。