そもそも“親知らず”って何?
親知らずとは、口のなかの最も奥に位置している歯のことです。単純に奥歯と呼ばれるほか、知恵歯や知歯(智歯)と呼ばれることもあります。歯科用語では、上の親知らずのことを上顎第三大臼歯、下の親知らずのことを下顎第三大臼歯と呼びます。
親知らずの名前の由来は、親が知らないうちに生える為(子供が独り立ちする年齢の頃に生えるので、親は知らない)など色々な説がありますが、はっきりしたことは分かっていません。
下図でいうと、赤い部分が上顎第三大臼歯、青い部分が下顎第三大臼歯です。
image by Dozenist on Wikipedia
名前 | 読み方 |
---|---|
知恵歯 | ちえば |
知歯(智歯) | ちし |
上顎第三大臼歯 | じょうがくだいさんだいきゅうし |
下顎第三大臼歯 | かがくだいさんだいきゅうし |
歯ブラシが届きにくいため、虫歯になりやすい
親知らずが虫歯になりやすい一番の理由、それは歯ブラシが届き難いということ。
先ほども説明したとおり、親知らずは一番奥に位置していまです。歯ブラシを無理矢理奥まで入れようとすると痛みが伴いますから、自然と親知らずの磨き方がおざなりになってしまうのです。
また、歯の側面を磨かないというのも大きな原因です。これは他の歯にも言えることですが、歯ブラシを寝せて歯の側面までを丁寧に磨く人はなかなかいないもの。大抵の人は、表面を磨くことのみに力を入れてしまいます。歯ブラシを入れにくい奥歯ならばなおのこと、側面は二の次になってしまいますよね。
ご存知の通り磨き残しの多い場所は、高確率で虫歯になってしまいます!
横倒しの親知らずはこんなトラブルも引き起こす!
親知らずは、親知らず自身が虫歯になりやすいだけではありません。隣の歯や周囲の組織にも悪影響を及ぼすことがあります。具体的には、親知らずが横倒しの状態で生えてきたり、横倒しの状態のまま歯肉から出てこなかったりすると、以下のようなトラブルを引き起こすことがあります。
- 隣の歯との間に汚れがたまりやすいので、虫歯を誘発する
- 歯肉や顎の骨を圧迫し痛みが生じる
- 噛み合わせが悪くなり体調不良を起こす
- 下顎第三大臼歯を抜くときに下歯槽神経を傷付けると、唇や舌の動きに障害がでる
親知らずが横倒しになっているという事実は、自分では気が付かないもの。
虫歯の治療のためレントゲン写真を撮ったときに、発覚することがほとんどです。発覚した場合は、歯医者より抜歯を勧められたり、歯科口腔外科での治療を案内されたりします。
勧められたからといって、必ず治療しなければいけないということはありません。しかし今後起こり得るトラブルを回避するためには、やはり横倒しの親知らずは抜歯することが望ましいです。
また親知らずの痛みのせいで、日々の生活に支障をきたしているのであれば、できるだけ早い治療が必要になります。
小顔の人は親知らずが埋まっているかも!?
虫歯になりやすく、周囲にも悪影響を及ぼしかねない親知らず。
他の歯と比べると影の薄い存在ですが、だからこそ一層気にかけなければいけません。親知らずが生えたら、ヘッドの小さい歯ブラシで隅々まで磨く、更にデンタルリンスで口をすすぐ…などなど、日頃からケアに力を入れましょう。
ちょっと余談になりますが、小顔で顎がシャープな人は、親知らずが埋まっている可能性が高いのだとか。理由は、全ての歯が出揃うための十分なスペースがないためです。このような顔立ちで、虫歯でもないのに奥歯のあたりに痛みや違和感がある…という方は、親知らずを疑いましょう。抜歯治療により、悩みが解決するかもしれません。