フランス語能力を測る歴史ある資格
Photo by Paul Martin
実用フランス語技能検定、通称「仏検」は、文部科学省及び在日フランス大使館文化部の後援を受け、1981年に開始された、30年の歴史を誇るフランス語の資格です。
受けられる級位数は、初心者レベルからトップレベルまで7段階あり、1級レベルになると、フランス実地をはじめとした、海外でのビジネスに活用できるレベルになります。
また、ビジネス以外にもフランスへの旅行や、フランスの文化を知るためにも役立つ資格ですので、多くの人達、特に女性の方に人気の資格となっています。
今回は、この仏検の試験について紹介します。
仏検試験について
試験はマークシート式を基本としますが、準1級からは記述式がメインになってきます。3級までは日常的な内容が中心で、比較的簡単な内容となりますが、準2級からは書き取り+面接のスピーキングがテスト内容に加わり、準1級・1級は意見討論になります。
併願受験として、隣接する2つの級の受験は可能ですが、1級と2級(6月)、準1級と2級(11月)の同時受験はできません。
受験資格 | 誰でも受験可能 |
---|---|
受験料 | 1級 ・・・ 11,000円 準1級 ・・・ 9,000円 2級 ・・・ 7,000円 準2級 ・・・ 6,000円 3級 ・・・ 5,000円 4級 ・・・ 4,000円 5級 ・・・ 3,000円 |
試験会場 | 【一次試験】 札幌・弘前・森岡・仙台・秋田・福島・群馬・草加・千葉・東京・横浜・金沢・甲府・松本・岐阜・静岡・三島・名古屋・京都・大阪・奈良・鳥取・岡山・広島・福岡・長崎 ※1級実施せず 水戸・新潟・松江・高松・松山・別府 ※2級実施せず 宜野湾 ※1級2級実施せず 宇都宮・熊本・鹿児島 ※1級2級3級のみ パリ 【二次試験】 札幌・森岡・仙台・金沢・名古屋・京都・大阪・広島・福岡・長崎 ※1級実施せず 群馬・新潟・静岡・高松 ※準2級のみ 東京・松江・岡山・熊本・宜野湾 ※1級2級のみ 東京・パリ |
試験日程 | 【1級】 一次試験 6月 二次試験 7月 【準1級】 一次試験 11月 二次試験 翌1月 【準2級・2級】 一次試験 6月・11月 二次試験 7月・翌1月 【3級~5級】 6月・11月 |
公式サイト | 仏検のAPEF/公益財団法人フランス語教育振興協会(http://apefdapf.org/) |
級位 (合格率) |
内容 | 勉強時間目安・評価 |
---|---|---|
1級 (10.6%) |
【筆記】 一部記号選択の記述式、問題数9問、配点100点、時間120分 【書き取り】 問題数1問、配点20点、時間40分(【聞き取り】含む) 【聞き取り】 語記入・記号選択式、問題数2問、配点30点 【個人面接】 与えられたテーマの中から選び、それに関する発表と討論、時間9分 |
・600時間以上 ・フランス語を使った仕事の即戦力レベル |
準1級 (21.5%) |
【筆記】 一部記号選択の記述式、問題数8問、配点80点、時間100分 【書き取り】 問題数1問、配点20点、時間35分(【聞き取り】含む) 【聞き取り】 語記入・記号選択式、問題数2問、配点20点 【個人面接】 与えられたテーマの中から選び、それに関する発表と討論、時間7分 |
・500時間以上 ・大学のフランス語専門課程卒業レベル ・フランスの日常・社会生活の多様な分野のフランス語を理解できる |
2級 (32.3%) |
【筆記】 一部記述式のマークシート式、問題数7問、配点68点、時間90分 【書き取り】 問題数1問、配点14点、試験時間35分(【聞き取り】含む) 【聞き取り】 語記入・記号選択式、問題数2問、配点18点 【個人面接】 日常生活の質問に対し、自分の伝えたいことを述べて対話する、時間5分 |
・400時間以上 ・大学のフランス専門課程4年レベル ・読む力だけでなく、聞き、話し、ある程度の書く力がある |
準2級 (50.3%) |
【筆記】 一部記述式のマークシート式、問題数7問、配点70点、時間75分 【書き取り】 問題数1問、配点12点、時間25分(【聞き取り】含む) 【聞き取り】 語記入・記号選択式、問題数2問、配点18点 【個人面接】 掲示された文章を音読し、その文章とイラストに関する簡単な質問に答える質疑応答、時間5分 |
・300時間以上 ・大学3年修了程度のレベル ・日常生活の平易なフランス語を理解できる |
3級 (56.7%) |
【筆記】 一部語記入式のマークシート式、問題数9問、配点70点、時間60分 【聞き取り】 一部語記入式のマークシート式、問題数3問、配点30点、時間15分(【部分書き取り】含む) 【部分書き取り】 問題数1問、配点10点 |
・200時間以上 ・大学の第一外国語1年間、第二外国語2年間の勉強量に相当 ・フランス語の基本の勉強を修了し、簡単な日常表現を理解できる |
4級 (70.2%) |
【筆記】 マークシート式、問題数8問、配点66点、時間45分 【聞き取り】 一部数字記入式のマークシート式、問題数4問、配点34点、時間15分 |
・100時間以上 ・大学の週1授業2年間、週2授業1年間分に相当 ・基礎的なフランス語を理解できる |
5級 (76.3%) |
【筆記】 マークシート式、問題数7問、配点60点、時間30分 【聞き取り】 一部数字記入式のマークシート式、問題数4問、配点40点、時間15分 |
・50時間以上 ・大学週1授業1年間、週2授業半年分に相当 ・初歩的なフランス語を理解できる |
仏検のメリット
フランス語を扱う仕事の就職に有利
フランス語関係の資格では、「DELF・DALF試験」などがありますが、日本のフランス語テストは、この仏検のみです。
なので、フランス語関連の仕事に就きたい人は、この資格を取ることで、アピールをすることが出来ます。
単位を認めてくれる
学生の方の場合、学校によっては外国語科目の単位を認めてくれる場合もあります。
例えば、日本大学文理学部英文学科では、仏検2級で6単位、3級で4単位の認定制度を実施しています。
単位認定制度 – 日本大学
「通訳案内士試験」の優遇を受ける
通訳案内士試験は、通訳ガイドとして働くための国家試験です。
この通訳案内士試験は、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語など、様々な外国語の種類がありますが、仏検1級を取得することで、フランス語の筆記試験免除の優遇を受けることが出来ます。
通訳案内士試験概要 – 日本政府観光局(JNTO)