古物商になりたい!
店内に所狭しと並べられた古道具。キッチン用品や家具のコーナーは、まるで昭和にタイムスリップしたよう。かと思えば、どこで仕入れて来たのかと思うような怪しげな商品等々。
そんな、魅力あふれる(?)リサイクルショップか大好きな私が、自分で開業したい!と思うようになったのはまさに自然の成り行きだったと思います。
リサイクルショップを開くにはどうすればいいのか?まずはネットで「リサイクルショップ 開業」と検索した時から、私の古物商開業への道が始まりました。
とにかく古い物が好き
昔からどういう訳か古い物、懐かしいものが大好きな私。小学生の頃は、友人が使っているおさがりの筆箱が何とも可愛らしくて、自分の真新しい筆箱をわざと汚して母に叱られたりしたものです。要するに、古い物の持つ味わいや暖かみを子供の頃から知っていたような気がします。
それは大人になっても変わる事はなく、地元のリサイクルショップと馴染みになって、少しづつ好みの古い物を集めて行きました。そしていつしか家の中は、古い物で溢れるようになって行ったのです。
古物商ってどんな仕事?
wikiによれば「古物商(こぶつしょう)は、古物営業法に規定される古物(中古品および転売を目的とした新品)を、業として売買または交換する業者・個人のことである」とあります。
古物を売るだけなら、フリマやオークションと同じですよね。こういった販売スタイルは特に資格が必要ではなく、誰でもすぐに参加することが出来ます。
でも「業として売買する」となると話しは別。法律に沿った決まりが出てきます。その決まりを守りますと言う誓約書が、すなわち古物商と言う資格なのです。
古物商になるには
ではその資格はどうすれば取得できるのでしょうか。以下を参照してください。 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetuzuki/kobutu/kyoka.htm
これを見て気が遠くなった方、ご安心を。少し出費はかかりますが、行政書士に頼めばすべて必要なものを揃えてくれます。あなたはその書類を手に地元警察を訪れるだけでいいんです。
手続きにまたお金がかかりますが、それは必要経費ですので仕方ありません。後は認可が下りたという連絡を待つだけです。犯罪歴があるなど、よほどの事がない限り無事に認可は下りますので、晴れて古物商の資格を手にすることが出来ます。
でも資格より何より、古物商になるにはもっと大事な事があります。それは「古物が好き!」という事です。フリマやオークションにワクワク感を感じる、新品よりも古い物が好き、捨てるのなんて勿体ない、リユース最高!と言う人こそ、古物商にふさわしい人と言えるでしょう。
晴れて古物商の看板を掲げる!
さて、いよいよ古物商の資格も取れ、晴れて看板を掲げる準備が整いました。古物商の資格証は免許証と同じようなカードです。
そして、警察で玄関の表札のようなプラスチックのプレートを作らされます(これが高くて5000円くらいします)。このプレートには、自分が選択した古物商のジャンルと、現住所での認可番号が記載されています(この「ジャンル」については次でご説明します)。
このプレートこそが、実質上の古物商の看板なのです。横約20㎝、縦約5㎝のこのプレートを玄関に置くだけで、そこでの営業が許可されます。
どのジャンルの商品を扱うのか
では実際にどんな商品を扱えばいいのでしょうか?古物商とひと口に言っても扱う商品は多種多様です。
古い家具や電化製品、貴金属、ブランド品、古着、古本、食器などの日用品に古美術骨董などなど。なんと中古車も古物商免許で販売の資格を得ることが出来ちゃいます。
特に専門で扱いたいと言う物がないなら、家具や雑貨など広い範囲を扱う「道具商」の認可を取れば、ほとんどの商品を扱うことが出来るのでおススメです。どのジャンルの認可を取るかは、警察署に最終的な認可の手続きに行った時に決めるので、あらかじめ考えておいた方がいいでしょう。
実店舗を持つかネットで売るか
私は先にも書いたように、昔から古い物を集めていたので、古物商の認可が下りたらすぐにも自宅で営業をすることも可能でした。でもやはり自宅にインテリアとして置いている商品に、そのまま値札をつけて商売するわけにもいかないですよね。
その頃私は自営でカフェを経営していましたので、とりあえずその店の一角をリサイクルコーナーにして、少しづつ商品を並べることにしました。
置いたのは、コレクションしていた古いインテリア雑誌や料理本、比較的新しいバッグや服、そして新たに仕入れた食器類など、お店のインテリアにもなるような物だけを選んで置きました。 最初から店舗を借りての営業となると、ある程度の広さの店舗とかなりの数の商品を準備しなければならないので、開店資金は莫大になります。もちろん他の業種と違い、最低限の照明と販売のための什器があれば設備にはそんなにお金はかからないと思います。しかし、それでもかなりの資金が必要です。
なので最初はネットから始めるのもいいのではないかと思います。ヤフーなどのオークションサイトに業者として出品するか、商品を売ることが出来るサイトで少しづつ販売を始めて行くのも賢いやり方と言えるでしょう。
扱う商品の古物相場を徹底調査
自分が扱う物が決まったら、その商品の中古市場を調査します。
たとえば食器を扱うとして、扱いたいブランド、年代、種類など、どれくらいの価格で流通しているか調べます。
そして仕入れの時だけでなく、ウィンドウショッピングやネットサーフィン中に、思わぬ掘り出し物が見つかったらすぐにゲット出来る知識を養っておきます。これはこれからの商品の仕入れに関わってきますので、とても大事です。
商品を仕入れる
商売として古物商を営むには、最初にある程度の商品を持っておく必要があります。これはネットでも同じです。業者として出品する以上、そのページは自分の「お店」なので、品揃えが悪いとお客は見てくれません。
ヤフーオークションで言えば、最低でも3ページ分くらいの商品は持っておきたいところです。ではその商品はどうやって調達すればいいでのしょうか。
1.同業者から仕入れる
大手のリサイクルショップなどで、安く仕入れて少し値を上げて自分の店舗で売る方法です。当然利益はかなり少なくなる上、足代など考えるととんとんになる可能性も。とにかくお店を始めたいならこの方法しかないかも。
2.町の大型ごみを探し回る
不用品収集日に、町中を巡って使えそうな物を探す方法です。大型の家具などを並べたいならこの方法は案外いいものが手に入る可能性もあり。ただし、そのままでは販売できないので、綺麗にメンテナンスする手間がかかります。しかも一日探して収穫なしという事もあるので、リスクは高いと言えます。
3.オークションで掘り出し物を見つける
前項で書いた商品の流通価格が頭に入っていると、たまに信じられないくらいの格安で価値のある物が出品されているのを素早く見つけることが出来ます。
そういう物を見つけたら、何食わぬ顔で流通価格よりわずかに低い金額で入札しておくのです。ヤフーでは自分がつけた最高落札価格を他人が見られないようになっているので、運が良ければぎりぎり損をしない価格で落札できます。
4.買い付けに出向く
たとえば、今流行りのフランス雑貨やイギリス雑貨の専門店にしたいような場合は、先行投資と割り切って海外に買い付けに行く、という方法もあります。
パリの蚤の市やロンドンのポートベローなど、目を肥やすと言う意味でも一度は行ってみたいものです。ただし、かなり資金に余裕のある人限定ですが。
5.業者しか出入りできない秘密の入札所で大量購入する
ラストのこの方法は、業者しか知らない秘密の仕入れ方法です。
これは各都道府県ごとに、決まった場所で定期的に行われている、古物商だけの大きな競り市のようなもの。大量の中古品が持ち込まれ、信じられないような低価格で取引されます。
ただし、これは一般の人が絶対入れないよう厳重にチェックされ、競り市の会場に入るためには現会員の推薦が必要になります。現会員=同業者なので、推薦してくれる人を見つけるのはかなり難しいと言えます。
私も一度は行きたいと思いながら、いまだに推薦してくれる人を見つけることが出来ません。でももし運よく会員になれたら、これに勝る仕入れ方法はありません。
うんちくも多少は必要
大型チェーンのリサイクル店と違い、古物商の多くは商品に少なからず何かのうんちくを持っているものです。それも商品価値の一つ。実店舗の場合はともかく、特にネットの場合は互いに顔が見えないので、ただ商品の写真や寸法などを載せるだけではなく、一言うんちくを添えるだけでも店主の誠実さに繋がります。
商品管理は古物商の要
どの業種でもそうですが、商品管理は大切です。ですが古物商は特に、商品の在庫をひとつひとつ表にしておく必要があります。
仕入先、仕入れ方法、仕入れ値などすべて記載して保管します。と言うのも、その表を定期的に地元警察に見せなければならないからです。それは一体なぜなのでしょうか。
古物商になったら地元警察とはお馴染みさん
そもそも古物商の登録をどうして警察でするのかと言うと、古物の流通は犯罪と切っても切れない関係があるからです。
少額商品はあまり関係ありませんが、価値のある絵画や骨董などは、盗難品が流通する場合があるので、売買に関わる人間はその出所を把握しておく必要があるのです。
これにより、その品がどこの誰が世に送り出したかが明白になるのです。古物商の資格を取得したら、地元警察が定期的に商品管理表を見に来ますので、しっかり管理しておきましょう。
絶えず商品の流通にアンテナを張り巡らせる
一旦古物商をやると決めたら、商売を軌道に乗せるため定期的に新しい商品を仕入れていくことが大事です。実店舗なら店頭の商品を、ネットならトップページの商品をまめに更新し、訪れるお客に商品力、仕入力がある店だと知ってもらうのです。
お客は「何か面白い物がないか」と日々お店を見ているので、その期待に応えられるようとにかく頑張る事です。
古物商という資格がお宝を生む
いかがでしたか?古物商について、少しは知って頂けたでしょうか。古物の値段は特定の商品以外はあってないような物。運よく掘り出し価格で見つけた物を、古物商と言う資格が利益を生み出すお宝に変えてくれるのです。