親知らずが生えてきた!けど・・・ま~いっかと放置
大学生の頃、妙に口の奥の歯茎が痛むと思ったら、親知らずが生えてきました。何これ!?と初めての経験に、友達に相談をしました。
「全部生えてしまえば、痛くなくなるよ」
「あ、そうなの?」じゃあ放置でいっか。
硬いものが、どうも・・・噛みずらい
放置して1年後。発生した違和感の1つ目。
固いものを食べた後、または翌日、確実にアゴの調子が悪くなっていました。心なしか噛んでいる間も、なんとなく違和感がありました。
横を向いて眠ると・・・翌朝、口が開かない
発生した違和感2つ目。
もともと仰向けで寝るのが好きな筆者。しかし、たま~に横向きに寝た日の翌日がなんとも悲惨でした。
口が明らかに開かないのです。ひどい時では、指が1本ようやく入るくらいの大きさです。
無理矢理に開こうとすれば、アゴから聞こえる変な音・・・あくびでもしようものなら、カクカクという聞いたこともない妙な音がしていました。
たま~に傷むけど・・・気のせいだろ
発生した違和感3つ目。
親知らず自体も、定期的に痛みを発していました。自分の中の感覚では、冷たいものに歯がキーンってなるものと同じ類だろうと、気にも留めていませんでした。
インターネット検索が無知を追い込む
しかし日を追うごとに大きくなっていく違和感。だんだん心配になってきたため、少しでも不安を和らげようとインターネットで検索をしてみました。
そこには身の毛もよだつ怖~い情報が載っていました。
顎関節症の人は、アゴを外して抜歯する?
最初に見つけたのが、顎関節症に悩む方の書き込み。
「私は顎関節症です。親知らずが生えてきたため、抜歯を予定しています。ふと、疑問に思ったのですが、口が十分に開かないのに、どうやって抜歯をするのでしょうか?」
という相談者に対し、回答が1つ。
「顎関節症ならば、口が開かないので、アゴを外して手術をします。専門のお医者さんがそばにいるので不安はないでしょう。」
え・・・えぇ~!!!と、思わず叫んでしまいました。アゴをあえて外すなんて、想像をはるかに超えています。
アゴは1回外れると癖になる?
次に見つけたのが、アゴが外れることに悩んでいる方の書き込み。
「アゴが一度外れてからというもの、頻繁に外れるようになってしまいました。これはどうにもならないのでしょうか?」
という相談者に対し、回答が1つ。
「そうですね。体質みたいなものです。私もよく外れますが、そのうち直すのも上手くなります。」
ほ、本当ですか・・・手術の際にアゴを外されたら、癖になって・・・よく外れるようになって・・・最悪の事態で、頭がいっぱいになりました。
虫歯になった親知らずは大手術?
そして親知らずが、虫歯になった際の記述を読みました。
「口の一番奥に生えている親知らず。横に向かって歯茎に埋まっていることも多いのに、それが虫歯になると大参事です。その上、親知らずが神経を触っていたり、噛み合わせに参加している場合であれば、抜歯ができなくなります。」
ん・・・抜けない上に、治療も難しい?しかも口も全然開かないのに・・・一体どうすればいいの?
口が開かないんです・・・遂に歯医者へ
インターネットの情報から、かなりの恐怖にかられ、遂に歯医者へ駆け込みました。
いやいや、顎関節症じゃありません
まずは口のレントゲンを撮影しました。そしてそれを見た先生が一言。「うん、顎関節症ではないね。」
あれ?じゃあこのアゴの不具合は何?不安が一気に混乱へと変わりました。
親知らずが原因なのかな・・・抜いちゃう?
筆者 「でも明らかに口の開きが悪いんです・・・」
先生 「確かに開きは悪いけど・・・顎関節症の人はもっともっと開きは悪いよ。」
筆者 「じゃあ親知らずは、アゴの症状には関係ないですか?」
先生 「う~ん・・・ないとも言い切れないんだけど。君の場合、上は元々、親知らずは生えてないね。下には2本生えちゃってるし、気になるなら今から抜く?」
イケメン医師が、たった5分で抜歯
え・・・?親知らずってこんなに、簡単に抜くものなの!?と思いながらも、そのまま抜歯を開始。
口が開かないのに、大丈夫かな・・・と、頭の中は不安でいっぱい。
「もう少しだけ口開けられる?」と聞かれ、頑張って開きました。アゴが外れても、先生がいるから大丈夫だろ!と腹をくくりました。
注射を指されて、口の中をカチカチ。怖い怖い怖い・・・と思っている間に、イスが上がりました。
「はい、抜けましたよ。」
は、早い!まだ5分も経っていません。大学病院の口腔外科から派遣されてきていた若い男性のお医者さんでした。「いや~、橋本さんの親知らずは、まっすぐ生えていたから抜きやすかったよ~」あまりに一瞬のことだったので、ただただビックリでした。
歯茎にポッカリあいた大きな穴
その後、家に帰って抜いた部分を見てみました。
ぽっかりと空いている穴が何とも痛々しく。縫われている糸が舌に当たりなんとも気持ちの悪いものでした。
え・・・その顔どおしたの?
翌朝、鏡を見てびっくり。顔の半分だけ、ぷっくりと膨れていました。会社に出勤すると「え!顔かお~!どうしたの?」と色んな方に突っ込みを受けました。
口の中が痛いので、なるべくなら会話もしたくなかったのに、苦痛で仕方ありませんでした。しかし抜歯したのが夏であったこともあり、マスクをするのも不自然・・・しばらくは気まずく、痛~い思いを強いられました。
やわらかいと思った大福・・・中身の栗が直撃
抜歯後、一番気をつかったのが食事です。
縫っている糸が徐々に緩んできて、しまいには口の中を行ったり来たりし始めました。そのため柔らかいものを中心に食べるように、細心の注意を払っていました。
そんな中、3時のおやつに会社の方に頂いた大福。食べてみたところ、まさかの中身が栗でした。見事に抜歯箇所に突き刺さり、余りの痛さに「あ゛ぁああ♯○△@×・・・」という言葉にならない声が出ました。
中身に何か入っている可能性のあるものは、この時期は避けることをオススメします。
噛みあわせに悩まされた無駄な4年間
抜糸の後、しばらくしてから、もう片方の親知らずも抜歯しました。こちらの方は少し斜めに生えており、歯茎に埋まっている状態でしたが、10分程度で抜歯は終了しました。
もっと早く抜けば良かった・・・後悔ばかり
それからというもの、気付けばアゴから聞こえていた嫌~な音が無くなりました。開かなかった口も嘘のように元通りになりました。
違和感を感じたまま生活しており、後半、抜歯前の時期は、ずっと怖い思いをしていたので・・・。どうしてもっと早く抜歯しなかったのだろうという後悔だけが強く残りました。
インターネットの情報は・・・見極めが難しい
歯医者に行ってある注意を受けました。「インターネットは参考にしないで下さい」ということです。
「あんなの信憑性ないからね。本当のこと書いてある方が少ないよ。」と、一蹴されました。
お医者さんや専門家が書いているコラムなどは別ですが、確かにこれまでの経験上「嘘ばっかりじゃん」という書き込みにも多く出会ってきました。
気軽に情報が手に入る反面で、やはり正しい情報は手に入りにくいのかもしれません。
あと少し遅かったら・・・恐怖と反省
日を追うごとに、確実に口の状況は悪化していました。もしもあのままだったら、いつかアゴが外れていたと思います。
インターネットの情報に大きく振り回されてしまったものの、結局はそのおかげで、口とアゴの健康が返ってきました。
少しでも不安な方は、すぐに病院で見てもらうことをオススメします。インターネットで自己診断をしてしまうことは、取り返しのつかない状況になりかねません。