日本語教師に資格は必要ない
2013年の段階では、日本語教師となる為の資格はなく、誰でも教師となって働く事は可能です。
しかし、求人を検索すると、募集条件が『有資格者』となっている事に気が付く事でしょう。
では、本来は必要が無いはずの『資格』とは、どのようなものがあるのでしょう。
日本語教師に必要な3つの条件
日本語教師の仕事は、アジアを中心としてロシアやエクアドルなど、広く募集されています。
そんな中で、共通する条件として、以下の3つが上げられています。
- 大学で日本語教育課程を主専攻、もしくは副専攻し修了した者。
- 日本語教師養成講座を420時間履修した者
- 日本語教育能力検定を合格した者
就職先によって違いはありますが、これらの内、最低1つは条件となっています。
また、海外で働く場合は、「現地の言葉で日常会話ができる事」も条件に含まれる事が多いようです。
なぜ日本語教師に資格が無いのか?
日本語教師を国家資格として免許制にした場合、海外青年協力隊や国際親善交流の一環としてボランティアを行っている方たちが、日本語を現地の人に教える事ができないという事態が想定できます。
そういったボランティアの活動を妨害しないという理由もあり、国家資格とする事は見送られています。
日本語教育能力検定とは
日本語教育能力検定試験とは、日本語教育の専門家としての実力を測定する試験。
「日本国際教育支援協会」が主催し、「日本語教育学会」が認定する民間の資格です。
この試験を合格する事で日本語教師の『有資格者』と認められますが、国家資格でも公的試験でもないので「教員免許」やそれに類する免許にはなりません。
受験日は10月の年1回。
2012年の合格率は22.9%。平均合格率19%。
ちなみに合格ラインは発表されていませんが、70~75%と言われています。
試験内容と出題範囲
試験は3ブロックに分けられ、マークシート方式で解答。一部の問題のみが記述式となっています。
出題範囲は、社会や言語、心理といった5区分に分けられ、基礎項目だけでも45項目と幅広い知識が必要。
『日本語教師』と『国語教師』の違い
日本語教師と国語教師。ともに生徒に日本語を教える事に間違いはありませんが、そこには大きな差があるようです。
・日本語教師には教員免許はありません。
その為、学校教員として働く事は出来ません。
・生徒は第二言語として日本語を覚えたい人になります。
国語としての文法の違いや、生徒の目的(学習レベル)などに合わせた授業が必要になります。
また、特に海外では日本語を日本語で教えるのではなく、日本語を相手の母国語で教える事が多いでしょう。
仕事にやりがいを求める人におすすめの職業
2001年から2011年の10年間で、常勤講師は約1.65倍に増えていますが、ほとんどが非常勤講師かボランティアというのが現状です。
お金の為や、安定性を求めて日本語教師を目指す事はおすすめできません。
しかし、それでも多くの人が日本語教師として働き、毎年5000人が教師を目指すのはそこにやりがいを感じているからではないでしょうか。
誰かの手助けをしたい、成長を近くで見届けたいという思いを持って働く人には日本語教師はおすすめできる仕事です。