エネルギーをくれる自然の風景
ある日の仕事帰りの電車の中でふと窓の外を見ると、そこには美しい夕焼けが広がっていました。力強くあたたかいオレンジ色の光を浴びていると、疲れがとれて、心にエネルギーに溢れてくるのを感じました。
また別の日、緑が溢れる東京の多摩にある祖母の家周辺を散歩したときのこと。小川の横の砂利道を歩きながら、緑の香り、川のせせらぎ、鳥の鳴き声、木の葉が風にそよぐ音といった自然を身体いっぱいに感じているうちに、心が癒されていくのを感じました。
みなさんも自然と接することで気分がよくなった経験をお持ちではないでしょうか。太陽光には体のリズムを整える効果がある
ビタミンDをつくる
私たちが毎日必ず浴びている太陽の光。太陽の光に含まれる紫外線は、ビタミンDを成生します。このビタミンDが欠乏すると、骨粗鬆症や糖尿病、高血圧などのリスクが上昇すると言われています。紫外線というと、日焼けの原因でお肌の敵!と悪者扱いされがちですが、実は私たちの健康づくりに大変役立っています。もちろん、紫外線の浴び過ぎはお肌にダメージを与えるので、日光浴はほどほどにしましょう。
体内のリズムを整える
太陽の光はメラトニンの分泌を抑える効果があります。メラトニンとは誘眠作用のある脳内の物質です。太陽の光を浴びることで眠気を引き起こすメラトニンの分泌が止まり、その15~16時間後に再びメロトニンの分泌が始まります。夜眠れなくて困っているという方は、朝起きたらカーテンを開けて思いっきり太陽の光を浴びてみましょう。きっと夜にはぐっすり眠れるはずです。
心を安定させる
太陽の光は、セロトニンという脳内の分泌を促進させる効果もあります。セロトニンは精神を安定させる作用のある物質で、セロトニンが不足するとうつ病や不眠症などの精神疾患になりやすいと言われています。自然の中で過ごすと得られる効果
身体を丈夫にする
森林を歩くと独特の爽やかな香りがしますよね。この香りは樹木が発散する「フィトンチッド」という成分のものです。フィトンチッドは殺菌作用とリラックス効果があるとされています。さらに、がん細胞やウィルスなどを退治する「ナチュラルキラー細胞」もフィトンチッドによって活性化に役立つといわれています。自然の中で過ごすことは、リラックスしながら身体を丈夫にしてくれる、まさに一石二鳥の健康法です。
癒し効果のある自然の音
自然の中にいると、風の音や鳥の鳴き声などの音が聞こえてきますよね。こういった自然音は「1/fのゆらぎ」と呼ばれる、規則正しい音と規則性のない音の中間の音をもっています。自然を感じるライフスタイル実践編
・朝起きたら朝日を浴びる
生活のリズムを整えるのは、健康な生活を送るための基本です。生活リズムを整えるために朝、目が覚めたらまずカーテンを開けて朝日を浴びましょう。
・意識的に外に出る
オフィスワークが中心の方は、意識して外に出る時間を確保しないと、一日中パソコンのモニターとにらめっこという状態になりがちです。そういう方には「席を立ったら、窓から外の景色を眺める」「三時間に一度、オフィスの外に出て太陽の光を浴びる」など自分でルールを決めてしまうのがオススメです。
外の風景を見て気分転換をすることで、仕事もはかどるはず。仕事中に外に出る時間をつくれなくても、通勤の電車の中で窓の外を見るだけでも気分転換になります。
・週末は緑の中でリラックスする
代々木公園や井の頭公園など整備された公園がある東京。週末はお弁当を持って、公園でピクニックするのはいかがでしょうか。井の頭公園や上野公園には園内にカフェがあります。公園の中のカフェでお茶をしながら、森林浴するのも贅沢でいいですね。
家の外にでるのは面倒という方は、カメラやスケートボードといった家の外で楽しむ趣味を持つと、外に出るきっかけになりますね。普段意識することはありませんが、私たちの健康は自然に支えられています。特に、森林浴の効果は素晴らしいものがあります。積極的にその力を活用しないのはもったいないですよね。ぜひ、意識して自然と触れあう時間をつくってみてください。