うつ病が理由の離婚/解雇は違法!?鬱病でよくある2大法律トラブル|トピックスファロー

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2013年4月25日
うつ病が理由の離婚/解雇は違法!?鬱病でよくある2大法律トラブル

今や5人に一人は発症するといわれているうつ病は、誰もが無縁ではいられない病気といえます。しかし、その一方でうつ病を患ったことによる法律トラブルは後を絶たず、うつ病患者が割を食う形になることもしばしばです。うつ病にまつわる法律トラブルについて解説していきます。

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急増するうつ病に関連する法律トラブル…解決策は?

うつ病に限らず、病気に罹ることは家族や友人・同僚といった身の回りに居る人に心配や迷惑を掛ける事になるものです。しかし、相手は病人なのだから強く出るわけにもいかないので「治ったら奢れよ」と冗談を混ぜながら完治を望んでの励ましをすることになります。

しかしうつ病の場合、精神面に出る病気なので他の病気よりも見かけが健康的で、病人らしからぬ容態にしか見えません。その為、お見舞いに来た人や治療を支える人との多くのトラブルを生み出すことにもつながってしまうのです。

仕事まで失う!? うつ病による雇用トラブル

うつ病にかかってしまうとやる気が沸かなくなり、寝食を忘れるほどに好きな事さえもできなくなってしまうほど。自分の食い扶持を稼ぐための仕事に対するやる気は言うに及ばず、です。

しかし、会社経営者にしてみればうつ病にかかった社員は邪魔に感じられるので、どんなに会社に貢献していたとしてもあれこれ理由を付けて解雇しようとしてトラブルを起こすケースは後を絶ちません。

「うつ病=解雇」と考えている会社は多いのですが、多くの場合裁判に持ち込まれた挙句に解雇無効・損害賠償判決が下されています。つまりうつ病は解雇の理由に出来ないと考えた方が良いのです。
たとえ就業規則に「会社は病気を理由に解雇できる」と記してあっても、法の下の公共の福祉に反する規則は無効と見做されるというのが一般的な法解釈だからです。

もしもうつ病を患ってしまったなら、ただちに病気治療のための休職を会社に申し出るのが一番です。会社側もうつ病治療の為の休職願が提出されたのなら承認して治療に専念してもらうようにするべきです。

休職期間が満了しても寛解・軽快が見られない場合は、解雇を視野に入れた話し合いを持つようにしましょう。

うつ病を原因に離婚…家族トラブル

うつ病患者は仕事どころか家事も出来ないくらいに落ち込んだ気持ちが続いてしまう為、家族の負担は大きなものになります。患者自身が家事に非協力的になるだけならばまだしも、うつ病で攻撃的になってイライラを家族にぶつけてくることもあるからです。

その為、配偶者がうつ病にかかるとうつ病を理由にして離婚を図ろうとするケースも増加しています。中には配偶者に対するモラルハラスメントを行ってうつ病に追い込んだうえで離婚しようとする者さえ居るのです。

うつ病を離婚事由にしたケースは、大体の場合却下されます。なぜならうつ病は「治る見込みがある精神病」と見做されていて、なおかつ「離婚に至るほどの大きな責任を負うものではない」と考えられているので、離婚に至る理由としては弱いのです。むしろ「なぜ治るまで面倒を見ないのか」と言われるのがオチです。

配偶者がうつ病になった場合、離婚を考えるのではなく少しでも早く治るように治療に協力する事を考えるべきなのです。

著者:伊藤義雄

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書きたいものがありすぎて書かせてもらっているライターです。趣味は鉄道旅行、写真を撮ることもあるが実際に乗車して車両の個性を体験したいタイプ。尊敬する人は宮脇俊三さん。目標は全国鉄道制覇