10円玉くらいの紅くて痒い斑点…貨幣状湿疹の疑いあり!
体に10円玉くらいの紅い斑点ができてしまい、その部分が痒くて痒くて仕方がない。
こんな皮膚症状に心当たりがあったら、貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)にかかった疑いが強いです。
主な原因は肌の乾燥。引っ掻くとさらにリスクが増す
発症の主な原因は肌の乾燥です。
肌が乾燥するとバリア機能が弱くなり、外的刺激を受けたり細菌が侵入したりしやすくなるためです。
肌の乾燥に「爪で引っ掻くクセ」がプラスされると、さらに発症のリスクが増します。
肌に傷がついて、その傷口から細菌が侵入しやすくなるためです。
乾燥だけでなく、金属アレルギーや扁桃腺炎、歯周病菌の感染が引き金になることもあります。
紅い丘疹が少しずつ大きくなり、患部から体液が出る
貨幣状湿疹の症状は、体に小さな紅い丘疹ができるところからはじまります。
紅い丘疹は少しずつ大きくなって、硬貨のような円や楕円の形を成し、数もどんどん増えていきます。
紅斑は下肢、特にすねに生じやすいですが、人によっては腕や背中にまで拡大が及ぶ場合もあります。
紅斑は激しい痒みを伴うだけでなく、患部からじゅくじゅくとした体液が出てきて、かさぶたの発生→剥離を繰り返すためとても厄介です。
乾燥する秋や冬に症状が悪化する傾向がありますが、多くの場合は春や夏になると落ちつきます。
お年寄りや皮膚疾患を抱えている人は危険
貨幣状湿疹は、お年寄りが罹りやすいという特徴があります。
高齢者という条件に加えて、乾皮症(かんぴしょう)や皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)、アトピーなどの皮膚疾患を抱えていた場合は、さらに発症率が高くなります。
耐えがたい痒みにイライラする気持ちは分かりますが、決して患部を掻いてはいけません。
重症化して自家感作性皮膚炎(じかかんさせいひふえん)を引き起こしかねないからです。
自家感作性皮膚炎を発症すると、全身に紅斑が生じて、痒み症状がより一層酷くなってしまいます。
完全に治りきるまで、ステロイド薬を継続利用しよう
抗炎症効果のあるステロイド薬を患部に塗布することで、改善が期待できます。
効き目が強力ゆえに副作用を心配する方も多いですが、途中で使用を中止するのは好ましくありません。貨幣状湿疹は再発・慢性化しやすいという特徴がありますから、完全に治りきるまで継続利用することが大切です。
体質に合わない、どうしても抵抗を感じるという場合は、漢方薬を利用すると良いでしょう。
貨幣状湿疹に効果的とされているのは、桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)です。ネットや通販でも手に入れられますが、安全性を考えると漢方医に直接相談の上、処方してもらうのがベストです。
チョコレートやお酒など、刺激の強い食べ物は避けて
痒みや病状の悪化を防ぐためにも、刺激の強い食べ物は避けましょう。
カレー、唐辛子、チョコレート、アルコール類、添加物入りの加工食品などが例に挙げられます
毎日お風呂やシャワーを浴びて、肌の清潔を保つことも大切です。
ただし硬いタオルや垢すりでゴシゴシ擦ったり、洗浄力の強すぎる石鹸を使用したりしてはいけません。
赤ちゃんでも安心して使える弱酸性のボディソープなどを用いて、優しく洗うようにしてください。
もちろん汗まみれの下着や洋服を着用したままベッドに入る…なんて不潔な習慣もNGです。