命にかかわる自動車旅行の注意点
札幌や函館など、一ヵ所の観光地を満喫するのではなく、いろいろな場所に行ってみたいと考えるのなら、車での移動は欠かせません。
しかし北海道では自動車同士の正面衝突の割合が多く、死者数も全国平均の2倍以上と極めて高い事をご存知ですか。
楽しい旅行を送る為にも、北海道で気を付けなければいけない運転マナーを紹介します。
スピードの出し過ぎに注意
郊外の道路は広く、信号機も無い一本道がずっと続いているような道があります
そのような道では、気付いたら制限速度を過剰にオーバーしていたなんて事はよく聞く話ですよね。
当然、スピードが高ければ、とっさの場合に事故を回避するのが難しくなりますし、致命的な状態になり易くなります。
周りのペースに巻き込まれず、追い越されたら「どうぞ、お先へ」というくらいの気持ちで運転しましょう。
ちなみに、そういった土地柄ですので、警察のマークもとても厳しいです。
法定速度は守りましょうね。
睡眠不足に気を付ける
単調な道が続くと、人間はどうしても眠くなってしまいます。
特に移動距離の長い北海道では、必然的に車を運転する時間も長くなりますので、疲れて居眠り運転などしないようにこまめな休憩をはさみましょう。
また同乗者も運転できるのであれば、定期的に運転を変わる。免許がないのであれば常に話しかける等、協力してあげましょう。
野生動物に交通ルールはない
年に数回は必ず「乗用車、シカと衝突」といった記事が新聞に載るのが北海道という場所です。
もちろん、必ず出会う訳ではありませんが、山間部を運転しているとそういった事故を起こす可能性がある事に注意しなければいけません。
特に、シカやクマなどの大型の動物にぶつかると車が大破するほどのダメージを受けてもおかしくはありませんし、良く見かけるキツネやタヌキも、あわててハンドルを切ってそのまま谷底へというケースもあるでしょう。
余裕を持った運転を心がけてください。
車上荒らしに注意する
非常に残念ですが車上荒らしの報告が後を絶ちません。
「貴重品は常に持ち歩く」
「車外から見える場所に荷物を置かない」
この二つは被害を減らすのに有効な手段ですので、常に意識しましょう。
ガソリンスタンドは見かけたら補給
ガソリンが少なくなってから補給するのでは間に合わない場合があります。
都市部を離れると、ガソリンスタンドは一気にその数を減らしますし、営業しているとも限りません。
またカーナビにはガソリンスタンドを探す機能もついていますが、その縮尺にも注意が必要になります。
北海道に来た瞬間、いつもと桁が違っていたなんて事のないように。
冬の北海道では、車に乗らない
可能であるなら、冬の北海道での移動は公共の交通機関に頼るのが無難でしょう。
しかしどうしても自分で運転する必要があるのなら、本州の常識は捨ててください。
車は寒冷地仕様ですか
ひどい場所では-20℃や-30℃を記録する場所があります。
そういった場所に全く寒冷地対策をしていない車を持ち込むと、ウォッシャー液でフロントガラスが一瞬で凍る。ヒーターが役に立たない。そもそもエンジンがかからないといったトラブルを起こすことがあります。
-30℃でヒーターが使えないなんて、凍死を覚悟するレベルですからね。
スタッドレスタイヤは準備していますか?
冬道を走るときはスタッドレスを履くのは常識です。
雪道を普通のタイヤで走ると、ちょっとハンドルを切るだけで映画並みに車が回転する事を、道民は経験で知っています。
だからと言って、スタッドレスタイヤを過信してはいけません。
「スタッドレスタイヤは滑るもの」というのは雪道を一度でも走ったことがあるドライバーにとっては常識ですから。
ブラックアイスバーンの恐怖
寒くない地域の方には耳慣れない言葉ではないでしょうか。
まずアイスバーンとは凍った路面の事を指します。これは非常に滑りやすく危険な状況だという事は分って頂けると思います。
しかし見た目には道路が氷で白く反射しますし、走ればタイヤが氷を砕く音が聞こえるので分かりやすいのが特徴でしょう。
しかしこの「ブラックアイスバーン」は、一見アスファルトが水で濡れているようにしか見えませんが、実際は路面の上を薄い氷が覆っている状態であり、目視で水か氷かを判断するのが非常に困難。
さらに、スタッドレスだろうがチェーンだろうが容赦なく滑るという厄介な特徴があります。
とくに信号待ちで前の車に追突する原因となりますので注意してください。
サングラスの必要性
車の重さで圧縮され、タイヤで磨かれた雪の路面は鏡のように太陽光を反射します。
スキーの経験者が雪焼けを起こすように、反射した太陽光にも紫外線が含まれ、目に入るとダメージを受けますので、UVカットの処理がされたサングラスを用意した方が望ましいでしょう。
安全運転で楽しい旅行を
車での移動は便利な反面、一歩間違うと取り返しのつかない状況に陥ってしまいます。
安全運転を心がけ、楽しい旅行を満喫してください。