本気で転職に有利な資格を考える
多くの人にとって、転職の問題点は年齢とキャリアにあるのではないでしょうか?
“若さ”が将来を有望視できるセールスポイントとなる20代の転職なら、今までとは畑違いの転職先を目指した資格取得も十分“あり”なのですが、ミドルクラスに突入する30代では企業が求める能力は主に“即戦力となるキャリア”へとシフトしていくため、転職活動の内容も徐々に限定されていくようになります。
それまでの実務経験を売り込める転職先ならば、即戦力となりうる年齢相応の経験に更なるキャリアアップを図れる資格を取得すると、“末頼もしさ”を付加し更に安心して仕事を任せられるようなイメージを持たせる事が出来ます。
しかし、昨今の雇用状況では、うまい具合にそれまでのキャリアを活かせる希望職種への転職が叶うケースは決して多くはないのが実情です。
そういったなか、武器となる何の資格も持たない転職活動は、無謀であると言えます。
一般的にはミドルクラス以上の未経験分野の資格取得は無駄であるように捉えられていることもありますが、資格の選び方次第では年齢のハンデがあっても転職に有利に働かせることが可能になるのです。
業種を問わず、しかも持っているだけで有利な資格?!
“持っているだけで有利な資格”は、たとえそれまでが一般の主婦だったとしても、確かな職種に就くことは可能にさせます。
“持っているだけで有利な資格”とは言っても、もちろんそれは、資格を活かした転職活動ありきの話です。
緻密な計画を練った転職活動が伴うことで、そんな現代の下剋上も夢ではない、職種を選ばず企業に重宝される資格はあるのです。
宅地建物取引主任者
毎年、学生や主婦なども含め幅広い方面で多くの受験者が出る超人気にして最大規模の国家資格で、その受験者数の多さは“不動産景気を反映するバロメータ”とも言われています。
そこまで受験者数が多い理由は、宅建の必要性が不動産業だけにとどまらないことが挙げられます。
そしてもう一つの要因としては、試験を受けるためのハードルである“受験資格”がないこと。
そういった要因から、宅地建物取引主任者の合格率は毎年15~17%台を推移しており、必要以上に難しい印象を受けることもありますが、難易度的にはシッカリとした自己管理と計画性を持って勉強を進めて行くことで、働きながらの資格取得も十分可能であると言えます。
宅建の実用性
宅地建物取引業法だけではなく民法や金融・税に関する法令など不動産に関わる法律全般の知識を有する宅建資格は、不動産業には必須とも言える資格です。
宅地建物取引業者では、事務所などの規模やその業務内容を考慮し専任取引主任者を置かなければならないと定められていて、その数の割合も事務所の場合で従業員の5人に1人、モデルルームなど事務所以外の場所では1人以上とされています。
宅地建物に関係する法律全般を扱う宅建資格のニーズは各業界に及び、時には不動産を信託財産とする金融商品を扱う金融業などでも重宝されるために、転職・失業の時には非常に有利な王道資格と言えます。
ビジネス実務法務検定試験
東京商工会議所が主催するビジネス実務法務検定試験は、1998年創設のまだまだ比較的新しい民間資格ですが、コンプライアンス・法令遵守能力の基礎となる知財・労務・個人情報関連・海外法務などの実践的な法律の知識が範囲となっていて、企業の存続に致命的となる不正・不祥事の発生を未然に防止したい各企業から注目を集める資格です。
ビジネス実務法務検定(ビジ検)の実用性
ビジネス実務法務検定(ビジ検)が目的としている知識でもある“コンプライアンス”とは「企業が法律などの基本的なルールに則って活動すること」で、企業コンプライアンスとかビジネスコンプライアンスなどとも呼ばれます。
コンプライアンスという単語自体は“従順”や“遵守”を指す言葉ですが、昨今の企業活動においては法令遵守という意味で捉えられていることも多く、企業における社会的責任の履行と並行して重要視されています。
企業には消費者や取引先の企業などいろいろな利害関係のある人々が関っていて、企業はこれらを無視し、まかり通ることはできません。
不祥事が発生してしまうと、損害賠償などの民事責任や刑事責任だけではなく、社会的な信用も失ってしまうという、企業にとって重大な痛手を負うことになります。
不正や不祥事を防ぐために法律に則ったコンプライアンスの知識は、企業に必須であるとして、業種を問わず様々な企業が着目しています。