高校のレベルは気にしないこと
筆者の出身校は偏差値50弱の県立高校でした。先日母校の進学実績を見たら、4年制大学に進学した学生の大半が中堅以下の私立大学でした。それは筆者が通っていた1990年代後半の頃とあまり変わっていません。
一方、同じ学区内のトップの県立高校の進学実績は、全体で平均した進学先はMARCHとのことです。これも筆者が高校生の頃とあまり変わりません。
後者の場合、進学校ということで、元々は国立大学や早慶を狙っていたけど、結果としてMARCHレベルの大学に落ち着いたということだと考えられます。筆者の出身大学である立教大学は、一般受験で入ってきた学生の9割近くが早慶上智を落ちて入学してきます。
他のMARCHの大学も似たような状況です。
筆者の出身校のような非進学校の進学実績で、中堅以下の大学が大半なのは、上位の大学に落ちたのではなくて受けないからです。このような学校に通う生徒は、高校のレベルで諦めてしまい、初めから有名大学を受けるという選択肢を持っていないのです。
だからこそ、しっかり基礎学力をつけてMARCHに狙いを定めれば、非進学校の生徒でも逆転合格は可能です。
「逆転合格」は、最近の受験業界の商売目当ての流行の言葉なので、あまり使いたくないのですが、逆転という大げさな表現よりは、本来、普通の学力があればMARCHには行けるのです。繰り返しになりますが、非進学校の生徒の場合、受けないだけなのです。
一つの教材にしぼること
予備校、塾では早慶クラスや各大学の対策講座、書店の学習参考書のコーナーに行けば、
早稲田や慶応の対策の問題集はたくさん目につきます。しかし、「早慶英語○○○」、「早稲田大学への日本史○○○」というような、持っているだけで周りに優越感に浸れるような教材をやる必要は一切ありません。各教科、基礎的でいいから、全範囲が網羅されている教材一つにしぼって勉強しましょう。
例えば、日本史や世界史だったら、インプット用の教材、アウト用の教材を1冊ずつ、英語だったら、長文対策に英文解釈の教材1冊、文法対策に文法の問題集1冊です。
その理由は、2つあります。
- 色々な教材に手を広げるよりも、1つのものにしぼって徹底的にやった方が効率的だから。
- 勉強が苦手な人は、たくさんの教材に手を広げても途中で挫折するだけ。
以下は筆者が浪人時代、予備校の講師から1冊を繰り返すアドバイスを受けた話です。
参考にしてみてください。
「No.3:【世界史攻略】アウトアップ用の問題集は一問一答型か?入試問題で構成された問題集か?」
プロ野球選手でも受験生でも情報が多いと混乱する
以前、プロ野球の元読売ジャイアンツの選手とたまたま一緒に飲んだことがありました。
彼の同期入団に鳴り物入りで入団したドラフト1位の打者がいましたが、読売ジャイアンツでは活躍することができませんでした。しかし、パ・リーグの某球団に移籍したら、大活躍をしたそうです。
なぜ、その選手は巨人では活躍できなかったのかと彼に尋ねたら、話題の鳴り物入りの選手ということで、自分が育てた!という実績がほしいために、コーチをはじめ色々な人が代わる代わる指導をしたそうです。
そのため、何を信じていいか分からなくなってしまい、鳴かず飛ばずだったのです。
これは受験でも同じです。
予備校、塾、教材を出版する出版社は基本的に民間企業です。慈善事業ではないので、魅力的な講座名やタイトルで授業を取らせたり、教材を買わせたりしようと、受験生を悪魔の誘惑に誘う傾向があります。
だから、タイトルに釣られて様々な参考書を買ってしまうと、受験生は消化不良を起こしてしまうのです。
また、WEB記事でも勉強方法の記事をたくさん目にしますが、全体的に推薦されている教材の数が多すぎる気がします。
ある記事では、英語0の知識で3ヵ月でMARCHレベルに持っていく方法で英語の教材が5冊紹介されていました。しかし、英語が苦手な人が5冊もやれる力があるわけないし、そもそも普通の生徒には3ヵ月でそのレベルに持っていくのは不可能です。
派手なことを書いて、アクセス数を増やそうとしているWEB記事も多いので注意が必要です。
1つの教材を浮気せず、入試当日まで何周もして限りなく100%に近い状態まで持っていったほうが、MARCHの合格証を手に入れる確率は高いできるでしょう。
中学時代の基礎をおろそかにしないこと
MARCHをはじめ、文系の私立大学の入試で課される3科目のうち、英語の配点が一番高いです。つまり、英語を制することが合格への近道となるので、3科目のうち一番時間をかける科目になります。
世界史や古文と違い、英語は高校から学ぶ科目ではありません。中学校(もしくは小学校)から学ぶ科目です。そのため、まず中学校レベルの英語を完璧にすることから始めます。
偏差値50以下の高校に通っている生徒は、中学レベルの英語がぐらついている可能性が非常に高いです。当然ですが、進学校に通っている生徒も、中学時代は常に成績は5段階で5、定期テストでは9割以上をコンスタントに取っていない限り、中学レベルの英語に欠陥がある可能性があります。
英語の勉強は、まず中学校の復習から始めましょう。
できれば高校に入学してから、コンスタントに英語を勉強するのが理想です。英語が苦手なら、高1の間は全て中学時代の復習に充てても良いと思います。高校の英語の授業も中学レベルがおろそかなら、理解度が低いはずです。テスト直前に丸暗記で点数をとっても、入試に耐えられる力はつきません。
そして、遅くとも高2の夏休みまでには中学レベルは完璧にしておきましょう。英語に関して、高3になった段階で中学レベルがぐらついていたり、大学入試問題の英文をある程度読めるようになっていたりしないと、非常に厳しいです。MARCHへの現役合格も無理だと思った方がよいでしょう。
さらに高校に入ったら、英語だけでも学校の授業についていけるようにしておきたいところです。教科書に出てきた単語、文法は貪欲に覚えていきましょう。英語の教師の授業が合わない、授業のレベルについていけなければ、とりあえずテストは丸暗記して赤点を取らない程度に切り抜け、中学レベルの復習を地道にやっていきましょう。
世界史受験の人は、「No.13:【世界史攻略】中学校の教科書は、大学受験の大切な基礎が詰まっている」をご参考ください。
「No.26:偏差値50以下の高校生がMARCHを突破する方法-その3」では、各科目の具体的な勉強方法を紹介します。
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