口臭をネタにいじめられた人
口臭ごときで相手をいじめるなんて心の狭い人だな、って思いますが、本当にあった話なんだから仕方がありません。
そして、いじめられた、というのは私の母なんです。
場所はパート先の工場。そこでは仕事のイライラから、いじめが横行していました。
私物を隠す、なんてことは日常茶飯事。言葉による攻撃もものすごかったそうです。
所属メンバーは気の荒いオバハンばかりです。
というより、みんないじめられて辞めていくので、必然的に気の荒いのばっかりが勝ち残る結果となっていたんですね。
結果から言えば、母もいじめに耐えきれず辞めました。
一体どんないじめだったかというと、主に「暴言」だったそうです。
当時、母のわきの下には良性のできものができていて、しかし膿が出ていて匂いを発するという事で、自宅の近くの総合病院で、できものの切除の手術待ちでした。
母だってオンナ、そりゃあ気にしますよ。
しかし、家計の事情で仕事を休むわけにもいかず、患部にガーゼを当てて出勤していたそうです。
そして、ことは起こりました。
気の荒い、イジメ主要メンバーの中でもそのキツさは特筆もののオバハン2名と工場内ですれちがったとき、こう叫ばれたそうです。
「息も体も、くさいんや!」
「くさいんじゃあ!歯に腐ったたくあんでもはさんどるんちゃうか!」
「ホンマや!尻の穴にも一か月前のキムチはさんでるんちゃうん!」
「大しても拭いてないんやろなあ!」
「あはははは!汚ったな~!」
母は、ショックでその場で涙をこらえるのに必死で、家に帰ってきてから私にしがみついておいおい泣きました。
「お母さん、そんなにくさいん?そんなに汚いん?」
と、おえつを漏らし、泣き叫びました。
それはいじめられた者の悲痛な叫びそのものでした。
私はいじめの一部始終を聞いて、そのあまりの低俗さに呆れてものも言えなかったほどです。
そして私は、うまい具合に明日ができものの切除日だと聞いて、部分麻酔一本の簡単な手術だったにもかかわらず、しかもすでに埋まってたスケジュールをキャンセルしてまで、母に付き添ったほどです。
できものを切除した母は持ち前の明るさをあっという間に取り戻し、
「一緒に働く価値もない」
と、工場をスパッと辞めました。
しかし、匂いひとつでこんな大事になるんだなあ、と今振り返ってもおののくものがありますね。
確かに匂いには、いいにおいと嫌なにおいがありますがね。
「ニンニクくさいんじゃあ!」と叫ぶ薬剤師
上記のセリフは、私が調剤薬局で男の新米薬剤師に叫ばれたセリフです。
風邪で内科を受診した時のことですが、調剤薬局が異様に混んでたんです。
それで、時間つぶしに、薬局の近所に新しくできたラーメン屋さんに入ってラーメンを喰らい、時間を潰したんです。
ラーメン屋さんを出て薬局に戻ると、5分少々で私の名が呼ばれました。
若さゆえひとめで新人と分かるその薬剤師は、私がカウンターに進み出ると、あからさまにしかめてマスクをはめました。
それで上記のセリフです。
もうね、こうやって書いていても信じてもらえないんじゃあないか、って思う位、分かりやすく、かつ、まるでマンガでしょ。
でもこの話はれっきとした実話です。
調剤薬局でもけっこう長い付き合いで親しい、2児の母という共通項でつながりを持ってる薬剤師に教えてもらいました。
あの新人薬剤師はダメでしたけど、きちんと対処してくれた調剤薬局には感心しましたね。
今でも何かあると家族ぐるみでお世話になっています。
そして今、口臭ケアはというと・・・
母はキシリトールのガムを持ち歩き、いろんな匂いの予防に努めています。
気になる脇の下ですが、完治して、今では何ともないのだそうです。
私は家でもちょくちょくデンタルリンスで口の中をクリアな状態にしています。
いつ、宅急便の人とか来ても大丈夫なように。
後、この経験から口臭のもとを作らないようにしてます。
ニンニク、ニラは封じました。
コーヒーも、胃が荒れるので一日一杯にとどめてます。
キムチやカクテキはもともと大好物なのですが、これも封じ込めてます。
そうです、内臓からくる口臭ってのが一番キョーレツですからね。
話は少しそれますが、俳優と女優のキスシーンなんかで、お互いの口臭ってないんでしょうか?
忙しくて胃を荒らしてる人って結構いると思うんです。
やっぱり事前に歯磨きしたりデンタルリンスしたりして、臨むのですかね。
以前音楽スタジオで働いてた時、
「マイクがくさい」
とクレームをつけてきたミュージシャンがいました。
何せビッグなお名前の方なので幹部も総出で、
「このマイクは私の鼻で確認したところ、くさくありません!」
なんて、もう、必死でしたね。