関西近郊でサイクリングを楽しもう
あなたは関西といえばどんな場所を思い浮かべますか?大阪の心斎橋、京都の清水寺、滋賀の琵琶湖など、関西には街や仏閣や自然にも個性的な魅力があるのが特徴的です。
京都の歴史と自然の息吹を感じよう
京都と言えば、寺!神社!というイメージが強いかと思いますが、京都の魅力はそれだけではありません。
京都市内の街を走る
以前、京都市の景観条例により様々なお店の看板が取り外されるというニュースが全国で流れました。それだけ京都は景観というのを重んじています。
派手なビルや看板も魅力的といえば魅力的ですが、京都の街並みにはどこまでも素朴な美しさがあると私は思います。
京都駅からスタート! ハイカラコース(京都駅→烏丸通り北上)
京都=古い街という概念を打ち崩すのがこのコースです。京都の中でももっともモダンな空気を持っているのが烏丸通りです。京都駅から北へ伸びている烏丸通りは、たくさんの会社や商業施設が建ち並び近代的な空気を味わうことができます。
特に三条、四条周辺は京都のアミューズメントの中心地です。三条あたりで引き返すのであれば、京都駅からの往復距離は5kmほどです。京都駅周辺にはレンタサイクル屋さんがたくさんあるので、遠くから来られる方も安心ですね。
ザ・観光名所を周る歴史コース
(清水寺→八坂神社→知恩院→平安神宮→吉田神社→下鴨神社)清水寺から出発して東大路通を北上すると、スサノオが祀られている八坂神社、法然ゆかりの地である知恩院、平安遷都の記念して作られた平安神宮、節分祭で有名な吉田神社、さざれ石が祀られている下鴨神社を効率よく回ることができます。
非常にシンプルなコースなので、京都の観光名所を巡りたいという人にオススメです。
のんびり走りたい鴨川縦断(七条→出町柳)
鴨川の河川敷に整備されている歩道兼サイクリングロードを走るコースです。 河川敷といってもしっかり整備されているので初心者でも安心です。鴨川沿いでは、楽器を演奏している人やスポーツを楽しむ人、ひたすら黄昏ている人など、自由な雰囲気が漂います。 また、意外と多種多様な生き物が生息しており、暑い時期には鹿がいることもあります。
三条通まで北上すると様々な喫茶店や食べ物屋さんがあるので、エネルギーチャージして、ひと休みするのがオススメです。目的地点の出町柳には、常に行列ができるほどの和菓子の有名店、「出町ふたば」があります。
賀茂川と高野川の合流地点にできた三角州・鴨川デルタで休憩がてら食べるふたばの和菓子は最高です。七条通から出町柳までは約5km。もの足りないという人は出町柳から二手に分かれている賀茂川・高野側のどちらかを選んでさらに北上することもできます。
賀茂川側に進むと植物園や京都府立総合資料館などの文化施設にたどり着きます。高野側沿いに進むと、一乗寺のラーメン街や芸大やおしゃれカフェが建ち並ぶ北白川通に抜けることが可能です。
サイクリストに評判の桂川サイクリングロード
桂川サイクリングロード(正式名称・京都八幡木津自転車道)は、京都の嵐山から大阪の木津へと続く約45kmのサイクリングロードです。これまで紹介したコースと違い、このコースは周りにお店などがほとんどありません。水分や食料は事前に用意しておきましょう。
距離は全長45kmと、初心者には少し辛い長さです。手軽に観光も兼ねてサイクリングしたいという方には、京都駅もしくは桂駅から桂川サイクリングロードに入り、渡月橋や竹林の道で有名な嵐山を目的地するのがオススメです。その場合は片道約10kmになります。
また、桂川は氾濫の多い川として知られています。雨の日のサイクリングは控えた方がよさそうです。
レンタサイクルで巡る天橋立
古都に数多くある観光名所のなかで、どうしても隠れがちになってしまうのが天橋立です。京都府宮津市の宮津湾と内海の阿蘇海を南北に隔てる砂州で、日本三大百景の一つにも選ばれています。
もっともメジャーなサイクリングコースは、天橋立桟橋で自転車を借りて、一の宮桟橋で乗り捨てるコースです。料金は2時間で400円。一ノ宮桟橋で自転車を返した後は、ケーブルカーで上に登り展望台から天橋立を眺めるというのが定番です。
帰りはフェリーが出ていますので、のんびりと天橋立駅まで戻ることができます。一ノ宮桟橋でもう一度自転車を借りて、天橋立桟橋まで自力で漕いで帰る方法も可能です。
近代都市とのどかな風景 大阪を走る
関西圏以外の人は大阪といえば、通天閣やグリコの看板を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、最近の大阪はウメキタ開発により近代的な建物や街並みの色も強くなっており色んな魅力があります。
キタ大阪
大阪といえば派手なイメージが強いですが、キタ大阪は閑静な住宅街やオフィス街が広がり静かで落ち着いた場所が多いです。
開発真っ只中の梅田界隈
大阪市は北と南で文化も景観も大きく異なります。先ほど紹介したウメキタ開発というのは、北大阪にある梅田の開発のことであり、近年高層ビルや道路整備が頻繁に行われ、今や大都会といっても遜色のない景観になっています。
ショッピングモールに観覧車がはまっていたり、凸凹の凹の字を逆さにしたような奇想天外な建物があったりと梅田はとても前衛的な街です。しかし梅田に渋滞はつきもの、駐車場もあまりなく徒歩で周るには広すぎます。そこで活躍するのが自転車というわけです。
凹を逆さにした建物の名称はスカイビルといい、梅田の繁華街からは少し離れた場所にあります。しかし自転車ならすぐなので、スタイリッシュな梅田のビル街の景色を楽しみながら走ってみてもいいですね。
レトロな建物と自然豊かな街並み 北大阪サイクルライン
北大阪の魅力はそれだけではありません。北大阪サイクルラインは大阪市役所から万博記念公園までをつなぐサイクリングコースです。梅田とは打って変わってレトロな建物や自然豊かな街並みが特徴です。
このコースの特徴は、橋を渡る機会がたくさんあることです。橋といってもアニメに出てくるようなボロボロの木の板で出来たものではなく、しっかりとした大きな橋です。自転車で軽快に渡るととても気持ちが良いのではないでしょうか。距離は約20km。
20kmはちょっときついという方は、目的地を途中にある淀川河川公園にされることをおすすめします。こちらだと距離は片道約6km程度です。
ミナミ大阪
いかにも大阪という感じの建物や街並みが多いのがミナミ大阪。キタ大阪とはまた違った空気感を味わうことができます。
古墳に寄り道 南河内サイクルライン
南河内は、大和川にかかる大正橋から河内長野市原町までのサイクリングコースです。近くには応神天皇陵をはじめとする古墳群が数多くあり、ちょっと寄り道して歴史に触れるのもいいですね。距離は20km。
距離を短くしたい場合は、大正橋から応神天皇陵あたりで引き返すと片道約5kmに短縮できます。
淀川を走る
淀川は琵琶湖から大阪湾にまで繋がる一級河川です。大阪の水道水はここから汲み取られており、大阪人の生活に大きな影響を与えています。
なにわ自転車道
なにわ自転車道は、赤川仮橋から出来島駅にかけての約20kmのサイクリングロードです。なにわという名前から浪速区を連想して、南大阪にあるのかな?と思われるかもしれませんが、実際には北大阪の淀川と神崎川に沿ったサイクリングロードです。
景色としては、延々と川沿いののどかな風景が続くので都会の喧騒にはもう飽き飽きだというときにおすすめです。20kmは長すぎるという人は、赤川仮橋から淀川の堤防までを目指し神崎川沿いの道に入らずに終わるという方法もあります。こちらでしたら片道約5km程度です。
真の水都 滋賀県で、水辺のサイクリング
近年はリゾート地としての開発も進んでいる滋賀県。滋賀県といえばやはり琵琶湖ですよね。生きているうちに琵琶湖を一周してみたいという自転車乗りの方も多いのではないでしょうか。
定番琵琶湖一周にチャレンジしてみる?
琵琶湖でサイクリングといっても一周の距離は約200km。私のいままでの最高走行距離は160kmで、それでも体が壊れるほどの疲労を感じたくらいなので200kmというのは尋常じゃない長さです。よほどの上級者でない限り、一周するのであれば一泊をオススメします。
200kmはちょっと・・・という方は、琵琶湖大橋から北半分を回るルートはいかがでしょうか。これなら約150kmと、一周に比べたらかなり楽になります。 150kmもきついという方は、琵琶湖大橋から南半分を回るルートがおすすめです。こちらは約50kmで、初心者の方でも挑戦しやすい距離になっています。
琵琶湖一周を最終目標として、最初は南半分、次に北半分、最後に一周というステップをふむのも良いですね。
美しい景観が魅力的な瀬田川
琵琶湖ばかりがクローズアップされがちですが、瀬田川も負けてはいません。 瀬田川なんて聞いたことないという方もおられると思いますが、琵琶湖の下の方からちょろちょろと出ている川です。 私は初めてこの瀬田川を観たとき、滋賀県こそが本当の水都だなと感じました。
というのも、河川敷が整備されていて景観がとても綺麗なんです。京都、大阪、神戸と関西には水に恵まれた都市が数多くありますが、私は瀬田川が一番綺麗だなと思っています。
おすすめは石山駅から瀬田川へ行き、石山寺駅まで走るコースです。距離は2kmと大変短いので、何度も往復してみても良いですね。邪道かもしれませんが、自転車を押しながらゆっくり歩くのも気持ちが良いのではないかと思います。
実は自然いっぱいサイクリング向きの兵庫県
兵庫県といえば海に面したオシャレな街というイメージが強いですが、兵庫県の大部分は自然に包まれています。自然といえばサイクリングです。
悠々と走る武庫川サイクリングロード
武庫川サイクリングロードは武庫川沿いに作られた約7kmにおよぶサイクリングロードです。関西以外の人には、甲子園球場の近くといったほうがピンとくるかもしれません。このロードは幅が広いのが特徴的なので、悠々とサイクリングを楽しむことができます。
ただ一つ注意しなければいけないのが、通学路や散歩のスポットとしても使われているということです。サイクリングロードにしては人通りが多いので、スピードの出し過ぎには注意しましょう。
海を見ながら浜の散歩道サイクリングコース
浜の散歩道サイクリングコースとは、兵庫県明石市の海沿いに作られた8kmにおよぶコースです。関西では海沿いのコースは珍しいので海好きの方には必見です。
路線バスで行く越知川名水街道自転車下り
兵庫県神河町にある自然に囲まれたサイクリングロードです。市街地から離れた場所にあるので、路線バスに自前の自転車を乗せて輪行するか現地でレンタルをするかというのが一般的です。
路線バスに自転車を入れていいの?と思われるでしょうが、越知川名水街道自転車下りは有名なサイクリングロードです。バス会社が禁止にしているということはないようです。あくまでも輪行用の自転車のみ、となります。
このコースの特徴は、下り道がずっと続くことです。下りあればいつか上り道があるのではと思ってしまいますが、バスで最初に上ってから下るので安心です。距離は約20kmと少々長めですが、下るだけなので普通の20kmとの疲労の差は段違いだと思います。
ただこのコースは他のコースと違って事前に申し込みが必要となっています。 レンタサイクルも同じく申し込みが必要なのでご注意ください。
神戸の街から自転車で神戸空港へ
神戸空港は兵庫県神戸市にある海上空港ですが、神戸の街と空港を結ぶ橋をサイクリングできるということご存知でしたか?神戸空港連絡橋である神戸スカイブリッジは、実は隠れたサイクリングスポットなのです。
距離は約1km。 晴れた日に広大な海を眺めるのもよし、夜に三ノ宮の夜景を見ながら走るのもおすすめです。神戸空港内にはカフェもあり、飛行機搭乗者でなくとも入ることができるので休憩場所としても使うことができます。
関西には魅力溢れるサイクリングロードが盛りだくさん
今回は関西のサイクリングロードをご紹介しました。関西在住の方はもちろん、関西以外の方でもぜひ輪行やレンタサイクルで観光がてらサイクリングしてみてはいかがでしょうか。