
自分ってもしかして、心の病?
うつ病の症状のひとつに、心気妄想というものがあります。自分が「病気になってしまったのではないか?」そんな妄想を抱くことです。けれども、そう考えたとしても慌ててはいけません。迂闊な自己診断やネットでの病気診断では、心の病を特定することなど到底できないのです。
専門医でさえ診断にバラつきがでるため、ともすれば病院や病院関係者に対する不信を招くことにもなります。
まずは、自分はなんらかの心の病「なのではないか?」という認識でストップし、ひとまずは、日ごろの生活習慣を見直したりするところから始めるのが得策だと思われます。
実はすぐに病院に行かないほうがいい
前述しましたが、素人判断で自己診断することは迂闊すぎます。専門医にそれを訊ね、薬を飲み続け、薬に依存したり、薬の副作用で仕事の継続が困難になったりする恐れがあります。あるいは、薬が合わないにも関わらず飲み続けたり、複数の薬を渡り歩いたり、ますます症状が悪化するケースもありえます。
薬は快方のためのひとつの「手段」でしかないため、「飲めば、それで、すべてが解決するんだ!」という気軽な気持ちになるのは禁物です。あくまで、薬は補助であり、根本治癒や解決の一助にすぎません。
なまじ、薬で社会生活を継続できたとしても、薬を飲み続けて労働をするという苦痛が継続することになりうる可能性は大きいと思います。
本当に目を向けないといけないのは、自分の心の奥底の声

精神分析家のジムクンド・フロイトという医者がいました。フロイトは患者を診るときの概念として「無意識」を探ろうという考えがあったといいます。もちろん、「無意識」は無意識なので、当の本人も医者も、あるいは神でさえも、本当のことは完全に理解できるということはないと思います。
たまに、人の心が分かるだとか、心理操作ができるかのような神や魔術師のような言動や振る舞いを行う人間も存在しますが、そういった言葉に惑わされるのは危険です。怪しげなセミナーでお金を巻き上げられたり、占いだとかに嵌って、そのまま毟り取られてしまうケースも多いです。
一般の専門的な医療機関で、「臨床心理資格を持った心理カウンセラー」に相談してもらうのが、一番の手掛かりだと思います。重要なのは、自分が日常生活で悩んでいること、気がかりになることを手掛かりにし、「心理カウンセリング」を受けることを検討されるとよいと思います。
駆け込み寺のように病院へゆき、診断を受け、薬を貰うだけの医者より、心理カウンセリングや、自助グループなどを利用するなどして、日ごろの生活態度や「心の声」というのを今一度確認することで、より泥濘に嵌るようなことにはならないであろうと思います。
自助グループは、探そうと思えばたくさんあります。そこを受け皿にすることで一時的な心理的安心を得られたり、求職情報や生活サポートも充実しているところもあるので、安心した療養生活を送れることでしよう。
常日頃から私たちが、自分自身の心の声を聞いてあげること
現代のような競争社会では、仕事や規則の拘束のあまり、自分の本音や感情を露わにできないで過ごしてしまうケースはたくさんあるでしょう。
もしかしたら、心の病かもしれないと思われる方には、人に過剰に合わせたりとまじめで、神経質な方が多いかもしれません。
自分は大丈夫だと高を括っていても、ある日突然、不調を訴えることもあるかもしれません。
そこで私たちができることは、その日にあった出来事はなるべく言葉や感情に表わしてみることではないでしょうか。
それが無理だとしても、配偶者や友人・知人、それこそ心理カウンセラーを訪ねるなどし、人と人との交感交友することが、日ごろの予防的効果につながると思われます。自然に親しんだり、音楽を聞いたり、なるべく休日は一人で過ごしてみたりする。そうすることで一時的に落ち着いたりすることがあるかもしれません。
感情を齎すような文化・芸術に親しみを持つことも、心を解放する一つの効果となりうるだろうと思われます。