ハワイのアイス・スイーツ事情
さんさんと降りそそぐ力強い太陽に惹かれて、ビーチで長居してしまった私。風が気持ちよく、居心地の良い時間でしたが、夜になると日焼けがヒリヒリ。身体が内側から火照ってしまい、寝るに寝られない状態に。身体を落ち着かせるべく、以前から気になっていたアイスクリーム店へ足を運びました。
ここハワイでは、ひんやりとしたスイーツの選択肢がとても豊富。
シェーブアイスとよばれるカキ氷、雪見だいふくのようなモチ・アイス、ヨーグルトの酸味が爽やかなフローズン・ヨーグルトなど。挙げはじめると尽きません。
ハワイといえば「カキ氷」がメジャーだけれど
それらのアイス・スイーツの中で最もポピュラーなものはずばり、カキ氷「シェーブアイス」。オアフ島には、有名人や歌手がこぞって訪れる有名店も点在。ショピングモールや街角でもシェーブアイスの屋台を見かけることがあります。
なかには1日1000個以上のカキ氷を売ってしまう超人気店もあるのだとか。観光ガイドで必ず目にするほど、メジャーな存在です。熱帯に位置するハワイ。乳製品を原料とした濃厚なアイスクリームよりも、氷にシロップをかけて食べるシンプルなスタイルが合っているのかもしれません。
深夜なのに大行列!ロコが集まる秘密とは?
ワイキキから車で約15分。ホノルルの東端に位置する、グルメな飲食店が多いカイムキ・エリアの一角にVia Gelato(ヴィア・ジェラート)はあります。同店はジェラートを専門に扱う、ハワイでは珍しい存在。夜10時という遅い時間に訪れた私を迎えたのは、ずらっと店内へ続く行列。
時間も時間。こんな夜遅くにジェラートを求める人がいるはずはない。そうか、何かイベントが催されるのか!と思って前の大学生グループに聞くと、「よく食後に来るけど、いつもこのくらい並ぶよ」という答え。
ハワイ産の素材にこだわったジェラート作りをするヴィア・ジェラート。その味には定評があり、ロコ(現地に住む人)の間で人気のお店だと聞いていました。しかし、まさか夜になっても行列が続いているとは・・・大学生のグループや、食後のデザートを買いに来たであろう家族連れの中に混じって並ぶこと数分、ようやく店内へ。
ジェラートは、乳製品を使ったアイスクリーム
シャーベットと混同されることが多いジェラート。ジェラートは、乳製品を使ったイタリア式のアイスクリームです。大きな違いは、空気を混ぜ込みながら作っている点。そのため、軽い口当たりが特徴です。
思わず「ほっ」としてしまう、ぬくもり空間
清潔感を感じる開放的な窓から店内をのぞくと、木をふんだんに用いた落ち着いた空間。水色のペンキで塗られた椅子がアクセントなのですが、その椅子にはちょっとしたお店の秘密が。背の部分に名前が書かれていて、聞くところによると、この名前の主は開業資金を援助してくれた人たちなのだとか。
オーナーのメリッサさんはハワイで生まれ育った女性。ジェラートへ思いを寄せて、ニューヨークやイタリアに住んだそう。彼女は様々な経験を経て、地元ハワイの素材の持つ可能性に気づいたのだとか。
ハワイへ戻ったメリッサさんは、ハワイ島で収穫されるマカデミアナッツや裏庭に生えるパッションフルーツを利用したジェラート作りを開始。
当初はトラックを改造した屋台で移動販売をしていました。
次第にそのユニークな存在がハワイの人たちに認知され、人気が高まったので店舗を構えることに至ったのだとか。その際にサポーターになってくれたのが地元ハワイの人たち。ぬくもりのあるエピソードですね。
どんなフレーバーがあるのかは来店してからのお楽しみ
そんな心温まるエピソードを持つヴィア・ジェラート。提供しているのは16種類の手作りジェラート。そしてコーヒー。
リリコイ(ハワイ語:パッションフルーツ)やグリーンティー、ミルクといった定番のフレーバー以外は日替わり。黒ゴマ・ココナッツ味をはじめとしたユニークなフレーバーもあり、どんな味が楽しめるかは来店してからのお楽しみ。なんだかワクワクしてしまいますね!
サイズは4種類
サイズは4種類。それぞれKeiki(ケイキ)$3.00、Small(スモール)$3.50、(Medium)ミディアム$4.00、(Large)ラージ$4.50。
いずれも、カップとコーンが選べます。
ハワイ産の素材ならではの、落ち着いた味が素敵
フレーバーに用いられる材料だけでなく、基本の材料である牛乳にもこだわりが。フレッシュな、ハワイ産の素材のみを使用しています。牧場というと北海道など寒い地域をイメージしてしまいますが、ハワイにも牧場があるのですね。
この日のショーケースも色とりどり、多彩なフレーバーでにぎやか。どれも美味しそうで、ショーケースの前でぐずぐずしていると、店員さんが笑顔で「迷っちゃうわよね。どれもおいしいから。」とテイスティングを提案してくれました。
店員さんの優しさもヴィア・ジェラートの特長。
何種類かを食べ比べ、ようやく決心がついた私。グリーンティーとグアバのミックスをいただきました。ハワイの温暖な気候で育ったグアバと日本の文化からやってきたグリーンティー。
粘り気があるような見た目とは裏腹に、キメが細かく、ふんわりと軽い食感。グアバとグリーンティーどちらもあっさりとした口当たりで、乳製品特有のしつこさはゼロ。地元の素材をふんだんに用いているからなのか、味のバランスがよくとれていました。
火照った身体にすーっと染み込んでいくジェラート。どのフレーバーもハワイの気候にマッチする、落ち着いた味わい。「もうひとつ!」と言いたくなってしまうような、素敵なお店でした。
ロコ風!アクセスガイド
夜遅くにも関わらず、ジェラートの味を求めるロコたちが行列をつくるヴィア・ジェラート。生活の足である「The BUS」(公共のバス)を利用し、地元の目線で味わってみてはいかが。
ホテル群のあるワイキキ付近を通る9番系統のバスに乗車。20分ほどバスに揺られ、アラモアナ・ショッピングセンターから数えて18番目の「Waialae Ave + Koko Head Ave」停留所で下車、徒歩1分です。
※私は深夜に訪れましたが、付近は人通りが少なく、街灯も暗い一角なので、昼間に訪れることをお勧めします。
「ハワイ」を味わいに行ってみては?
オーナーのメリッサさんがハワイの素材にこめた思いや、お店を構えるに至った経緯はハワイらしいエピソードと言えるかもしれません。心温まる話を思い出しながら軽やかなジェラートを口にすると、私もハワイのコミュニティーの一員になった気がしました。
雰囲気、味ともに最高のジェラート店。「ハワイ」を味わいにヴィア・ジェラートに足を向けてみてはいかが?
店舗情報
営業時間:日曜日~木曜日 11:00~22:00、金曜日・土曜日 11:00~23:00
住所:1142 12th Ave, Kaimuki, Hawaii
Webサイト:http://viagelatohawaii.com/