「脂肪注入法」ってどんな手術?
豊胸手術といえば、真っ先にシリコンを思い浮かべる人は多いはず。
胸部を切開し、シリコンジェルが入ったバッグを挿入するのが一般的だった豊胸手術ですが、体内でシリコンバッグが破裂する事例が相次いだことから、安全性が危ぶむ声がふえてきました。
そのような状況で、最近、注目を浴びつつあるのが、「脂肪注入法」という豊胸手術法です。
脂肪注入法では、まず、他の部位から自身の皮下脂肪を吸引し、取り出します。その後、再度、脂肪を胸に注入することで、胸のふくらみをアップさせるのです。
「脂肪注入法」の3つのメリット
自分の脂肪を吸引して使う「脂肪注入法」には、以下のような3つのメリットがあります。
安全性が高い
脂肪注入法は、人工の異物を体内に挿入するシリコンバッグ式と違って、自身から取り出した脂肪を使うため、安全性が高い豊胸手術だといえます。
採取した脂肪をそのまま注入する従来の方法では、不純物も一緒に注入されていたため、脂肪が定着せず、脂肪壊死や石灰化してしまうという問題が起きていましたが、最新の方法では、取り出した脂肪を洗浄・選別することで、定着率が高くなっています。
豊胸していることがバレにくい
胸部を切開してバッグを挿入するシリコンバッグ式に比べて、脂肪注入法では、注射器を使ってちょっとずつ脂肪を注入するため、傷跡が残らないのが特徴。また、感触や見た目が自然で、横たわった時の違和感もありません。
さらにうれしいのが、レントゲンに写らないということ。健康診断などの病院での検査や、空港でのX線検査で、豊胸がバレるということがないのです。
余計な脂肪を落とすことができる
自身の皮下脂肪を使う脂肪注入法では、当然のことながら体のどこかの部位から、脂肪吸引によって脂肪を取り出す必要があります。
脂肪は、お腹やお尻、太ももなどの、たいていの気になる部分からの吸引が可能。
豊胸手術を受けながら無駄な脂肪がなくなることから、大きな胸とスレンダーなボディラインを一度に手に入れることができるのです。
「脂肪注入法」のデメリット
好きな大きさが選べるシリコンバッグ式に比べて、脂肪注入式では、バストアップできるサイズはせいぜい1~1.5カップ程度と、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
脂肪注入法では、注入された脂肪の定着率は20~50%のため、残りの定着しなかった脂肪は吸収されてしまうことから、あまり大きなバストアップが期待できないのです。
また、一度にたくさんの脂肪を注入すると、きれいに分散できず、しこりや石灰化ができやすくなってしまうことから、大量に注入できないという理由もあります。
もし、脂肪注入法で胸を大きくしたいなら、メリットだけではなくデメリットもきちんと理解した上で、具体的に検討することをおすすめします。