会社の信頼低下防止の大きな助けになる個人情報保護士
個人情報の扱いは、今や多くの企業や学校にとって頭を悩ませる問題となっています。卒業アルバムや連絡簿は教育にお金が掛かる子供がいる世帯リストとして活用されるし、顧客名簿はその会社を利用できるほどの収入があるリストとして利用する事が出来るため、悪意を持った人にとってはそれこそカモがネギ背負ってやってくるようなものです。
だからこそ、個人情報の保護には人一倍どころか十倍も気を使わなければならないのが現代における企業の義務なのです。個人情報保護に関連する個人情報保護士とはどのような資格なのでしょうか?
個人情報保護士とは?
個人情報保護士は、財団法人全日本情報学習振興協会が主催している民間資格で、個人情報の正しい扱い方・管理に対する理解力や実務上で個人情報保護を行うための知識や能力を備えている事を認定する資格です。
2005年からの個人情報保護法の施行に合わせて設立された資格で、まだ歴史は浅いのですが取り扱う個人情報の性質上、信用性は高い資格であるといえます。
試験では「個人情報保護の総論(200点)」「個人情報保護の対策(300点)」に関する問題が出題され、両科目80%以上の計400点以上で合格となります。
個人情報とは何か?
個人情報保護法が出来てから、窮屈なくらいに個人情報保護が叫ばれクラスに配布される連絡簿も無くなってしまったという学校も少なくありませんが、実際の「個人情報」の定義を正確に知っている人はそう多くないようです。
個人情報とは、「個人を特定する事が出来る、または組み合わせることで個人の特定につながる情報」の事です。例えば、氏名・住所・生年月日は個人の識別に大きく役立ちます。同姓同名で生年月日も一緒という人が居ても、性別・血液型・家族構成などを組み合わせれば個人の識別に繋がります。本の購入歴や図書貸し出し履歴は、その人がどのような分野に興味があるのかを示す手がかりにもなります。
個人情報保護の重要性とは?
企業が個人情報保護をしなければならない理由には、「漏えいした情報の悪用を防ぐ」という事と「情報漏えいが起こると会社の信用が失われる」という事と言えます。
「企業から顧客の個人情報が漏えいする」というのは、「顧客の大事な個人情報が簡単に漏れてしまうようなセキュリティ意識の欠如」「コンプライアンス精神(遵法精神)の欠如」とイコールであるといえます。
そして企業の経営というものは信用で成り立っているものです。取引相手は信用しているからこそ大切な個人情報を明らかにしてでも取引したいと思っているのです。しかし、心から信用していた会社が個人情報の取り扱いをおざなりにして、情報漏えいを起こしてしまったら取引相手はどうなるでしょうか?
直ちに取引を停止し商品・資本の引き上げを行って関係を断絶しようと考えるのが自然でしょう。
このように、個人情報保護は会社を左右するほどの重大事であり、個人情報保護士の資格者の需要は益々高まっていくものと思われます。