肌をボロボロ、かゆかゆにしてしまう…乾癬はなぜ起こる?
肌の綺麗さは、顔立ちやボディラインと同じくらいにその人の美しさに大きく関わってくるものです。どんなに素晴らしい美貌やスタイルの持ち主であっても、肌が吹き出物だらけだったりすると幻滅してしまう事さえあるのです。
しかし、肌の汚さがその人の生活の乱れで発生したものであるのならまだしも、自分では関知しえない原因で起こったものであると話は違っていきます。
そういった肌のトラブルの主役となる乾癬(かんせん)とはどのような皮膚疾患なのでしょうか?
皮膚が次々に剥がれてしまう乾癬
乾癬とは、肌が赤くなり、肌の表面が瘡蓋状に白く固まってしまいボロボロと剥がれ落ちる皮膚疾患の一種です。乾癬が起こった肌は炎症が起こっているため、強い痒みや出血を伴う事があります。
また、関節部に乾癬が起こる事でリウマチのような関節痛や関節の破壊・変形が起こったり、膿疱が発生して皮膚がジュクジュクとした状態になったりする場合があります。
乾癬は皮膚の新生メカニズムに作用する疾患で、本来は45日周期で行われる皮膚の新生が5日程度で行われるようになった結果、新生したばかりの皮膚が瘡蓋状に剥がれ落ちてしまうのです。
乾癬は自己免疫疾患?
このように、乾癬を発症すると肌がボロボロになってしまい見た目が悪化してしまいます。
そして乾癬の原因はまだ特定されていないのですが、自己免疫疾患の一種ではないかと考えられています。
自己免疫疾患は、本来なら身体に侵入した細菌・ウィルスを駆逐する免疫機構が自分の身体を異物として攻撃する事で発生する疾患で、発症の原因などが分かってない事が多いのです。
乾癬は本来、白色人種に多いとされている疾患ですが最近は日本人でも多くみられるようになってきています。その為、食生活や遺伝性などが発症原因として考えられています。
「乾癬はうつる」という偏見
乾癬などの皮膚に起こる疾患について回るのが「近づくとうつる」という偏見です。実際、水イボや手足口病など、感染症として起こる皮膚病はありますが感染症ではない皮膚病・皮膚疾患にさえその偏見は付いて回るのです。
また、ヒゼンダニというダニの寄生によって発症する疥癬と乾癬が混同されることもこの偏見に拍車を掛けているといえます。疥癬は肌の腫れと痒みを伴う疾患で、乾癬とは全く違うという病気なのです。
乾癬を治すには?
自己免疫疾患の疑いがある乾癬の治療は、根治治療ではなく症状の軽快を狙った対症療法に落ち着きます。
基本的には炎症を抑える効果がある副腎皮質ステロイド剤やビタミンD3誘導外用剤の患部への塗布を行う外用療法、紫外線に反応しやすいソラレンを服用して患部に紫外線照射を照射する光線療法が疥癬の主な治療として行われています。
また、発症を抑制するために食生活を見直し肉類の摂取を控える、日光浴を行う、生活習慣を改善するといった方法も効果があるようです。