冷えと眠りの深い関係
体温の変化と眠気の関係
冷え性と睡眠の深い関係は、冷え性の原因として何度も耳にする「体温調節機能」の中にあります。体温は日中の活動時間に上昇していきます。夕方から夜にかけて体温の上昇がピークに達すると、その溜まった熱(=深部体温)は、翌日の早朝にかけて身体の外部へと放出され、体温は下がっていきます。
熱が放出される際、私たちの身体は手・足先などの末端部の血管まで広げて、流れる血量を増やします。そうすることで、深部に溜まった熱は運ばれ、外部へと放出することができるのです。
この深部体温の放出・下降によって、私たちは眠気を感じます。眠くなると手先があたたかくなるのも、こうした仕組みによります。しかし、冷え性、あるいは不眠症の方はこうした体温の変化がうまくいっていません。自律神経
また冷え性の原因としてよくあげられる自律神経の乱れにも、不眠の原因があります。私たちの身体は体温の変化に応じて、活動状態に優位に働く「交感神経」から、リラックスした状態に優位に働く「副交感神経」へと移行することで、深い眠りにつくことができています。
そのため、身体はリラックスした状態になりづらく、つまり副交感神経が優位に働くことができず、寝つきが悪くなったり、眠りが浅かったり、夜中に何度も目を覚ましたりしてしまうのです。
夕方から始める改善フロー
これまでの文章から、冷え性の改善はそっくりそのまま快適な睡眠につながる、ということを理解していただけましたでしょうか。これから紹介する夕方からでもできる改善策は、冷え性で悩む方、そして不眠症で悩む方、またその両方で悩む方にぜひとも実践してほしいものです。
帰宅時にできるささやかな運動
身体の筋肉のうち、70%は下半身にあります。しかし、適度な運動をしていないと、脂肪ばかりがついてしまいます。脂肪は基本的に冷たいもので、身体を冷やしてしまうのです。
帰宅後の食事をちょっと気にしてみる
食べ物には、身体をあたためるもの(陽性食品)、それから冷やすもの(陰性食品)があります。ここでは身体を冷やす食べ物(陰性食品)の食べ方について少し付け加えておきます。というのも陰性食品だからといって、冷え性に悩む人は食べてはいけないということではないのです。また、「よく噛むこと」も重要です。噛むことは、消化を促し熱を生み出すだけでなく、あごの筋肉の運動で熱が作られ、胃腸の働きを活発にするのです。またこの「噛むこと」は、冷えや睡眠不足の解消にとどまらず、ダイエットにもつながるものです。ですから、太ってお悩みの方は、いま一度自分の食事中の様子を思い出し、反省してみてください。こうしたちょっとした手間ヒマが冷えや眠りを改善するかもしれないのです。
快眠はお風呂の入り方で決まる!
私たちの身体は、お湯が熱すぎると交感神経が刺激され、眠気が減ってしまいます。そこで、38〜40度程度のぬるま湯にゆっくり時間をかけて入ることが大切です。正直、これは他のwebサイトでも書いてあることだとは思います。しかし、それくらい重要だということです。
ただ、それだけでは効果がなかった、という人もいるでしょう。そんな方にアドバイスがあります。また、アロマを使うのもおすすめです。加温効果があるアロマオイルとしてあげられるのは、ジンジャーやラベンダーなどのアロマオイルです。ジンジャーは知っている方が多いのではないでしょうか。
それから、リンデンなどの保温の効果のあるものや、ローズマリーなどの血液循環を促進させるものなど、人によって使い方や組み合わせを変えることで、冷えを改善できるかもしれません。また何よりも、日々たくさんの香りに囲まれながらの入浴でリラックスできるかもしれませんね。
いざ、冷えと不眠を解消しよう
睡眠時は体温が下がることで、眠りが深くなります。ですから、いくら寒いからといって暖房や電気毛布などのつけっ放しは、うまく体温が下がらないため、良質な眠りが得られません。
ということは、足元をあたためるためには、その反対をすれば良いわけです。つまり、足を締め付けないものを履けばいいのです。素材は、なるべく綿、羽毛といった汗を吸収、発散できるものを選ぶと良いでしょう。実際、こうした安眠ソックスや冷え対策の靴下などは手軽なお値段で販売されています。一度試してみるのも良いかもしれませんね。