薬剤師の資格はどうすれば取れるの?
薬剤師の資格は厚生労働省が認定する国家資格で、正式には「薬剤師国家試験」といいます。
試験は毎年3月の上旬に実施され、3月末には合否が発表されます。
受験資格には薬剤師法第15条第1号の規定に基づく、「大学において6年制の薬学課程を修めて卒業した者(あるいは卒業見込みの者)」などが定められています。
また、試験はマークシート方式で、全4科目(基礎薬学/衛生薬学/薬事法規・制度/医療薬学)からの出題となります。
薬学部が6年制になってから初めて行われた2012年の試験の合格率は88.31%でした。
そのうち、6年制を卒業した新卒者の合格率は95.32%と、7年ぶりの9割越えとなりました。
薬剤師が転職に有利な3つの理由とは?
6年という長い時間をかけて薬の関する知識を学び、そして、「人の命を預かる」という重要な役割を担う薬剤師。
転職に有利といわれる理由は、その高い専門性だけではないようです。
働く場が増えている
一昔前まで、薬剤師の就職先といえば、製薬会社・病院・薬局などでした。
ところが、最近は、医師の処方箋を基に薬を調剤する調剤薬局や、ドラッグストアの増加により、薬剤師が働くフィールドが様変わりしたのです。
まずは、院内での薬の処方をしない病院が増えたことから、病院の近くには必ずといっていいほど、調剤薬局を見かけるようになりました。
また、利益率の低い食品や日用雑貨と利益率の高い医薬品を一緒に売ることで急成長を遂げているドラッグストアでは、パンやジュースを買うついでに薬を買う、といった今までにない新しいスタイルを確立しつつあるのです。
このように、薬と、薬を購入する人の距離が縮まったことにより、薬剤師が働く場が増えているのです。
景気の影響を受けにくい
不景気の強いといわれるのは、やはり医療系の職業です。
病気やけがは景気に関係ありませんよね。
景気が悪くなると、病院に行くのを控える人は増える傾向にあるといっても、さすがに、薬を飲まずに我慢するという訳にはいかないようです。
国民医療費における薬局調剤医療費は、ここ20年近くで8倍以上も増加しています。
院外調剤の増加や薬価単価の伸びなどが影響しているとはいえ、不景気にもかかわらず、私たちが調剤薬局で支払う金額が、これほどまでに増えているということは、ちょっとした驚きでもあります。
薬剤師不足による売り手市場
2009年を最後に、大学の薬学部の4年制が終了し、新たに6年制がスタートしました。
そのため、2009年に3年生だった学生が卒業したのが2012年3月。
その
間の2年間、新卒の薬剤師が誕生していなかったため、今まで経験がないほどの薬剤師不足に陥ったのです。
現在、他の学部の学生の就職難を尻目に、薬学部の学生の売り手市場となり、さらに、先にも述べた調剤薬局やドラッグストアの増加が、ますます薬剤師不足に拍車をかけています。
この薬剤師の売り手市場がいつまで続くのか、具体的な数字は見えていませんが、あと数年は続くだろうといわれていることから、転職するタイミングの見極めが重要となってきます。